過去のコラム(Column151〜200)

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Column200   2007/4/9 up               


 
■ 鏡の法則

  自己実現やリーダーシップに関する著書の多いジョン・C・マクスウェル氏の本を読んでいたら、なるほどと思う
  ことが書かれていたので、私なりの考えを混ぜながらご紹介します。

  曰く、「鏡の法則」=「何かをなす上でまず見つめなくてはならないのは自分自身である」というものです。

  更に、
  「何かを成し遂げたい、もっと成長したいとあなたが思った時、
   その思いや行動のネックとなるのは、周囲の環境、周囲の誰かではなく、あなた自身である。」と。

  なるほど、自分を変えるために、まず知らなければならないのは、当然ながら自分自身ですね。
  確かに、自分の行動、自分のビジョンって、振り返ってみれば、どうだったっけとかなり曖昧だったりします。

  自分が何者で、どんな行動をしているのかは、自分自身では中々見えないですね。
  自分自身が理解出来ていなければ、周囲の方とうまく付き合うなんて、 まして新しく出会う方とうまく付き合う
  なんて難しいことです。

  私自身が、自分は人付き合いがうまいと思っているのですが、よく考えると、その多くは、単に我慢によって成
  り立っています。
  相手に上手く理解されるように、日々、自分の主張を伝えられているのでしょうか?
  この状態を人付き合いがうまいと言うのでしょうか?

  自分は人付き合いがうまいと思っている皆様。
  うまく付き合うことは、お互いが我慢し合うこととは、ちょっと違うようです。
  私自身も錯覚しているだけなのかも知れません。

  マクスウェル氏はもう一つ言っています。
  「あなたが違いを生み出すことの出来る最初の人間はあなた自身である。」 と。

  つまりは、「鏡で自分を見るように、自分を振り返り、自分自身をまず変えなさい」というのが 「鏡の法則」でマ
  クスウェル氏が言いたいことなのでしょう。

  鏡の法則。考えれば当たり前のことなのですが、出来ていないこと。・・・それを気付かせてくれます。








Column199   2007/4/4 up               


 
■ イメージの中の事実

  今朝は激しい雨の音で目覚めてしまいました。 記憶をたどると、4月の上旬って雨が降ることが多かったような気も
  します。 暖かくなって新しい春物のスーツに衣替えしたのに雨で足元が汚れてしまう季節。 私にとって4月はそん
  なイメージなのです。

  でも、人のイメージって、案外、 過去の1回の強烈な体験から作られるものなので、しょっちゅう発生している気がす
  ることも、実はめったに起きないことだったりもします。

  会議などの際、「いつも、○○の結果になるから、□□の方向にプロジェクトを進めるのは嫌だ。」
  なんて抵抗する方がいても、

  「あなたのその「いつも」って何回中何回起きたのですか?」 と質問すれば、
  「そうだなあ、えーと10回中、2回位かな。」 なんて稀なケースだったりするのです。


  交渉や調整の場面では、この 「いつも」 に惑わされないことが重要です。

  もちろん、ケンカごしに、「そんなわけないでしょ。」 とは言うのは逆効果ですが、
  「それは、この仕事を進める上で問題ですね。今まで、何回位そんなことがあったのですか?」 とうまく確認すれば、
  相手も記憶を数字に置き換えて客観的に見れるかも知れません。

  「まあ、大した問題ではないか。」と思ってくれれば問題解決です。








Column198   2007/4/2 up                


 
■ 質問の効果

  先日、就職活動の学生さんを面接していて、私の勤務先 (=出向先=不動産会社)への志望動機を質問したところ、
  全く要領を得ない方がおりました。

  そこで、「なんでこの業界を回っているの?」 ちょっと質問を広げてみました。
  コーチングで言うところのチャンクアップです。

  すると、多少は口が回り、「大規模な都市開発をしてみたい。」 という回答です。
  でも、私の勤務先では、大規模な都市開発はしないのです。

  どうも、デベロッパーと言われる企業のTVCMやら、六6 (六本木) や 丸の内 (丸ビル等)、東京ミッドタウン (防衛
  庁跡) などの再開発の報道のイメージが先行しているようです。

  「知ってると思うけど、不動産会社にも色々あるよね。
   もちろん、都市開発する会社もあるけど、
   仲介会社だって、マンション販売だってあるし、・・・・ 当社はオフィス賃貸が主な仕事だよ。」 と言うと、
  言葉に詰まっています。


  「他にどんなところを回ったの?」 今度は、チャンクダウンして答えやすい質問です。

  「えーと、○○とか□□とかです。」 不動産会社ではありません。

  「じゃあ、回る業界を決めているわけではないのかな?
  では、どんな観点で会社を回る会社を選んでるのかな?」

  またしても口ごもっておりましたが、実は、答えの内容はなんでもいいのです。
  学生さんがどんな意識を持って、就職を考え、志望会社を考えているのか?

  つまり、しっかりした考えを持っているのかを知りたいだけなのですから。

  でもこの時期、
  就職活動で出会う企業の方が、何を聞きたくて質問するのか、それが分からない。 もしくはそんなことを考えようとも
  しない学生さんが結構多いのです。 まだ就職活動序盤という気持ちなのでしょう。
  (大手企業ではとっくにピークなのですが。)

 
  座っているだけでは就職なんて出来ないよ。 とか、
  まだ色々回るのだから、練習だと思っていいよ。 そう言ってあげたいところです。

  まあ、そこまでは言えないので、出来れば、そんな学生さんたちの本音を引き出したくて、色々と質問の方向性を変え
  て、本人が自分の考えをまとめられるようにしてあげています。
 
  無駄ですかねえ。








Column197   2007/3/16 up                


 
■ 時間の流れ

  先日、効率的な時間活用についてご紹介しました。
  しかし、時間が過ぎていくのを捉える感覚は人によって、更には気分によっても変わります。

  例えば、小さい頃と比べて、時間の経つのが早いと思いませんか?

  私なんか、1週間があっと言うまに過ぎ去っていきます。 今は金曜の晩ですが、月曜の朝が先程のことのようです。

  誰しも、仕事が忙しいとか、充実した時を過ごしている。 という状態であれば、時間が早く過ぎていくのではないでしょ
  うか。

  でも、することもなく、無駄に時間を過ごしていると、中々時間が経たない。

  やはり、自分の気分を中心に時間の流れは変わってしまうのです。

  時間が無いとか、時間が有り余っているという方は、まずは、自分の気持ちと向かい合ってみましょう。






Column196   2007/3/15 up                  


 
■ 頑張れば、出来る ・・・・ かなあ?

  「頑張れば、出来る!」 そんなポスターが駅に貼ってありました。受験予備校の宣伝です。

  実はこの言葉、人から言われる言葉としては、私は大嫌いです。 当然、人に言うのも大嫌い。

  「君なら出来るよ。」 家族や、会社の部下・後輩にそう言ってハッパを掛けることはあっても、
  「君なら頑張れば、出来る。」 なんてことは絶対に言いません。

  何故なら、頑張れば出来るは、イコール、頑張らなければ出来ないだと、私が思っているからです。

  これって、今は出来ない。でも根性でやってみろ。もしくは、頑張って能力をUPすれば、出来るようになるよ。
  ということなのでは。

  彼女にでも言われない限り、
  大きなお世話だ、俺は既に頑張ってるよ。腹立つなあ。 ・・・・そんな気持ちになったりしないですか?

  私が天邪鬼(あまのじゃく)なのかも知れませんが、人に言われたり、お駄賃あげるよ的な動機、つまり外的動
  機では、逆効果なのです。

  逆に、この資格を取って、自分が成長した証にしたいな。とか
  これがうまくいったら、家族が喜ぶかな。とか、
  この仕事は大変だけど、やり甲斐があるからもっと努力しよう。 なんて自発的な動機、つまり内的動機だと、
  けっこうやる気になります。

  つまり、自分自身への掛け声としては頑張れを使っています。
  「まだまだ俺は頑張れる。」 とか、
  「俺は出来る。」 というふうに。

  ですから、「頑張れば、出来る!」という駅のポスターが、受験生本人に訴えかけるものは少ないような気がします。
  「頑張っている君を応援する!」 なら分かりますが。








Column195   2007/3/11 up                


 
■ 成長しない歯車

  自己中心的な上司は、部下の目標を決める時、
  自分の目標のどの部分を、彼らに手伝ってもらえるのかと、頭を悩める。

  自己中心的ではない上司は、部下の目標を決める時、
  彼らが目標を達成するのを、自分はどう手伝ってあげられるのかと、頭を悩める。

  会社の目標を各部門が分担する。部門の目標を各課 (グループorチーム) が分担する。
  そう考えれば、各課 (グループorチーム) の目標を各人 (メンバー) が分担すると考えるのも順当であり、部下に目
  標達成を手伝ってもらおうという考え方も妥当なのかもしれません。

  でもでも、
  もし、部下が自分で自分の目標を考え、目標達成までの活動の中で成長していくという図式が描ければ、目標達成を
  手伝うのは上司の方、と考えるのが妥当になります。

  もちろん、上司が分担させたい目標と、部下が自分で考えた目標が一致すれば、それにこしたことはありません。
  いわゆる、Win−Winの関係になるでしょう。

  難しいと思いますか?
  チームの目標をあなただけで決めるのではなく、メンバーも交えて決めればいいだけです。 ・・・でしょ。

  もちろんそのためには、日頃から部下が経営的視点で行動し、自分がチームを率いているのだと思ってもらえるよう
  に育てなければなりません。

  そうかそうか。 ・・・・でもどこか変だと思う方。
  その通り、あなたのチームの目標はあなたの上司が決めているのかもしれません。

  しかし、図式は同じ。
  あなたがリーダーを務めるチームが所属する部門の目標は、上司一人に決めさせるのではなく、あなたや、他のチ
  ームリーダーも参画して決めるのです。

  それはすごく難しい。 ・・・・そんなことないでしょ。
  あなた自身が、日頃から経営的視点で行動し、自分が部門を率いていると事実で示せば良いだけです。

  それができなければ、あなたは組織の歯車でしかないということなのです。
  組織の歯車であるあなたには、部下に本人の目標を考えさせることはできません。
  よって、部下も自主的には成長しにくい。あなたのチームも自律的には成長はしないのです。

  部下に組織の目標を押し付けて、その頑張りの中で部下が成長する。 もちろんそれも有り。
  でも、そんな成長が永遠に続く時代でもないでしょう。

  私は、部下、メンバーが自分で目標を立てることを支援します。








Column194   2007/3/10 up                


 
■ 承認の関係

  コーチングの本を読むとよく、アクノリッジ (承認) というスキルが紹介されています。
  分かりやすい例で言えば、相手を褒めること。 それが承認だそうです。

  但し、人を褒めようと思うと、相手が褒めるに値する行動をしてくれないと機会がありません。
  承認する機会も少なくなってしまうでしょう。

  そこで、相手のちょっとした進歩を見つけて、その事実をフィードバックする。すると、相手は客観的な事実として自分の
  進歩を感じられ、モチベーションが向上する。 という図式になります。

  ここで言うちょっとした進歩は、伝票の合計が一発で合ったことでも良いし、会議での発言があったことでも良いのです。

   ・・・・・・・そんなことで、本当にモチベーションが向上するのでしょうか。 誰でも思う疑問です。

  では、そんな疑問にお答えするためにちょっと脱線。
  この承認というスキル。 フィードバックするのは、別に、本人の進歩・進捗で無くたっていいのです。

  例えば、朝、  「お早う!」 ときちんと相手を見て挨拶する。

  これは、相手がそこに存在することそのものを承認することになるのです。

  帰宅して、奥さんの髪型が変わっていたり、新しい服を着ているのに気付いてあげる。それと全く同じだと言えば、モチ
  ベーションが上がると言うのにも頷けるでしょう。

  なんだ簡単じゃないか。 そう、簡単です。相手のことをきちんと観察してさえいれば。
  しかし、この観察というのが、出来ない人には出来ないわけです。

  相手にきちんと興味を持ち、相手の変化や、会社なら仕事ぶり等にも注意を払うことが必要なのです。

  大変だ。 そう大変と言えば大変。
  でも、コーチングとは単なる技術 (スキル) ではなく、相手との関係作り、そして文化なのですから。








Column193   2007/3/4  up               


 
■ 最強のチーム

  昨晩は、定年退職する以前の上司の謝恩会に出席しました。
  その方の部下だったのはもう7年くらい前ですが、当時の仲間も集まっていました。

  当時私は新任管理職で、自分の所属するグループの次席であり、自分のグループと部内の他のグループの後輩社員
  を取りまとめていました。
  部で担当する行事や会議体の運営を彼ら7、8人の男性社員で、一手に引き受けていたのです。

  昨晩は、私と彼ら、つまり当時のチームが一同に会したわけです。
  当時、苦労しながらも色々なことを成し遂げた記憶が甦りました。

  妥協せず、とことんやる最強のチーム。そんな記憶です。
  今、思い出しても、若さ、パワー、知己、粘り、仲間に対するいたわり、 そしてモチベーションがそろった仲間です。
  彼らは既に、夫々の行き先で責任ある仕事を任されて、多くはリーダーとなっています。

  今、私がいる環境では、そんなチームを作ることはとても不可能です。
  若さと幾つかの要素を持った者はいても、苦労や障害を前にして、前向きな気持ちを維持できる方を中々見かけません。

  最強のチーム。懐かしい限りです。でも、きっとまた、そんなメンバーを育てようと思い直しました。








Column192   2007/2/18  up              


 
■ 自己主張の多い方々

  人の話を聞くのが苦手な方って、相も変らず多いですね。
  コーチングに関する解説をもうちょっと聞きたいとおっしゃる社内の役付職の方が、
   「どうやって傾聴すればいいのかなあ」と言うのですが、延々自分の事情をしゃべり、全く、人に口を挟ませま
  せん。

  この方には社内向けのコーチングのメルマガを配信しており、もっと良く知りたいのとことだったのですが、聞く
  耳持たぬといった感じです。

  そして、 ようやく話を区切ったところで、一言。
   「本当に人の話を聞けるようになりたいのですか?」 そう言うと。
   「だって、その、人の話を聞けたほうが、相手が分かるし・・・。」
   「本当にそう思っているのですか?」
   「ええ、まあ。」 続けて、言い訳をベラベラ話しだそうとします。
   「じゃあ、もう少し黙っていなきゃ、相手が話せませんよ。」 無理やり遮って私が言います。
   「でもねえ。止まらないんだよね、話が。・・・。」 またもや、話続けようとします。
   「ねえ、ちょっと黙ってくださいよ、ホント。 私から何かを聞きたかったのじゃないですか?」

  声を荒げると、やっと黙りました。
   「黙るって心に決めるか、さもなければ、口にチャックを付けなくちゃ、人の話なんて聞けないでしょう。
    そうだ、自分の口にチャックをするところを想像してみて下さいよ。要点だけ言ったらチャックしましょう。ねっ!」

  無理やり、そう言って、再びベラベラしゃべり始めたその方を無視して立ち去りました。

  その後、自席からその方を観察していると、
  相変らず周囲の方に、自分の立場や考えばかり主張しており、
   「ちょっとは人の話を聴け」 と上司にまで怒られています。

  私はコーチではありませんし、
  この方が人の話を聞けるようになるとは到底思えないので、その後はアドバイスはしておりません。

  実は、比較的よく話をする上位職の方にも人の話を全く聞かない方がいます。
  この方にも社内向けのコーチングのメルマガを配信しており、頻繁に部下指導についてアドバイスを求めてき
  ます。

  しかしながら、常に、
  昔はどうだったとか、あいつはだめだ、とか同じ話になってしまい、こうしたらどうですかというアドバイスの段に
  なると、全く人の話を聞いておりません。
  自分の話したいことだけ話して終わり、 しかも毎回同じパターンです。
  最近では、小泉さんも勧めた「鈍感力」が大切だなんて言っています。 鈍感力も時と場合ですよねえ。

  2人とも自分が工夫するという、自分が努力するという考えが無く、
  またそれ以前に、自分は正しいと信じている。 自分の話をしないと気がすまない。 という点では同じです。

  この2人は、アドバイスを求めるだけまだましなのですが、
  私の周囲では、問答無用で人の話など耳に入っていない方が多かったりします。
  会社に勤めて、部下に命令ばかりしていると、皆そうなっちゃうのでしょうね。


  そもそも無料で得られるアドバイスなんてものには、真剣になれないかもしれませんね。
  今流行の鈍感力をかさにきて人の言うことを聞こうとしない方が増えても困りますしねえ。








Column191   2007/2/18  up              


 
■ 「頑張れ」はタブーな言葉

  本日(2月18日)の朝日新聞の「声」(読者投稿)のページに、頑張れという言葉はしんどい言葉だという投稿があ
  りました。

  投稿者の方が病気により精神状態が極限まで追いつめられている時に、声をかけられた励ましの言葉の中で
  「頑張れ」という言葉には怒りがこみ上げ、 他人には決して使わないと決めたとのことです。

  この時期、受験生に対しても安易に使ってはいけない言葉というわけです。

  確かに、「頑張れ」 という言葉は、声をかけた方は何もせずに、本人だけに頑張りを強要する言葉に思えます。
    (もちろんケースバイケースですが。)

  一緒に頑張ってきた仲間に 「頑張ろうな」 と言われるなら、
  「おう、お前も頑張れよ」 と言えますが、

  一方的に言われると、
  「無責任に挨拶代わりに使うな」 と言いたくなるような気もします。
  「あんたには関係ないので放っておいてくれ」 とう気持ちも高まるでしょう。

  メンタルヘルスの書物を見ても、「頑張れ」 は、
  心の病になっている方には使ってはいけないと明記されています。
  もう頑張れない状態なのにハッパをかけられても焦燥感がつのるだけで、逆効果なのです。

  皆さん、お気をつけ下さい。

  〆〆〆
  但し、
  もし、自分自身に対して、心の中で「頑張れ」と言うのなら、色々な場面において、かなりの効果がありそうな気
  がします。

  人が聞いていなければ、心の中だけでなく声に出して、「頑張れ」と言ってみましょう。








Column190   2007/1/30  up              


 
■ 浜ちゃん、朝の一声 (ひとこえ)

  月曜の朝のオフィスって寒いですねえ。
  休出者がいないと、2日間暖房が入っていないですから。

  まあ、今朝はそんなに寒くなかったですけど、まだまだ寒い朝は続きそうですね。

  ところで皆さん、そんな朝に、眠そうな顔をして、コートを着たまま現れたり、不機嫌そうな顔をしてオフィスの入っ
  てくる方って結構いらっしゃいませんか。・・・ちょっとだけ、自分自身を振り返ってみて下さい。

  私も朝は眠いです。
  早起きして何とか座れる電車に乗っていますが、電車が冷えていて本を読む気も起きません。

  でも早く出勤しているので、周囲の方が出勤するころにはなんとか眠い出勤モードから、ちょっと目が覚めた仕事
  モードへの切替えが出来ております。

  最近では、一駅10分弱を歩いたりもしているので、途中でちょっとポカポカしてきて、まだ冷えている会社の中が
  十分暖かいような気もしています。

  朝は眠い、寒い。
  気だるい雰囲気でオフィスに登場するのも当然の自己表現かもしれませんが、朝一番に、ニコヤカ、爽やかにあ
  なたがオフィスに登場すれば、職場の雰囲気がずっと良くなると思いませんか。

  釣りバカ日誌の浜ちゃんが、遅刻はせずに、あの快活さで毎朝登場したら一日のスタートも上々になるのになあ、
  何て、思うのは私だけでしょうか?

  そういえば、浜ちゃんに学ぶ組織学の本もあるようですよ。








Column189   2007/1/19  up              


 
■ 契約保留の交渉術

  私は、プロ野球に関してはあまり詳しくないし、かつ興味もほとんどないことから、最近になって知ったのですが、
  阪神の関川選手が、契約更改交渉中に球団幹部の方があくびをしたのを理由として更改を保留したとか。

  まあ、増額であったにもかかわらず納得いく額でなかったのが原因なのかなと、深読みもしたくなるところですが、
  こと交渉という観点に目を移せば、交渉相手が本気モードでないと思えば、仕切り直ししたくなるのも当然でしょう。

  この相手に対しては、この切口で責めよう 位の準備が不十分だったとしたら、ある意味球団側も、狡猾ではなく、
  いい球団なのかもしれませんが。

  あくびは生理現象、とはいえ、切った張ったの駆け引きを行う大事な交渉の最中に、交渉の当事者があくびはしな
  いでしょう。普通は。
  こいつは本気ではない、すぐOKするやつ。 とでも思っていることを気づかれてしまいますもんね。実際にはそん
  なこと思ってないとしても、確実に誤解されてしまいます。

  「君のことは是非欲しい、でもこれ以上の金額を出す余裕がない。なんとか頼むよ。」 のはずが、
  「まあ、どうでもいいけど、この金額ならOKなんでしょ。残れば。」 になってしまいますよね。

  ふんぞり返って交渉に臨むか、前に乗り出して話をするかによっても、人の受止め方って違いますよね。

  交渉の場においては、
  たとえ発言内容は同じでも、態度ひとつで、相手の受止め方が異なる。
  覚えていたほうが良さそうです。








Column188   2007/1/15  up              


 
■ 主張する目的

  多くの方にとって、「人の目」は気になるものです。
  もちろん、「人の目」なんか全く気にならないという方も世の中にはいるでしょうが、一人で山篭りをしているの
  でもない限り、自分の行動が周囲にどう受止められるかによって、自分自身に影響が返ってくることもあるわ
  けで、「人の目は」大事なことです。

  とは言え、あなたの行動が、実際に周囲の方々に理解されているかと言うと、疑わしい部分も多いのではない
  でしょうか?

  振り返ってみて下さい。
  「忙しい、忙しい。」 というあなたの忙しさの中身を周囲の方々は、きちんと理解しているでしょうか?

  社内外と切った張った(?)の打合せをして、担当業務を何とか軌道に乗せているあなたの努力を、周囲の方
  は判ってくれているでしょうか?

  仮に、
  「今回もスムーズにやってくれたね。ありがとう。」という言葉をかけられたとしても、
  「どうなるかと冷や冷やしたよ。君の努力のお陰だよ。」とまでは思ってもらえてないかもしれません。

  結果、正当な評価を受けていないかも知れないのです。
  ここで、「どう思われようといいよ。」 と言うのであれば、職場の雰囲気や状況にもよりますが、仕事を趣味とし
  てとらえ、自己満足しているだけのような気もします。

  難しい部分ではありますが、
  この仕事は苦労してなしとげたんだ、という主張が上手く出来れば、次回は、サポートがスムーズに得られる
  かもしれませんし、個人としてではなく、チームとして問題解決に取り組めるかもしれません。
  また、
  周囲に感謝されれば、さらにモチベーションが向上し、もっと難しい仕事をやりとげる力があなたに湧いてくる
  かもしれません。

  自分の努力や苦労の中身をきちんと主張し、周囲の理解を得ることは、チームとしても、組織としても成長す
  ることにもつながるのです。

  逆に、いつも、同じように困難な仕事をあなた一人が努力して解決していく。
  これでは、あなたの能力は伸びても、あなたの後輩や周囲の同僚の能力は伸びません。あなた自身のモチ
  ベーションもそう高くはならないでしょう。

  もし、自分にはサポートなんか不要だと思っているのなら、部下や後輩の成長の機会を奪っていることにもな
  るのです。

  〆〆〆
  必要以上に仕事の内容を誇張し、大きい成果だと主張する方を時々見かけますが、本当に難しい仕事なら、
  誇張せずとも、困難さと努力を伝える手段はあります。

  上司に対してなら、
   ・経過報告をきちんと行う。
   ・とくに決断が必要な打合せには同席してもらう。

  部下や後輩に対してなら、
   ・打合せに同行する。
   ・時折、経過説明をして、サポートを頼む。

  遠慮せず、ちょっとずつ忙しさや困難さを周囲の方々と共有してみませんか。
  それが周囲の方々のためにもなるのだと信じて。








Column187   2007/1/3  up              


 
■ 一年の計

  一年の計は元旦にあり。
  何て言いますが、元日早々、寝坊をしてしまいました。
  午前中には近所の空いた神社に初詣に行きましたが、それ以外は、ノンビリと寝正月の元日でした。
  まあ、正月だからいいでしょ。

  とは言え、年の変わり目は、昨年の気持ちを一旦区切って、新しい気持ちで何かを始めるには、絶好の機会です。
  もちろん、中々それが出来ないんだよねえ。
   ・・・・・ とおっしゃる方も多いことでしょう。 三日坊主は人の常です。

  でも、せっかくですから、
  1年の目標を立てろといえば、面倒くさくなってしまう方も、3月くらいまでの実行できそうな目標を立ててみてはい
  かがでしょうか。
  そんなに難しくなく、実行可能性の高い目標を年初にクリアできれば、「よし、次は何をやるかな」という気持ちにも
  なります。

  私も、この1週間位で、仕事と私生活の両方の、当面の活動目標を立てようかと思っております。

  明日が仕事始めの方も多いでしょう。
  ちょっと短い正月ですが、何か新しいことを始めるには、ちょうど良いかも知れません。








Column186   2006/12/31  up            


 
■ 情報を見る眼

  総務省の社会生活基本調査によると、日本人(有業者)の平均起床時間は6時43分とのこと。
  東京は7時05分。と週刊東洋経済 (12/23号) の記事にありました。

  東京に通勤する近県はもっと早いでしょうが、思ったより遅いのでびっくりしました。
  なんて思いながら総務省統計局のHPを見ていると。
         総務省統計局 >>>  http://www.stat.go.jp/data/guide/download/shakai/index.htm

  なんと、現在公表されているのは平成13年つまり2001年の調査の結果じゃないですか、2006年に行われた
  調査結果の公表は来年7月以降です。
  おいおい、東洋経済は4年も前の調査結果を現在の動向のように記事にするのか?・・・ちょっとびっくりしました。

  総務省統計局HPからも東洋経済の「統計月報」のHPにリンクが貼られているくらいだから、いいかげんなな内
  容を記事にするとは思えません。単に、2001年の調査と書き忘れたのか、本年の調査との混同があったのか
  も知れません。

  まあ、4年くらい前なら大差ないかもしれませんが、でも記事を見た方は、最近の社会の傾向なんだと思うでし
  ょう。

  この出来事の教訓は、情報を活用するには、その内容をきちんと見極める眼が必要 ということでしょう。

  皆さん、どう思います。








Column185   2006/12/29  up             


 
■ 仕事への意欲

  世の中の方々の、仕事への意欲のなさがチャンスを生む (か?) というお話。

  タワーズ・ペリンという会社をご存知でしょうか?
  米国の人事戦略コンサルタント会社ですが、世界に9000人のスタッフがいる大企業でもあります。

  このタワーズ・ペリンが16ケ国の86000人に行った仕事への意欲に関する調査の結果、がWEB上にありました
  のでちょっとご紹介します。 (出典:日経情報ストラテジー、東洋経済等)

  非常に意欲的である国
  1位:メキシコ、 2位:ブラジル、 3位:アメリカ
  最下位:日本(おっとと)、 ブービー:イタリア、インド

  うーん。ちょっと心配になってきました。
  まあ、判定方法にもよりますが、

  実は、調査対象に占める、意欲のない方の割合で順位を決めています。
  1位:メキシコ(40%)、 2位:ブラジル(31%)、 3位:アメリカ(21%)
  最下位:日本(2%、おっとと)、 ブービー:イタリア、インド(7%)   となります。

  では、意欲的でない国
  1位:インド(56%)、 2位:日本(41%)、 3位:イタリア(29%)

  普通に意欲的である国
  1位:オランダ(73%)、 2位:韓国(71%)、 3位:ドイツ、アイルランド(70%)
  日本はビリから3番目(57%)ですが、最下位のインド(37%)をのぞけば、そんなに低い数値でもないと思います。

  全般的に日本人サラリーマンの意欲のなさが判る調査結果でしたが、タワーズ・ペリンの分析では、企業側から一
  方的に終身雇用制が無くなったよと言われ、サラリーマンの仕事への意欲は一気に無くなったのだと、というような
  ことのようです。

  そうかもしれませんね。
  サラリーマンの気持ちを代弁すれば、成果主義でチャンスが与えられた、というよりは、成果主義でフルイにかけら
  れた、という図式なのです。

  しかししかし、実はこの状態は人事マンにとって千載一遇のチャンスともとれます。
  長い間、常に裏方であった人事マンが、社員のモチベーション向上により会社に貢献できるチャンス。向上により会
  社に貢献できるチャンス。有る意味陽の目を見るチャンスでもあります。
  ある意味、陽の目を見るチャンスでもあります。

  もちろん、社員のモチベーションを飛躍的に高めるような方策を具体的に実行するのは、困難を極めるでしょうが、
  せっかくですから、私は前向きに考えることにします。








Column184   2006/12/28  up             


 
■ いじめ問題

  いじめ問題が世間をにぎわせておりますねえ。
  週刊ダイヤモンドの記事で、教育再生会議が11月29日にまとめた 「いじめ問題緊急提言」 をどう思うかをはじめとす
  る、こどものいじめに関するアンケート結果が載っていました。

  20歳以上の男女500人が回答していますが、78.8%の方がいじめはなくならない。
  教育再生会議の提言である、いじめた子どもの出席停止処分は効果ありとした38.2%に対して、効果なし40.6%、
  むしろ逆効果21.2%という内容です。

  4割弱も賛成している。と考えればいいのか、6割以上が反対していると考えればいいのか、捉え方は難しいですが、
  過半数以上が効果なしと考えているのは事実です。

  さてここで、よく考えてみましょう。
  いじめた子どもに罰がないのはおかしくないですか?    ・・・・・ いじめたのですから。

  難しいのはいじめは多くの子どもがやっているというところでしょう。
  皆でいじめたら、皆を罰しなくてはなりません。 極端な話、クラス全員が出席停止なんてことも考えられます。

  と思っていたら、昨日曜のニュースで、いじめた加害児童を正式に告訴した父親の話が取り上げられていました。

  いじめの理由も、父親が中国人という本人には全く責任のない理由。
  教育委員会に訴えてクラス全員が謝ったあとも、結局いじめは続き、いじめられた子どもは、3年経った現在も、いじめ
  が原因の心的外傷後ストレス障害 (PTSD) によるフラッシュバックに悩んでいる状態です。

  告訴した後も、学校側が証拠提出に非協力的であったり、当時の加害児童側がいじめの事実はないと証言したとのこと。

  裁判結果がどうなるかは別としても、
  いじめは、その結果及ぼす影響によっては犯罪なのだと教育し、実際に裁判が頻繁にあるようであれば、いじめもかなり
  減るでしょう。

  会社でのパワハラなどは訴え難いでしょうが、少なくとも上下関係がない子ども同士のいじめでは効果があると思います。

  子ども訴えるのか、訴えられた子どもが再生できなくなる。確かに。
  でも、相手の性格にまで影響を与え、時には死に至らしめる陰湿ないじめは、犯罪以外の何物でもありません。
  では、その親を訴えてはどうでしょう。

  ここでも難しいのは、
  中心的にいじめを行った子どもだけでなく、自分もいじめないと、いじめられていまうからといじめを行っている子供も
  いることです。でも、いじめを見過ごすこともいじめ。それは間違いありません。

  ちょっと極端な話しかもしれませんが、甘いことをやっていてはいじめは無くならないでしょう。
  どうでしょう。








Column183   2006/12/27  up            


 
■ 転職後の予想外

  転職後に判った予想外のことは何か、という新聞記事がありました。
  過去3年間の転職経験者へのアンケート結果をまとめたもののようですが、

  ○勤務内容・勤務時間に関するもの。
    仕事内容が事前説明と違う、サービス残業が当たり前、職場の実際の勤務時間が違う、業務が多く休日出勤が多い。

  ○飲み会・朝礼・運動会など社内の慣習的行事に参加しなくてはならず、とまどった。

  ○ワンマン社長がいる、親会社の支配が強い等の理由で、現場に権限がない。

  ○自分の能力、経験が生かせない、周囲にやる気がない。

  ○同期入社がいないので相談相手がいない。

  ○福利厚生制度が整っていない。

  ○入社後、業績が悪化した。


  そして、1位は、

  ○社内研修が不十分。

  うーん。ミスマッチというより、下調べの不足が目立ちますねえ。 はなからわかってるはずと、思えることまであります。

  まあアンケートなので、項目があったからチェックしただけの方もいるのでしょう。でも、転職と言えば、一生を左右す
  ることですよねえ。(考えが古いかもしれませんが。)
  もっと真剣に考え、人事担当者の話だけではなく、事前に色々調べるべきである気がします。

  従前の勤め先が左前になったり、潰れたりして、転職の選択肢が限られている場合は仕方ないのでしょうけど。

  でも、人事担当者として思うに、
  厳しいようですが、転職者の採用=中途採用を行おうという動機の8割方は即戦力の確保です。
  新卒の方を、社会人のマナーから教育して自社の色に染めていくのとは、わけが違います。特殊な機械の操作等特別
  の仕事でもなければ、新たに研修しようと思って、中途採用はしないでしょう。

  最低限、自分自身にどのような能力があるのか、それが世間で通用するのかと再確認することが必要でしょう。

  別に転職しなくとも、自分自身の能力をしっかり理解し、今後社内でどう能力を発揮していくのかと考えることは必要な
  気がします。私自身、専門能力がない、ただの総務人事マンですから。
  その必要性を強く感じます。








Column182   2006/12/26  up            


 
■ ピロリ菌の感染率

  胃痛、胸焼けに悩まされたことのある方々、最近では、条件を満たせば保険治療も可能になったピロリ菌。
  ごぞんじですよね。

  胃潰瘍の原因はストレスと単純に考えられていたのは、ほんのちょっと前のことです。
  それが、ヘリコバクター・ピロリ菌の存在と潰瘍に与える影響が医学会で認知され、さらにはこの秋、厚生労働省
  (国立がんセンター津金予防研究部長)が、ピロリ菌感染者は胃癌になる危険性が非感染者に比べて5.1倍だ
  と発表しました。

  日本人の40才以上の約8割の方がピロリ菌に感染しているという事実と重ねあわせると、危険性5倍は特別なこ
  とではなく、すでに一般的に危険なのだという気もします。

  やっぱり、ピロリ菌は除去すべきなのだと私自身も思うところですが、但し、これだけでは、どんな基準で5倍なの
  かは不明確。調べたところ、40〜69才の37000人の方のピロリ菌感染率と胃がん発生率を調べたようです。

  もっと言うなら、この調査対象の、胃がん発生は、512人(1.38%)。
  仮に、ぴったり8割の方29600人がピロリ菌に感染していたとしても、発症率は1.73%です。
  この数字を大きいと見るか、小さいとみるかは難しいところです。

  ところで、
  ピロリ菌の除去が保険対象になるには、あきらかに胃潰瘍でなければならないようです。
  ガスター10などのH2ブロッカー系の薬が自由に購入でき、胃痛が簡単に鎮められる現在、本格的な胃潰瘍にな
  る方も減っているでしょう。そこが保険適用のちょっと難しいところかもしれません。

  皆さん、どうします。








Column181   2006/12/25  up              


 
■ 子どもはサンタを信じる

  子供ってサンタクロースの存在を信じてるんですねえ。

  昨晩、寝しなに小4の娘の所に偵察に行くと、既に寝てしまった娘の机の上にサンタさん宛てのお手紙がありました。

  開くと、
  「サンタさん今年も来ていただいてありがとうございます。 欲しいものを書きますのでお願いします。」 と書かれて、
  希望するプレゼントが順位を点けて10個ほどリストアップされてます。

  事前に準備したものとはちょと違いますが、似たようなものが記されていたので一安心。
  既に、親からのプレゼントは渡してあるのですが、サンタへも要求があるのです。

  しかし、リストには、カミサンが買い換えなくちゃと言っていた家電製品を覚えていたようであり、それも書かれており
  ました。 親がサンタだとは思っていないようです。

  今朝は、「今年もサンタさんが来た。」 と大喜びして塾に行ったようです。

  でもって、会社から帰宅すると、
  下の娘が居間の扉のところに立っていて、
  「ねえ、パパ。サンタさん来たんだよ。でも書いたのとプレゼントがちょっと違ったよ。」 と報告してくれました。


  大人は、日常や会社において、そこまで無邪気に物事を信じることは出来ません。
  信じることが出来るということは良いことですね。








Column180   2006/12/10  up             


 
■ 会社と社員、どっちの成長が大事

  宋 文洲さんの 「これしかないよ日本の人事」 を読んでいたら、とても厳しいことが書いてありました。

  ダメな社員は厳しくしようが、甘やかそうが、今更どんなに教育しても、やっぱりダメ。
  出る杭のような奴をきちんと伸ばしていくことが会社を活性化させ、伸ばしていくことになる。 と。

  実は、ビジョナリーカンパニーという、かつて大きく成長し、今なお、生き残り続けている企業の共通点を研究した書
  物にも同様なことが書いてありました。

  いわく、
  行き先の決まったバス(会社)に乗客(社員)を乗せたのではなく、
  行き先を決めることのできる乗客(社員)をバス(会社)に乗せたことが共通点だと。
  また、
  社員の教育に力を入れた企業の多くは大きく成長し、世界的に名の知られた企業も多い、でも、それだけの会社は
  例外なく、今は戦線離脱し、どこにもいなくなっている。と。

  仮に、この意見が本質をついているとしても、これから、社員をどんどん増やしていく企業なら良いですが、既に多く
  の社員を抱える企業にとっては、今更どうにもならないことです。

  今の社員に加えて、非常に優秀な社員を採用していくしかないでしょう。

  実は、企業の人事マンにとって、優秀な社員を中途採用していくことは、企業の力を短期間で伸ばす手段として、社
  員の教育よりも魅力的なことだと思います。

  しかし、ここで欠かせない視点は、会社を伸ばしていくのは誰のためなのかということだと思います。

  企業経営者が、自分や株主のために、企業をどんどん大きくしたいなら、優秀な社員を集めればいいいし、私のよう
  な人事マンは、社員の多くにちょっとでも成長してもらえばいい。
  でも、前述の理屈に従えば、社員が成長しても、企業は大きく成長できないかもしれない。

  正解ってあるのでしょうかね。








Column179   2006/12/3  up            

 ■ 主体性のジレンマ

  最近良く耳にする言葉、「主体性」。
  あいつは主体性がない、あの会社は主体性がない、なんていい方をよく耳にします。

  確かに私の周囲では、主体性が全然無い方を大勢見かけます。

  自分の考え方や、意見の主張の仕方において、
  ・誰かが「そうだ」と言っている。
  ・皆が「そう」している。
  ・今までずっと、「この」やり方だった。  ・・・なんて発言をよく聞きます。

  それ、本当かどうか確かめたの?
  自分自身はどうしたいの?
   と訊ねても、「いやあ」と困ってしまう方がやたら多いのです。


  しかし、例えば、服装、髪型等のファッションについて言えば、
  我々社会人は、部下や後輩にも、自分たちと同じファッションを求めています。
  仕事にふさわしい服装。客前に出ても問題の無い服装。常識的な服装 という言い方はしていますが、本当のところ
  仕事上のファッションの価値観なんて曖昧なはずであり、常識も人によって違います。
  単純に、部下や後輩に、自分達と同じような服装を求めているのが真実のような気もします。

  でいて、発言や主張には主体性を求める。
  これは結構矛盾していることのようにも思えます。

  会社の中に主体性のない社員が増えている原因は、他ならぬ自分達自身にあるのだと、多くの方は気付いてはいま
  せん。

  服装にしても、しかり。
  突出した意見が出た場合も、はなからそれを採用せずに、 職務上の地位や立場が、意見や主張の内容の善し悪し
  に優先した決着をつけたりしてはいないでしょうか。

  私自身が自分の意見や主張を通せないことが結構あるのに、
  自分の部下や後輩に主体性を持ってやってくれなんていうのが、ちゃんちゃらおかしいからです。
  でも、主体性を持って行動できるように育ててもあげたい。

  だから私も、部下や後輩に対して、主体性云々を言うのは止めています。
  単に、この仕事どうしたい? どういう方向で進めたい? と担当者の意向を聞くのみにしています。

  ちょっとしたジレンマを感じるところですが。








Column178   2006/12/2  up             


 
■ 情報生かすも本人次第

  私が時折紹介するA5サイズの月刊誌 「OLマニュアル」。 今月はコーチング特集です。

  題して、「人間関係が180度好転するコーチングの技術」。
  そこまで言うと、誇大広告気味な見出しですが、21ページも割いてOLの観点で色々と紹介しています。

  私が、コーチングスキルを解説すると、どうしても上司、部下という観点からのご紹介になり、上司(対)部下という
  対決の図式が前提となってしまいます。

  でも、OLマニュアルは、コーチングに限らず、自分と周囲、先輩(自分)と後輩、後輩と先輩(自分)、自分と上司と
  いう視点でつづられています。

  自分が前向きに生きるためにどうするか、という情報提供の姿勢が貫かれているのです。
  私は、その辺りにかなり好印象を持っているのです。


  今月号(12月号)は、コーチング以外にも、
   「自己管理の出来る人になるための7つのヒント集」
   「プライオリティを決める法」
   「面倒見のいい先輩、おせっかいな先輩、ここに大きな違いあり」 ・・・等々、

  かなり内容があります。

  残念ながら、書店での単発購入は出来ず、年間契約で送付される仕組みです。
  年12冊、12000円・・・A5の小冊子が1冊千円と考えると高いですが、内容は1000円以上です。
   (取り扱い先: 褐、修出版 http://www.kens-p.co.jp )

  〆〆〆
  って、別に宣伝がしたいわけではないのです。これからが本題。(前置き長すぎましたね。)

  実は、このような良い本。

  ある意味、私が勝手に良い本だと思っている本なわけですが、これを社内の女性社員に回覧していて、いったい何人
  がこの内容をしっかり受止め、自分が使える知識やスキルを、自分の仕事や生き方に役立てているのでしょうか?
  という疑問を感じてしまうのです。

  実は、このHPやブログ、私が社内で流しているメールマガジンについても同じような疑問が頭にちらつきます。

  OLマニュアルにも載ってた、プライオリティの記事は、実は1ヶ月くらい前に読んだ本と、ほぼ同じ内容が要約されて
  いたのですが、社内に目を向け、皆はどういう風に受止め、行動するのかと思うと、

  @そういう情報を自分から探して、金を出してでも吸収(吸収後、取捨選択です)する
  A社内回覧されている経済雑誌や、このOLマニュアルや、新聞のモチベーション記事、 社内で配信されている私の
    メールマガジン等で得られる情報を積極的に吸収する
  Bちらっと見て、そんなもんかねえで終わり
  Cそもそもそんな情報には全く興味を持たない

  と考えてみて、私の周囲の方々は、ほぼBとCのような気がするのです。

  前向きであるかどうかは本人の自由ですし、仮に、前向きだからと言って、私の提供する情報に興味があるとは限らない。
  という真実が見えてきてしまいます。

  別に深刻には悩んでいませんが、このテーマ、今後も追及してみたいと思います。








Column177   2006/12/1  up             


 
■ 教育のジレンマ

  本日は一日中、グループ会社の新入社員研修会の司会をしていました。
  60名ほどの方々が集まりましたが、中途入社の方もいらっしゃって、年齢にも幅がありました。

  研修のテーマは 「TQM」。知ってますか、総合的品質管理です。よく知られている例がトヨタ式の改善。
  でも、工場で製品を作っている訳ではない、私の勤務先の企業グループでは、トヨタ自動車のように 、一台一台の製
  品の品質を高めるのがTQMの目的ではありません。

  実はトヨタだって、車の品質向上だけが目的でTQMやQCを導入しているわけではないのですが、私の会社でも、営
  業部門だって事務部門だって品質管理をしています。  つまり、目的は 「経営品質」 の向上。

  分かりやすく言えば、
  仕事の 「結果 」の管理ではなく、仕事の 「過程」 の管理なのです。
  何故、何故、何故と仕事の進め方に疑問を持ち。 「問題点」 とその 「原因」 を発見し、改善方法を考えてを実行する。
  それが結果につながる。  それでもまだ結果に問題があれば、もう一度何故、何故と仕事の 「過程」 を見直します。
  ・・・・ それを繰り返すことで、仕事の質や製品の質が向上するという理屈です、

  そんなTQMの考え方が20年も会社にいる私には染み付いているのですが、 グループ各社の本年入社の方には、
  ちょっと詰め込み過ぎだったかも知れません。

  そもそも、自分の仕事のどこが問題なのか、理解するにはまだ早いようです。

  教育研修とその効果、理解度。中々難しいところですが、教育を行わなければ全く理解してはいただけませんし、
   「改善」の本質を理解してもらわなければ、やらされ感が強くて、日常的な品質管理なんてやってられない。

  非常にジレンマを感じるところです。








Column176   2006/11/29  up             


 
■ 根気よく!

  朝、オフィスに入る何やらぐつぐつと音が。おっと、加湿器が付けっぱなしになっています。
  まあ、水も残ってたし、部屋が潤ってていい面もありましたが、何とも非経済かつ無用心。

  退社(退室)時に、自分のパソコン位は消せても、部屋の電気を消したり、空調を切ったり、共用プリンターを切った
  り、シュレッダーの電源を切ったり というのが中々出来ない方っていますね。

  毎日、最後に帰りでもして、くせにならないと、そこまで気が回わらない。
  そう、そんな方々は、周囲に気が回らない方々なのです。

  別に、責めている訳ではないのですが、そんな方々は、仕事の場面でも、あれやって、これやって、それやってね
  と細かく指示をしてやっと半分くらいしかやってくれないことが多いので、指示する側もくたびれます。
  たとえ、作業内容をきちんとメモに書いて渡しても、すぐに忘れたりもします。

  でも、そんな気が回らない方々も、よーく観察してみて下さい。
  周囲の価値観からすると、気が回らないなとか、使えないなとかになりますが、本人は全く困っていない様子です。

  そう、本人自身の価値観の中では、うまく動けているようなのです。
  注意したりすると、「私、何か変ですか?」なんて風に聞き返されたりすることもあります。


  実は、娘の一人がどちらかというと、そんな、気が回らないタイプです。
  うるさく注意したり、指示をしても、毎日毎日、同じことで母親に怒られています。

  しかし、会社であれば、お給料も払っているので、皆と同じように働いてもらわなくてはなりません。
  でも、そんな方に、仕事や指示を押し付けるように与えるのは逆効果。
  本人が自覚してこの作業をやらなきゃと思うことだけが、特効薬なのです。

  面倒くさいのはヤマヤマですが、この仕事はどうやって進めるのとか、いつまでにやるのとか、本人なりの計画を
  自分で考えさせるしかありません。 急ぎの仕事は、○○やっとけ、と言うしかないですが、それでは、決して自分
  から動けるようにはならないのです。

  そんな後輩や部下を指導しなければならない方は、とほほっと思うかもしれませんが、 首にできない以上は、根気よく育て
  るしかないのです。

  うちのカミサンも、気の回らない娘について言ってますが、
  「自分の子供だから、見捨てるわけにはいかない。」

  部下や、後輩に対してもそう思うしかありません。正に、とほほっ!

  社内をヒヤリングしてみると、そんな悩みを抱えている上司や先輩社員の方って、結構多いようです。
  なんとかしてくれ。 と言う声が人事担当である私のところに聞こえてきます。
  でも、他に異動しても、異動先で同じことが発生するだけ。

  「根気よくやりましょう。」 最近の私の口癖になりつつあります。








Column175   2006/11/22  up            


 
■ タクシーの中のモルジブ

  トム・クルーズの映画 「コラテラル」 をビデオで見ていたら面白いシーンがありました。
  事件に巻き込まれるタクシードライバーが、モルジブの珊瑚礁に浮かぶ島が移った美しい写真をタクシーの車内に張ってい
  ます。

   「疲れたときには、5分間だけこの写真の中に旅行する。 つらいのなんか、吹っ飛ぶよ!」

  いいセリフ。 そして、いい習慣。
  このタクシードライバーは前向きな人物として描かれていました。

  前向きな人間なら、何か一つ、気持ちをリフレッシュする習慣を持つ。 そう言われているような気がしました。

  私の場合は、温めの風呂にゆったりと浸かっている自分を想像することを仕事中でも何でもリラックスするための習慣にし
  ています。でもついイライラしたときには、その方法を思い出すのを忘れてしまいます。

  いつでも見れる場所に、例えば写真のように見える形で リフレッシュ o r リラックス 方法を用意するのは、結構いいアイデ
  アのような気がします。

  映画の中で、このタクシーに乗車した、ちょっと疲れた女性検事は、モルジブの写真を貰って、、机の上の写真盾に入れて
  いました。








Column174   2006/11/22  up            


 
■ ロワイヤル現象

  ロワイヤル現象が最近話題になってますね。聞いたことありますか?

  フランス大統領選にセゴーネ・ロワイヤル女史が立候補しているのです。
  優雅、エレガントなイメージの彼女は、社会党から出馬し、右派の候補(現内相のサルコジ氏)と対決します。

  もちろん、このHPでは彼女の政治的主張は取り上げません。 でも、彼女の発言を聞いて。フムフムとうなずき、感銘を
  覚えました。 ニュース映像の中での出来事です。

  高校生に無償でパソコンを貸し出すボランティアを行っている彼女を紹介する1シーンでのことです。
   「若者たちに、将来の高い目標を持ってもらうためのこの事業をしています。」

  パソコンの技術、操作を学び、パソコンを駆使できる人間になって欲しい。 それを色々な面で活かして欲しい。そんな思
  いがあるようです。

  そんな発言を耳にして、自分の会社を振り返ってみました。
  高い目標を持った社員がいるのだろうか?
  何故、高い目標が持てないのだろうか?    ・・・・・・ そんな思いがうずまきます。

  会社自体が、将来に向けたビジョンを明確にする。
  そのビジョンの中で、自分の5年後、10年後を想像したり、自分自身がなりたい将来の自分を目標として見据える。
  そんなことが、社員が高い目標を持つベースとなるのでしょう。

  ちょっと、実現が難しいですかね。








Column173   2006/11/21  up             


 
■ ライジングサンのコミュニケーション

  本日は日本的コミュニケーションのお話です。

  我々(=つまり一般的な日本人)のコミュニケーションの特性について、米国人から客観的にみるとどう見えるのか、そ
  の一端を説明しながら進行する刑事小説があり、面白くて一気に読んでしまいました。

  ジュラシックパークで有名な作家 マイケル・クライトン の作品 「ライジング・サン」 です。

  マイケル・クライトンというとジュラシックのイメージが強すぎて、SF作家のようなイメージがあるかもしれませんが、
  SFも含め、テクノスリラーとでも呼ぶのが相応しいような作品を多く書いております。

  この作品名、ライジング・サンとは即ち、
  日本でのバブル経済が頂点に達し、米国内で勢力を増し台頭した日本企業、そして日本人社会のことなのです。

  ロサンゼルスの日本企業内で、殺人事件が発生し、主人公の刑事が日本企業の壁の中で、日本通の相棒と一緒に犯
  人を追い詰めていきます。

  そこで描かれる日本社会は合意と根回しの社会であり、日本人は決して思ったことをストレートには表現しません。
  日本通の刑事は、日本人の沈黙や息遣い、手の動きまで観察して、日本人の態度が示す本当の意味を主人公 (コウ
  ハイと日本語で呼んでます。) に伝えます。

  「日本では、年下の者の行動・発言は、一緒にいる年上の者の意志を反映している。
   だから、君が君自身の考えで発言したとは思われない。彼らは私の指示だと思ってるんだ。
   この関係をセンパイ、コウハイと言う。センパイはいつでもコウハイの面倒をみる。
   コウハイはセンパイの行動を見て仕事を覚えるんだ。」             ・・・てな調子です。


  他にも色々面白い観察があります。

  「ペコペコ謝っているが、本当に謝っているのではない、
   大変なことだと受止めていることを示しているに過ぎない。
   手が足にピッタリとついているのは、そういう意味だ。」

  「ニコニコしているようだが、彼らはずいぶん気分を害しているようだ。
   日本人は、直接文句を言ったりしない、親や上司や友人に文句を伝え、
   それが結果として本人に伝わる。我々にはいやがらせのように思えるが、
   それが日本人の一般的な主張の仕方なんだ。いちいち気にしてはいけない。」

  「日本人にとって一番大事なのは組織だ。彼らの文化は農耕を基本とした村文化なんだ、
   組織の中で阻害されたら彼らは生きていけない。会社の利益が最優先なんだ。
   彼がしゃべっているのは、個人の意見じゃなくて会社の見解だ。」

  「日本人は贈り物をしたがる、でも、交渉中に贈り物をするような馬鹿なことはしない。
   出会った最初の頃に礼儀として贈るんだ。それを繰り返されれば、密接なつながりができて
   しまい。手を切れなくなる。それが彼らのごく一般的な有効関係の作り方だよ。」

  「日本人は(米国内で)何でも差別に結びつけて抗議をしてくる。
   でも、彼らこそ差別主義なんだ。日本の社会では、色々と不明瞭な差別が沢山ある。」

  センパイ刑事は日本人の考え方や行動を決して非難はしません。
  自分たちとは違うのだから、相手の行動のベースにあるものを理解しろと、コウハイに教えているのです。

  コウハイ刑事は事件が解決してはじめて、センパイ刑事を 「センパイ」 と日本語で呼びます。
  日本的なものの考え方、行動の仕方を理解したしるしです。

  最近の日本では、個人の考え方も行動も、大分変化してきているとは思いますが、
  それでも客観的にみれば、このセリフが示す行動に近いことを、我々はやっているのでしょう。。
  これでうまくいっているんだとも言えますが、個人の自主性、明確な主張やフェアーさは全く無いように思えます。事実
  そうなのでしょう。

  これからの世の中で、色々な相手と仕事やその他の場面で前向きに付き合っていこうと思うなら、従来の我々のコミュ
  ニケーションスタイルには、良いことよりも、悪いことが沢山あるでしょう。

  小説は所詮小説ですが、今一度自分のコミュニケーションスタイルを、客観性をもって、見直してみたいと思う切っ掛け
  となりました。








Column172   2006/11/17  up            


 
■ 小学校にコーチ現る

  平成教育委員会を見ていると面白いことを紹介していました。
  北九州市の小学校でコミュニケーション教育をしている先生がいるとのこと。

  いじめを無くすにはコミュニケーションが一番大事。
  そうおっしゃるその先生の指導方法を見てかなりびっくりしました。

  なんと、コーチ21の先生が行う、一日研修の内容ときわめてそっくりだったのです。

  机を取り払い、2人一組で相手の好きなものを効果的に聞き出す会話をしたり、
  相手の話を良く聴く練習もやってました。おまけに笑顔の練習までも。

  4つのタイプについての解説はしていませんでしたが、きっと映って無いところでボールを投げて、コミュニケーション
  はキャッチボールだと叫んでいたのに違いありません。 (叫びはしないか。)

  小学生の記憶にどこまで残るのか疑問もありますが、まあ、そんな先生がいて、フォローアップ的な講習もやってくれ
  たり、普通の授業の中でもいかしてくれたら、いい勉強 (習慣) になるでしょうね。

  うらやましい。








Column171   2006/11/14  up            


 
■ ゴーンさんのプライオリティ

  皆さん、ゴーンさんによる日産自動車の復活は、まだまだ記憶に新しいことでしょうが、日産がコーチ21による
  コーチングの導入を行い、復活の鍵の一つとしたことを耳にした方も多いのではないでしょうか。

  しかし、コーチングがどれほど役立ったのでしょうか?


  ゴーんさんの使った言葉、コミットメントやクロスファンクションという言葉が一時話題となりましたよね。
  多くの企業がまねをしたと思いますが、他の企業で十分な効果を上げたという話はほとんど聴きません。

  結局のところ、ゴーンさんの指導力が全てでしょ。 そう思う方も多いはずです。
  ちょっと探ってみましょう。


  コーチングというと、コミュニケーションや、社員の自発的行動が重視されがちですが、文字通り、
  「双方向のコミュニケーションにより、相手の自発的行動を引き出す技術」 というのがコーチングの一般的定
  義です。

  しかし、私の思うところ、コーチングとは、
  自発性を重視し、相手のビジョン・目標の達成を支援する 「文化」 であり、コミュニケーションはその為の手段
  の一つなのです。

  当然ながら日産においても、社員へのコーチング指導においては、まず最初にビジョン・目標を持つことの重
  要性からはじまり、具体的なビジョン=ターゲットを持つためには、現在の自分の状況を把握する為の客観性
  が必要であるとし、ここでも相手の話をしっかり聴き、きちんと相手のフィードバックするというようなコーチング
  のコミュニケーションスタイルは生きてきたはずです。

  そして、ゴーンさんが最初に行ったことは、会社そのものの一歩も譲れないビジョンをコミットメントとして明確
  にしたことです。ビジョンを達成できなければ自分は辞任する。

  また、コーチングで重視されることは、やらせれ感を排除すること、
  それが、自主性に結びつき、原動力となるのです。そして、経営再建のリーダー自身にとっても、やらされ感
  は最大の敵です。

  ゴーンさんには、やらされ感なんてみじんも無かったことでしょう。
  さあ、俺の出番だ。そんな雰囲気が漂っていたじゃないですか。

  そんな日産で最大の効果を上げたのは、プライオリティ明確化の徹底と、勇気を持って捨てる決断力なのだ
  と、私は想像しています。

  ビジョンを達成する為に、全てのことにプライオリティをつける。
  最優先事項以外の部分は、たとえ、従業員であろうと、古くからの下請であろうと、勇気を持って捨ててしまう。
  ちょっと、いや、かなり冷酷な気がするのですが、それが生き残りの為の道だったのです。

  間違いなく、ここでのプライオリティは、何を捨てるのかではなく、何を生き残らせるのかというプライオリティ
  のはずです。

  全てを失わないためには、何を生き残らせるのか、その為には何を捨てるのか、それがゴーン流のプライオ
  リティです。

  「千円札を拾うな」の安田社長の言い方と同じになりますが、目先に30億ではなく、将来の100億円のため
  に、過去だけでなく、今うまくいっていることさえ捨てさる決意が必要なのです。

  合理的にプライオリティをつける為には、現状を徹底的に分析する必要があります。
  ゴーンさんは、サプライヤー(部品供給下請)の選択基準として、パフォーマンスを最優先すると明言し、プラ
  イオリティー判断の基準を明確にすることで従業員の迷いを払拭しました。

  いままで協力してくれたかどうかではなく、より品質の高い部品をより低コスト、必要な時に納品するパフォー
  マンス。

  冷酷というべきなのか、合理的というべきなのか、なのではなくフェアーなのだと思います。
  フェアーな競争ですから、それに応える下請も出てくるでしょう。やらされ感から、大きな改善もせず、少しず
  つコスト、特に人件費を切り詰めてきたような下請会社であれば、決して生き残れないでしょう。

  自ら改善し、自ら前に進むサプライヤー。 自らビジョンを決め、その実現の為に行動する社員。
  そして、コーチの役目は、社員個々のビジョンと、会社そのもののビジョンをうまく一致させる思考を引き出す
  ために、客観的思考を引き出すこと。ビジョンが一致しない方はリタイヤです。かなり厳しい。

  極めて、コーチング的思考がなくては復活はなかったのしょう。

  コミットメントはノルマではない。 そんなゴーンさんの声が聞こえてきそうです。
  この考え方こそが、コーチングの文化なのです。








Column170   2006/10/31  up             


 
■ 質問の背景にある想い

  以前、質問は仕方によって詰問=責めにもなると解説したことがあります。
  部下の失敗に対して、   「何やってるんだ?」     (クローズドクエスチョン ⇒ 答えようがない ⇒責め句)
                   「出来ない原因は何だ?」  (オープンクエスチョン ⇒ 思考 (原因 ⇒ 解決方法))

  この使い分けで、部下は自分で考え、再発防止をする。との内容です。

  同じ内容を社内にメール配信したところ、論争もありました。
  部下を責めたってしょうがない、いや、きちんと責めないと同じ失敗を繰り返す。というような内容です。

  でも、いくらオープンクエスチョンをしたところで、
  質問の仕方を単なるスキルとして捉えて、「出来ない原因は何だ?」 と投げかけるだけで、
  「俺は、きちんと部下に自分で考えさせているよ。」  と思っているだけでは全く意味がないのです。

  それはコーチングの本質ではありません。
  部下も極端な場合は、
  「助けてはくれないのか、自分の失敗は自分で何とかしろということか、次は上司に報告するのを止めよう。」
  と思うかも知れません。

  「何やってるんだ?」 も 「出来ない原因は何だ?」 も、それだけでは、所詮は単なるセリフです。

  どんな時どんなセリフを言うかは大事なことではあるのですが、
  その背景にどんな想いがあるかが、もっと大事。私はそう思います。

  「この問題を一緒に解決していこう。」 という想い。
  「自分で解決を考えることで、きっと成長できる。サポートはするよ。」 という想い。
  「責任は俺がとる。まずは、やれたいようにやってみろ。」 という想い。

  失敗した部下に対し、どんな想いを持つかは上司の人それぞれです。
  そんな自分自身の想いをベースに、 「出来ない原因は何だ?」 を自分流の言葉でいうのが、コーチとしての上司
  の役目なのです。

  「大丈夫!」 そんな一言で苦境に至った部下を救える。
  秋田稲美さんの書いた 『上司になったら覚える魔法の言葉』 という本に、そんなことが書いてありましたが、
  そのベースにも部下に対するしっかりとした想いが必要なのだと私は思います。

  コーチングは相手のとの人間関係をつなぐ文化。
  しかも、お互いの成長を目指した前向きの文化。 ・・・・・ なのだと私は思います。
  決して、単なるスキルではありません。

  〆〆〆
  「部下の為になんでそこまでやる必要があるのか? 四の五の言わず、やらせれば良い。」
  そうおっしゃる方が、結構いらっしゃるのですが、
  そう思う方は、自分のチームの力を100%発揮は出来ていないことに気づかないか、気づいていても、まあいいや
  コレで十分と思っている方なのでしょう。








Column169   2006/10/28  up              


 
■ 千円札は拾うな、って何故?

  遅ればせながら、「千円札は拾うな」を読んでみました。
  まだ本屋に平積みしているところもあるので、タイトルを見た方も多いでしょう。
  この手のはやりの本は中身が無いことが多いので、読む気がしないのですが、小一時間ほど電車に乗る用事があ
  り、かつ往路で手持ちの文庫本を読み終わってしまったので、復路で読む本を探したのですが、手ごろな本もなく、
  まあ読みやすそうかなと思って購入しました。

  あの、社内にビリヤードやらBarがあるワイキューブの安田社長が書いた本なのですが、単純明快に自分の発想を
  見直すネタのある本なのかなという感想です。
  まあ、1週間くらいで、忘れちゃうような内容ではあるのですが。

  さて、何故千円札は拾っちゃいけないのか?
  目線が下がるから。物理的な目線が下がると同時に、何億も儲けようとして高い思考をするべき方が、千円にとらわ
  れてはいけないということです。

  確かにその通り、でも私なら、その千円を拾った上で、子どもに交番に届けさせるだろうな。
  千円を大切にできなければ、1万円だって100万円だって大切にはできない。それが私の考えです。
  そして、安田さんは、そんな考えでは、事業は出来ないよと言いたいのです。

  今まで苦労して積み上げてきたものを、新しく、より高い目標のために投げ出せるか?
  例えば、家を売った金でワインを飲む。 それだって本人が価値を見出せればムダではない。
  安田さんは、自分は3年後の40億円のための今の10億円を捨てる人間だと言うのです。
  つまりは、何に価値を見出すのかかという大事な問題。

  さすが、事業家という気がします。
  しかし、この本を読む方の多くは事業家ではないでしょうし、事業家にはなれない気もします。
  自分の信念で生きていく方、その信念の中で、周囲のを変化に合わせて、都度、行動を修正していける方こそ、真
  の事業家になれるのでしょう。
  人の信念からヒントを得ようという方は、事業家にはなれません。

  もう一つ面白い部分が、
  自分が似合うと思ってるスーツではなく、人が似合うといってくれるスーツを着ろという部分。
  スタイリストでもファッション業界のマネージャーでもない自分が自分に似合う服は選べない。

  まあ、人は服装を見て相手を判断することが多いので、人が似合うと言う服を着るのはいいことかもしれません、
  でも、誰もが似合うと思う服など無いし、誰の好みにでも合う服も有りません。
  TPOにあわせ、自分がキリットしていると思える服を用意しておけば、後は自分が落ち着ける服を着るほうが、仕
  事に身が入ると思います。

  と、ことごとく考え方の違いを感じる本なのですが、
  それだけに自分の発想の転換を図るのには、面白い本でした。







Column168   2006/10/26  up             


 
■ 海洋国日本のリーダーシップ

  海洋国日本は元来、造船大国でもあります。
  しかし、日本人が作るのがヘタッピーな船があります。 それは、リーダー“シップ(船)”。

  そんな外国人受けを狙ったジョークを作家の井沢元彦さんが雑誌で紹介していました。

  確かに、政治家をはじめとして日本には有能なリーダーが少ない。 もちろん、有名な、カリスマ的リーダーは数多
  くいるのですが、 Win−Winな活動をしているリーダーを、政治家、有名人、周囲の方においても、聞いたことも見
  たことも有りません。

  ゴーンさんがコーチングを導入し、社員の考えを引き出したようにも紹介されてますが、叩き切られて泣いている社
  員もきっと多いでしょう。

  ほとんどのリーダーの上には、上司がいて、部下に顔を立てれば上司に顔が立たないなんてこともしょっちゅうでし
  ょう。 たとえ、企業のトップであっても、行政の指導には逆らえない。政治のトップであっても、外国には逆らえない。

  それが日本企業の構図、日本社会の構図。外人向けジョークにネタにもなるでしょう。

  でも、たとえ、ヘタッピーなリーダーであっても、
  リーダーがチームをマネージメントすることを止めてしまったら、何も前に進みません。


  以前、管理職昇進試験の面接官を行った際、
  「君は後輩への指導をどのようにやっているの?」と営業マンに訊いたのですが、
  「背中を見せてます。」との回答が返ってきたことがあります。

  「同行させて、自分の営業スタイルを見せている。」ということではなく、
  「俺のやり方を勝手に真似しろ。」ということのようです。

  そんなことでいいのかと質問すると、
  「自分もそうして一人前になった。」と言うのです。

  もちろん、彼の後輩は何年たっても、口のきき方一つまともになりません。
  でも、その後輩のほうは、○○の資格を取りたい、□□を学びたいと、色々な要望を直接人事サイドに投げてきた
  りもしています。 営業方法を学びたいとは言ってきませんが。


  部下の立場になって、部下の成長の為に何をすれば良いのかを、一緒に考える。
  ただそれだけで、彼のリーダーシップも部下の成長も飛躍的に高まる気がするのですが、
  くだんの営業マンは、あいもかわらず、
  「人事で、彼(後輩)に、電話の取り方を教えて下さいよ。などと言っています。」

  〆〆〆
  優秀なリーダーってどこにいるのでしょうね?








Column167   2006/10/12  up             


 
■ アサーティブな24の主張

  このところ24(トゥエンティフォー)のシーズンWを夜中に放送していて、ついつい見ちゃってます。
  まあ、さすがに真夜中に見てられないので、録画しておいて翌日に3時間分ずつですが。
  先週は平日も1時位まで見ていたので、ちょっとヨレヨレになっちゃいました。
  あー。 3日連休があって良かった良かった。

  ところで、いつもTVは、ながら見する私も、24はじっくり見ていたので、ちょっと気付いたことがあります。

  24のセリフが極めてアサーティヴなのです。
  つまり、自分の主張は明確にした上で、相手の言い分もきちんと聞く。

  「私の考えは○○です。もちろん命令には従いますが、
   あなたの決定には反対だということは理解しておいて欲しい。」とか、

  「君の考えは分かった。だが、今回は指揮官である私の決定に従って欲しい。」
  というようなセリフが飛び交います。

  「君を愛している。」 なんてどうどうと言えるくらいだから、アメリカ人はもともとアサーティブなのでしょう。

  登場人物が皆、すごく大人で、短時間の間に、次々に重要な意志決定がされていきます。

  自分は上司にあんなこと言えないな、というような積極的すぎる主張や、仕事上のかけひきもいっぱい出てくるので、
  アクション物としてより、組織の人間関係物としても面白いですねえ。


  ところで、アサーティブの大事なところは、自分の考えをはっきり伝えるだけでなく、
  結果として、自分も相手もWin−Winとなるように努力することです。 ・・・・ 単なる、自己主張とは違うのです。

  なかなかアサーティブになれない皆様。24でも見てみましょう。
  仕事でむしゃくしゃした時も、真剣に24を見ていると、
  自分の仕事の悩みなんか大したことないかなんて気になります。








Column166   2006/10/9  up            


 
■ はだかの王様のカプセル効果

  本日は、自信をもって行動するためのメンタルな方法のご紹介です。

  普段大人しいのに、車に乗ると、かっ飛ばしたり、煽 (あお) ったりする方っていますよねえ。
  困ったものですが、これって、カプセル効果と言います。
  車の持てるパワーを扱うことで、車だけではなく、自分自身にも本来の自分の能力をはるかに凌駕する力を与えら
  れたような尊大な気持ちになってしまうのです。

  つまり車は、パワーのあるカプセルであるだけでなく、本人の気持ちまでパワーアップしてしまうカプセル (小空間)
  なのです。

  しかし、実は、実際にパワーのあるカプセルに乗らなくても、人はカプセル現象を自分の物にできるのです。

  例えば、サングラスをかける。
  サングラスをかけるだけで、周囲の方への遠慮の無い行動ができたりします。
  これは、サングラス=仮面により、相手からは良く見えないという状態が、周囲の方々から隔離された空間にいるよ
  うな錯覚を本人に与えているからです。

  でも、カプセル効果をうまく使ったら、勇気を持って(?)、堂々と行動できるようになるとは思いませんか?

  実は、小道具なしでもカプセル現象は手軽に自分の物にできるのです。
  
  以前にも一度ご紹介しましたが、まず、自分が宇宙服を着ているところを頭に映像として思い描いて下さい。
  宇宙服は、周囲の影響から自分を守ってくれます。そしてその宇宙服が透明だと思ってみて下さい。

  自分は透明な分厚い防護服を着ている。 そんなイメージを具体的に思い描ければ、あなたは、言いにくいことを人
  に言えてしまったり、普段我慢していたことを我慢しないで堂々とした行動をとることができたりするのです。
  かなりアサーティブな行動が出来るはずです。

  まあ、わかりやすく言えば、はだか王様。
  透明な服を着ていると本当に信じこめば、裸で人前を歩くことさえできてしまうわけです。
  単なるおとぎ話じゃん。 ・・・・・ と言われそうですが、これは心理学的真実なのです。

  透明な宇宙服や防護服がきちんとイメージできるようになれば、確かに、周囲から視線や反論がいつもより気にな
  らなくなります。
  私も、会議でどうしても言わなければならないことがある時、透明な防護服に身を包んでいるのです。
  もちろんイメージの世界で。








Column165   2006/10/8  up            


 
■ ドラッカーと目標管理(MBO)

  本屋でドラッカーの入門シリーズが並んでいたのでペラペラめくってみました。
  手に取ったのは、「自己実現」に関するドラッカーの理論の解説書です。

  ピーター・フェルディナンド・ドラッカーと言えば有名な経営学者。
  昨年、亡くなっているのですが、私も 「ネクスト・ソサエティ」 「イノベーションと起業家精神」 の2冊を読んだこと
  があります。 どちらも若干難しめですが、書かれている理屈には説得力がありました。

  そして、「自己実現」 をめくっていて、ふと興味のそそられるセンテンスが。

  目標管理の導入がなければ、組織の円滑なコミュニケーションは実現しない。

  判り易くいうと、
  目標管理(MBO)を道具としたコミュニケーションによってのみ、組織 (上司) の目標・期待と、個人 (部下) との
  目標・行動とのすり合わせ (合意) がうまく行われ、個々の自己実現に向けたモチベーションが高まる。
  ・・・・・ との内容です。

  成果主義反対論のうずまく昨今の中で、我が意を得たりという感じです。

  人事マンとしての私も、成果至上主義そのものは反対なのですが、世の中では、目標管理 = 成果主義と曲解さ
  れている感じがします。

  成果主義の道具として、目標管理を使う企業は沢山ありますが、
  ほとんどはの企業は、単なる短期的評価の物差しとして使っているわけで、短期的成果を上げられない社員はも
  ちろん、多少頑張ったくらいの社員でも、何ら、頑張った見返りは受けていないのです。
  だから不満続出。 ・・・・ それが成果主義の問題点です。

  でも、社員個々の成長の道具(目標&物差し)として目標管理をうまく用いて、社員のやる気を引き出す。
  ・・・・ という使い道をすれば、決して目標管理(MBO)は悪いものではないはずです。

  ドラッカーには、それが十分判っていたのでしょう。 というか、目標管理手法を考え出した方ですから。


  最近の経済・マネジメントの雑誌を見ると、よく、
  成果主義 = 目標管理を廃止した企業の英断が取り上げられていますが。
  私自身は、今こそ目標管理 (成果主義ではなく) が大事だと思っています。

  特に若年層の社員の対しては、
  業績というターゲットはこの際、横に置いておいて、
    ・本人の短期的な成長目標&長期的な成長目標の中での今期の行動。
    ・社員として必要なコンピテンシー(行動特性)を身につけるために、今期は業務をどのようにこなすのか。
  そんな会話を上司と部下が真剣に行い、目標達成をサポートしていく。

  うまく出来なければ、アドバイスしたり、他のメンバーが協力する。
  社員が目標達成と成長のために必要とする教育があれば、受けれるメニューを会社が提供する。

  なんて感じで、社員の成長につなげていくのが目標管理(MBO)の真の姿なのではないでしょうか。

  私の会社でも、こんなやり方を始めましたが、
  以前ご紹介したスターバックスでも本腰を入れてやってるみたいです。

  >>>スターバックス研究08 「スタバではコンピタンシー評価がやる気につながる
        モチベーションと美味しいコーヒーとの関係がわかりますよ。








Column164   2006/10/1  up            


 
■ ルールを守れないって自然なこと?

  時間を守れない=約束を守れない方に対する対処方法を スキル解説にて取り上げました。
  でも実は、時間を守れないというのは、生物として極めて自然なことなのです。
  えっ何でと思うかもしれませんが、動物は時計なんか持っていないでしょ。

  まあ、自然の中で生きるために朝、昼、夕方、夜位の体内時計はあるのかもしれませんが、動物には
  時、分、秒の時間の観念なんてありません。
  当然、時間を守るとか、約束を守るなんて概念もないのです。

  だから時間を守れない方があなたの周囲にいっぱいいても、全然不思議なことではないのです。
  時・分・秒まである時間の概念は、自然界では極めて不自然で、人工的なことなのです。

  ということは、・・・・・もっと人工的なこと、「法律」 を守れない方が世の中に結構いるのも納得できます。
  時間はともかく、法律なんて国ごとに違っています。もちろん、自然界には法律なんてありません。
  だからこそ、法律を守らせるためには、罰則が必要なのです。

  最近問題となっている飲酒運転が無くならないのなんて当たり前ですよ。 と言いたくもなります。
  だって罪が軽いんですから。
   (罰=罪が重ければ、飲酒運転が減るかどうかは賛否両論あるようですが)

  まあ、法律どうのこうのとまではこのHPでは言いませんが、
  社会や企業のルールを守れない方がいるのには困りますよね。

  動物の世界では、仲間内の掟を守らないやつには死が待っているのですけどね!








Column163  2006/ 9/30  up             


 
■ ブラックアウト

  ブラックアウトって聞いたことありますか? メンタルヘルス用語の一つです。

  実は、ブラックアウトは、アルコール依存症の症状の一つなんです。
  飲酒が習慣化し、毎日深酒をするようになると、前日のことが思い出せなくなる。そんな症状をブラックアウトと言
  うそうです。

  度々ブラックアウトが起こるようだと、アルコール依存の症状がかなり悪化しており、
  次の段階では、アルコールが切れた時に手が震えたり、イライラするというようなTVでお決まりのように描かれる
  アル中症状に移行していくのだそうです。

  しかし、
  アルコール依存症 = アル中 (アルコール中毒) ではない私でも、どうしても飲酒をした夜などに、どうやって帰
  ったのか思い出せないということが、ごくたまにですがあります。
  周囲にもそんな方は結構います。・・・・・・業界の体質か?

  実は私は、ウコンの錠剤を毎日食後に3度きちんと飲むほどに常飲しており、飲酒してもあまり酔わない上、飲酒
  した翌日も2日酔いはほとんどないのです。 だから飲んだ翌日も早起きして出勤しています。

  それでも、つい注がれ注がれて、ストレートなお酒を飲みすぎた時など、
  さあ、帰ろうと立ち上がって歩き出すと一気に酔いが回ってしまうことがあります。心臓が妙にドキドキしたりして、
  不安になります。

  昨日どうやって帰ったのかな?・・・・もしかして、急性のブラックアウトか?
  なんてちょっと心配したりもしますが、恒常的に飲酒しているわけではないので、アルコール依存症ではなくても、
  記憶が不明瞭になることはある、ということのようです。

  ところで、前回ブラックアウトした時のことは、ふとしたきっかけで思い出しました。
  最寄の駅前の喫茶店で酔いを覚ましたのを、飲酒の翌日の帰宅時にその喫茶店の前を通った時に、
  「あっ!そうだ!」 的に思い出し、その前後の状況も蘇ってきたのです。

  なあんだちゃんとしてたじゃないか? と一安心。
  でも皆様、飲みすぎにはご注意を。








Column162  2006/9/18  up              


 
■ LEAD思考法


  LEAD思考法って聞いたことありますか?

  何で自分がこんな目に合わなければならないんだ。 自分は最悪の状態だ。

  そんな思いが強くなったとき、冷静になり、前向きに物事を考えるための思考法。 それがLEAD思考法です。


  
● Listen(人の話をしっかり聴く)
     しっかり聴いて現在の状況をきちんと把握する。

  
● Explorer(原因を探求する)
     問題の起きた状況を再確認し、問題となる原因がどこにあったかを見つけ出す。

  
● Analyze(原因を分析する)
     その原因が発生した理由を分析し、対策を考える。

  
● Do(対策を実行する)
     自分でできる対策を実行する。


  またひどい目に遭うのではないか?  そんな思いは冷静さを欠いている証拠です。

  きちんとした手順で自分の行動を振り返り、対策を考えるのがLEAD思考法なのです。

  自分は冷静でないなとちょっとでも思うのなら、LEADという言葉を思い出して見てください。








Column161  2006/9/14  up              


 
■ 空気の読めない低モニター

  その場の空気を読めない方っていらっしゃいますよねえ。
  皆の会話の中身や趨勢が読めていない。場違いなことを堂々と言ってしまう。などなど。
  周囲の方もシラーとしたり、唖然としたりしちゃいます。

  実害をこうむらなければまだ良いのですが、
  時には、長々とした会議の決定事項を振り出しに戻すような発言をする方もいたりして、他の出席者の殺意の
  視線が読めないのか。なんてことも多々あります。

  このような、その場の状況が読めない方を低モニターと言うそうです。
  逆に、周囲の方の気持ちが読める方、すなわち自分の置かれた状況が、常に良く理解できている方を高モニ
  ターと言うんだそうです。なるほど。

  高モニターの方は、自分の行動や発言がその場にふさわしいかどうか、十分にモニタリング出来ているのはも
  ちろん。 周囲への気遣いや調整力があり、相手の合わせた会話のできる方なのです。 
  つまり、コーチやファシリテーター、カウンセラーの素養も十分ある方ですよね。

  低モニターの方は、当然ながらマイペースで人の話など聴きたいところしか聴いていないし、自分中心の世界
  で生きているのです。

  でも低モニターに方にも2種類の方がいるのです。
   @自己主張も多く、自分のやりたいことをどんどんやってしまう外向タイプの方
   A自己主張がほとんど無く、内にこもって大人しくしている内向タイプの方         この2種類。

  〆〆〆
  周りの空気の読めない低モニターの方を何とかしたいかと思っても、当然ながら、タイプによって対処方法は
  異なります。

  職場での対処例を紹介しますと、

  勝手に動ける外向タイプの低モニターには、
  細かく指示を出す必要はありませんが、勝手な判断による脱線、問題の発生を防ぐため、仕事の方向性、制
  約事項や上司の望むゴールといった大枠を明確に伝えておかなければなりません。
  仕事の大枠さえ決めておけばあとは勝手に動いてくれるので、時々報告することを義務付けておけば、問題
  はほとんど起きないでしょう。

  内向タイプの低モニターには、
  単純な繰り返しの作業だけをを任すことになりがちですが、頻繁に声をかけてあげ、仕事上の指示も早めか
  つ具体的に細かく出すことで、多少は動けるようになるでしょう。
  但し、低モニターの基本は自分中心の世界を持っていることなので、指示を出しすぎると 「いちいち言わない
  で下さい。」 と爆発することだってあります。
  気をつけて下さい。・・・・・ふうっ!疲れる。という感じですね。

  〆〆〆
  我が家もそうなのですが、子供が2人いると、
  どちらか一人が低モニター (上の子が多い)、 もう一人が高モニターという組み合わせになることが多いよう
  です。

  もちろん生まれながらの素養もあるのでしょうが、幼年期の家庭内での扱われ方が性格を決めてしまうような
  気がします。








Column160  2006/9/6  up              


 
■ 若手社員の服装


  「若手社員の服装や髪型が気になる。」 そんな話しをよく聞きます。
  髪が立ったようなヘアースタイル。しかも茶パツ気味。 ちょっとおしゃれには見えるがビジネスには合わない
  スーツ。 なんだか、そこだけ浮いているベルトや靴。

  ファッション業界なら良いでしょう。 でもお堅い業界なら浮いてしまいます。
  ぼさぼさ頭に無精鬚なんて状態よりよっぽど良いのですが、やっぱり周囲から浮いていて、客先に連れて行
  くには抵抗がある。

  そんな時は、先輩社員が注意すれば良いのですが、若手社員には彼らなりの価値観もあるようで、中々直ら
  ない。 ・・・ そんな苦情も耳にします。

  よく考えてみましょう。
  彼らのスタンダードは、恐らく仲間内の服装なのでしょう。 彼らが仲間で集まれば、同じような服装の者が集
  まるはずです。

  彼らにしてみれば、上司や先輩はまだ別世界の者かもしれません。
  自分の親や教師が自分たちと傾向の違う服装をしてたからと言って、 それに合わせたりはしないでしょう。

  そう考えれば、彼らの抵抗の理由も少しはわかるはずです。
  まして、同世代の女性社員からはセンスが良いなどと言われているかもしれません。

  でも何とかしたい ・・・・・。
  それならば、自分たちと同じ服装をする必要性を理解してもらわなければなりません。

  例えば、こんな話があります。
  横断歩道で、きちっとスーツを来た方が信号無視をすると、 つられて信号無視をする方が結構います。
  でも、ジーパン姿の若者が信号無視をしても、つられて信号無視をする方はほとんどいないのです。
   (もちろん、時と場所によりますが。)

  人は、まず服装を見て、その人の行動の正当性を判断するのです。
  世間一般にフォーマルであると考えられていたり、社会人らしいと思われる服装をすることは、それだけ周囲
  や顧客の信頼を得やすいし、逆に、社会人らしい服装をしていないと、不利益を蒙ることもありえます。

  最近ではクールビズの普及によって、ラフな服装に対して社会全体が寛容になりつつありますが、それでも
  業界が違えば、服装や習慣も違います。

  私も鶏冠 (とさか) のような髪型の営業マンが売り込みにくれば、たとえ以前からの取引先であっても、決し
  てまじめに話しを聞く気にはなれません。
   「今日は忙しいから、またね。」 で片付けます。

  だって忙しいのは事実ですから、鶏冠頭に付き合う気は起きませんよ。
  ・・・つまりは服装だけでそんな違いが起きてしまうのです。

  怒ってみても、怒っている意味が相手にわからなければ本質的には何も改善されません。
  あなたの身近な例、あなたの業界の常識を分かってもらうのが近道なのです。

  〆〆〆
  余談ですが、私の勤務先でも、設計部門の方は結構ファッショナブルな服装をしたり、鬚を生やす者も多い
  のですが、それが取引先からもアーティストとして認められる要素だと考えているようで、社内では文句を言
  う方もいません。

  同期社員とばったり遭っても、玉虫色がキラキラ光るスーツや革のズボンをはいている者がいたりして、
  一瞬身構えちゃったりもします。

  社内の表彰式で、業績を上げ表彰される同期の社員(管理職です)が白の上下にノーネクタイで出席した時
  には、さすがに何人かの役員が唖然としていましたが。実績を上げた者に文句をいう者はおりませんでした。

  でも、何も実績を上げていない若い社員がこの真似をしても、心底あきれられるだけですよ。
  間違いないです。








Column159  2006/9/5  up               


 
■ 前向きであることは愚か?

  人生に成功できない人 = いつも前向きでいる方
  本屋に行くと、こんなショッキングな見出しが帯に書いてある本が目につきました。

  手にとってよく見ると、
  人生に成功できる人 = 80点で満足できる方、 割り切れる方、 人生を楽しんでいる方
  人生に成功できない人 = いつも不満がある方、 ○○すべきと思っている方、 いつも前向きでいる方・・・・

  ゲゲゲッ! という感じ。

  最近の私の行動のテーマは、常に前向きであること。
  ○○すべきとの思いも強いし、世の中への不満も多いのですが・・・・。 私の人生は成功しないのか?

  そもそも私は、成功、不成功という観点は持っていなかったのですが、
  もういい年なので、自分の人生が良いものであったかどうかについても、取り敢えずは 「まあまあ」 位の考え方
  でいることにしています。

  でもいつも、何かしなくちゃという思い、つまり、ちょっとは、前向きな気持ちも持っています。

  この 「何かしなくちゃ」 は、「何かを変えなくちゃ」 ではありますが、別に、「自分を変えなくちゃ」というわけではな
  いのです。 もしかしたら「何かをしていなくちゃ」なのかも知れません。

  どちらかと言うと、会社に長年いて、何かに貢献できたのかなとか、会社の仲間達の何かを変えられたのかなと
  か、まだ何かできるのかな というような思いです。
  そして実は、周囲の後ろ向きな方々への抵抗の部分もあるのです。

  それが、人生に成功できない人として括られてしまうのは、とても残念無念ですねえ。

  まあ、拡大解釈すれば、
  いつも前向きなのは、いつもあくせくしているだけで、回遊魚のように立ち止まると死んでしまうかのような脅迫観
  念に突き動かされているのに過ぎないから、無理をするなと言ってくれている本なのかもしれません。

  私は前向きな人生を結構楽しんでいる。 そう言えるようにするしかないですね。








Column158  2006/9/4  up               


 
■ ケーキ屋の努力が報われた

  近所とまでは言えませんが、車で30分ほどのところにあったケーキ屋さんが、支店を出しました。
  今度は15分位で行ける距離です。
 
  TV東京の「TVチャンピョン」で勝って有名になったケーキ屋さんなんですけど、本店はパン屋さん風だったのに、
  新しい支店はなんだか高級レストラン風です。かなり立派な店構え。

  店構えだけでなく、店内に入ってびっくり、
  表 (売り場) に10人位の店員さん、裏 (厨房って言うのか、作業場というのか) に20人位、合わせて30人位が
  せっせと働いています。 そうそう、そういえば駐車場にも整理の方が2人います。

  実は先日、前からあった本店の方にも行ってみたところ、狭い店内で20人位が働いていました。
  こうなるともうケーキ屋さんなどではなく、工場直営販売店を持つ企業みたいなものですね。

  しかしやっぱり、
  腕 = 味だけで、 ・・・・ (もちろんTVの力を借りてですが) これだけ店を大きくするのは大したものです。
  TVに出ていたケーキ屋の親父さんも、今では立派な社長さんになってしまったんでしょうね。

  もちろん天性の部分もあるのでしょうが、才能がある方は世の中に大勢いるはずですから、
  つまりは、努力すれば報われるということでしょうか?
  お客様のニーズ=好みの味を掴んでいるのかもしれません。

  しかし、店内がひっきりなしにくるお客さんでかなりごった返しているのに、駐車場にも入りきれない車が列を作っ
  ているのにもびっくりしてしまいました。

  お客さんの方も、味には目がないですね。








Column157  2006/9/3  up              


 
■ 思い込みの効果

  水道の水で痩せる方法・・・
  痩せる効果のある飲料だとして水道の水を与えるたら本当に痩せてしまった例をTVで紹介していました。

  そこまでの効果があるかどうかは別として、コーチングではよく紹介されている事例です。
  自分には○○できると思い込んだり、ビジョンとして実現したいことを日常的に頭に思い描くことが、それらを実現
  する原動力になるとの考えです。

  TVではプラシーボ効果として紹介されていましたが、
  1950年代の研究により、薬事的効果がない薬を投与してもそれが鎮痛薬だと信じることで30%程度の方に実
  際に鎮痛効果があったことが報告されています。

  暗示効果が自然治癒力を高めるというのがこの場合の図式です。

  私の場合、あの病院は良い。あの先生に診てもらうと治りが早いという噂を真に受けて病院に行ってもあまり効
  果がなかったなんてこともよくありますが、
  良い病院だとうわさになるくらいですから、人によっては良い病院・良い医師との思い込みや、医師がきちんと症
  状を聞いてくれて治癒へのアドバイスをしてくれたという事実が薬の効果以上の効果を発揮することもあるのでし
  ょう。

  しかし、十分注意する必要もあります。

  プラシーボ効果をうまくつかえば、能力以上の結果を出せる。とは言っても
  決して全ての方に当てはまるわけではありません。

  君には○○が出来るとハッパをかけて、結果として出来なかった場合、本人は自信を失うでしょう。
  その時のフォローが十分にできるのかと考えることが必要です。

  また、学者による研究では、副作用も問題になっています。
  仮に、ビタミン剤を鎮痛薬だと偽って、患者に与えて鎮痛効果があったとして、痛みの原因が長引けば、その患
  者はビタミン剤を飲み続けようとするでしょう。
  ビタミン剤の飲みすぎによる症状が現れるわけです。

  とはいえ、プラシーボ効果(思い込み)の部分と、自らの目標に対するビジョンをうまく使えば、幾ばくかの効果
  があるのは事実です。

  また、ビジョン化の効果の部分で言えば、
  例えば、自転車やオートバイの操縦においては、ハンドルを切るから右に曲がっていくのではなく、右を見れば
  自然と右に曲がっていきます。

  これは思い込みなどではなく、体の動きが頭に追従してくるという神経系統的な部分での動きなわけですが、
  考え方としては、ビジョンで思い描いたほうが、より実現しやすくなるのだという部分の効果と同様だと私は思っ
  ています。 (真実はわかりませんが。)

  思い込みの効果、ビジョン化の効果、うまく使ってみませんか?








Column156  2006/8/12  up               


 
■ 室伏流勝利への道

  先日、「室伏流勝利への道」なる新聞記事がありました。
  ハンマー投げ室伏選手の行動鉄則に関するビジネススキル欄での紹介です。

  ちょっと面白いので、仕事やモチベーションとして応用出来る部分を中心に、私流のコメントを交えながらご紹介し
  てみます。


  @着実に段階を踏む
    ・一つのことを吸収し完全にクリアしてから次のステップに進むことを繰り返し、
     確実に技術を身につけていく。いきなり無理はせず、各ステップを踏むことで目標を達成する。
  A身近な手本を探す
    ・身近にいる先輩を手本として学び、基本を十分に理解する。
    ・判らなければじっり相談する。(室伏選手のお手本は当然ですが父親です。)
  B基本を踏まえた上で直感を重視する
    ・ある程度実績を踏み、基本を理解できていれば、咄嗟に応用で新しいことをすることも可能になる。まずは基
     本が大切。
  C感性・感覚を大切にする
    ・記録(=目標)ではなく、自らの感覚、感性を大事にする。
    ・普段運転している車のアクセルを裸足で踏むと踏み具合の感覚がわからなくなる。
     そんな感覚を重視して身体で覚えていく。
  Dタイミングを逃さない
    ・自分の現状やレベルに合わせて鍛錬を積み、やるべき時にやるべきことをやる。
  E要領の良さだけではだめ
    ・要領の良さで、切り抜けようとするのではなく、必要なら徹底的に努力して、技術を覚える。
  F形だけを真似しない
    ・人は人、自分とは違うことを理解する。基本は徹底的に学ぶが、自分が何をすべきなのかをじっくり考えて
     行動する。
  G常に自分を変えることを意識する
    ・昨日と同じ自分ではなく、常に変革を意識し、前に進もうとすることで、新しい境地が拓けてくる。
    ・自分で考え、研究し、必要とする技術はコーチの指導を仰ぐ。ハンマー投げ以外から得られるものも沢山
     ある。


  どうですか、ビジネスにも通じる人生哲学でしょ。
  色々考えながら努力したというよりは、一生懸命努力した結果がこういう表現になったというような気もするので
  すが、室伏選手自身が、努力しなければ何も得られないというお手本なのかもしれません。








Column155  2006/8/8  up              


 
■ 社交的になれますか?

  シンポジウムの後や、加入団体の会合の後にある立食パーティ。 皆さんは楽しめますか?

  同僚や仲間と参加した場合は、内輪で話していれば、それなりに時間が潰せますが、一人で参加して、見知らぬ
  方と交流してくれと言われても、実際には困難です。

  よっぽど社交的な方が何人もいたり、営業したい方が周りに声を掛けているとか、
  会合の際、隣に座った方とコミュニケーションが取れて、その続きで話ができるとかの場面がなくては、立食パー
  ティーでの交流は難しいですよね。

  結局最後まで居ることなく退室してしまうことも多かったりします。

  昨年、コーチ21のシンポジウムに参加させていただいた際も、
  懇親会では、殆どの出席者は同じ会社の方と話をしているので、一人で参加した私はほとんどコーチ21の営業の
  方と話をしていましたが、これならわざわざ懇親会を開催する意味はないなとの印象でした。

  しかし、中には、交流しやすい懇親会を用意して下さる会合もあります。
  私が以前参加していた、勤め先の加入団体の各種会合での懇親会なのですが、
  @元々少人数の会合で、意見交換もあったりで、その後の懇親会が立食でも、皆と話ができる。
  A大人数(100人〜200人)の会合であるが、懇親会は着席、しかも同業や関係する業界の方が
    同じテーブルに配されて話がしやすい。また何度も参加すると顔見知りも増えてくる。
  B主催者の関係者が多数いて皆に声を掛けてくれる。

   等の工夫です。

  こんな設定だと、交流しやすい雰囲気になりますよね。
  初対面の方々と2次会に行ってしまったこともあります。(当然、早めに退室したいときには困りますが。)

  まあ、もっともっと異業種交流したいと思われる方は、
  そんな設定じゃ色々な方とは話しができないよと思われるでしょうね。

  当たり前のことですが、
  色々な方々と接するということは、色々な業界、色々な立場の方々の話が聞けて、井の中の蛙になるのを防いで
  くれたり、未知の情報が聞けて自分の仕事で役立ったりすることもあり、 社会人としてプラスになることが多いは
  ず。

  私も、今後はもっと社交的にはなろうと思い直しております。








Column154  2006/8/7  up               


 
■ 百三(ひゃくみつ)のスピード

  ITコンサルタント業界。 こんな業界もあるのですねえ。
  この業界では、あくせく苦労し、朝から晩まで働き続けるのは、若い方だけだそうです。
  一般的なIT業界の、誰も彼もが働き尽くめのイメージとはちょっと異なります。

  どんな企業でも当てはまるような、
  役職がついて偉くなった方は、部下をうまく使っており、本人はうまく指示・命令しているだけ。
  なんていうのは、 少なくとも IT業界をはじめとした、伸びている業界には当てはまらないと思っていましたが、
  ITコンサルタント会社も、それが当てはまる古い形態の企業なのでしょうか?

  いいえ、そんなことはないようです。
  でも、優秀な方が山ほどいる ITコンサルタント業界で、上に行ける方は仕事の進め方がものすごく効率的だとい
  うのが真実のようです。

  例えば、
  ある IT コンサルタント会社のトップのO氏は自らの効率的な仕事の進め方を、百三(ヒャクミツ)の法則と呼んで
  いるそうです。

  例えば、100の複雑に絡み合う仕事があったとして、常に3つに絞って対応するそうです。


  抱えている仕事が、単発の仕事 (シングルタスク) であれば、
    ● 仕事上の複雑な課題を3つに絞る
    ● 多岐に亘る議論を3つに絞って決定する
    ● 複雑な状況でも報告することは3つに絞る

  複数の仕事 (マルチタスク) であれば
    ● 仕事の内容を分解し、3つに優先順位付けを行う
    ● そして、その3つの仕事 (タスク) を同時に平行して進める
    ● 3つ以外の仕事は合間にこなす

  膨大な仕事 (バルクタスク) であれば、
    ● 多くの仕事の中から重要なもの3つを選ぶ
    ● 自分の集中できる時間枠 (1時間とか2時間) の単位で仕事をする
    ● 常に複数の仕事を同時のこなす
    ● 昼間に集中的に仕事をこなし、残業はしない


  100を3つに絞り込むこと自体も大変なことですが、
  絞り込みの過程にも、効率化を図るための明確な考え方があるようです。

  ○ 検討を行う対象に対し、二つの評価軸 (≒ 価値観) を決めて、タテ・ヨコ 2次元での分析をする。
  ○ what (何が)、why (何で)、how (どのように) と検討対象やそれに対する考えを掘り下げていく。
  ○ 自己中心的な視点だけではなく、相手の視点、第三者の視点、別な価値観から分析をしてみる。


  生き馬の目を抜く業界故か効率化も単純ではなさそうですが、
  物事を考える流れ自体は効率化しそうですよね。








Column153  2006/8/6  up               


 
■ 深川祭は今年も熱い

  今年も今週末の12日から、深川祭が開催されます。
  今年は大祭の年ではなく、若干控えめのはずですが、それでも富岡八幡宮の氏子各町会対抗といった感じで、
  関係者の方々からは、下町の粋の良い熱気を感じます。

  会社がこの近辺に複数の施設を持っていると、色々な町内会からの賛助依頼が殺到します。
  お祭りだけでなく、花火大会などがあれば、企業は賛助依頼のターゲットとなり、経費削減に苦しむ総務マンとし
  ては、何とかならないかなあといった本音も出るところです。

  でもまあ、伝統行事に貢献しているのだと思えば、安いのかも知れませんが。
  日本各地のご当地のお祭りが無くなったら寂しいですからね。

  ともあれ、盆踊りでもないのに、この一番暑い季節にわざわざお祭りをやる根性には脱帽します。

  祭りをやらなきゃ、夏じゃない。関係者の方々からは、そんなパワーをひしひしと感じます。
  昨今、年齢層に係わらず白けた感じのする社員の方が、自社にも取引先・関係先にも多いのを目の当たりにして
  いるだけに、深川祭関係者のモチベーションの高さは強烈なのです。


  仕事に対して、これだけ真剣に打ち込んでいる方を、あまり見かけないだけに、大したものだと思うと同時に、仕事
  でこれだけモチベーションを高めるには、何が必要なのかと頭をひねりながら考えてしまいます。
  そういえば、昨年も同じことを考えたような気がしますが。

  思うに、この熱気の源泉は、「自分のやりたいことを、損得勘定抜きにやっている」ということに尽きるのかもしれま
  せん。
  つまり、会社の中で社員に、自分のやりたいことを損得勘定抜きでやらせることができれば、祭りと同じような熱気
  が得られるのかもしれません。

  企業にとっての損得勘定抜きという部分は非常に難しいかも知れませんが、社員個人にとっての損得勘定抜きと
  いう状態は案外作れるかも知れません。

  なんてことを考えながら、今年も盛夏に突入です。








Column152  2006/8/5  up              


 
■ インド人はすごいらしい

  IT業界において、インド企業が台頭しつつあるそうです。
  ソフト開発において、インド人の果たす役割が高まっていると言われて久しいですが、
  インドの方々の本質はそんなものではないようです。

  法律的には廃止されたカーストが今だに色濃く残るインドにおいて、IT業界はカーストに関わらず自分の能力を
  活かせると言われているのを見聞きしたことがありますが、これは全くのホラ話のようです。
  インドの大学の先生によると、低カーストの方々は、そもそも教育など受けられないので、決してIT業界で力を発
  揮するようなことはありえないそうです。 (と言ってもTVの受け売りですが。)

  では、IT業界にて台頭するインドの方々の秘める能力とは一体どんなものなのでしょうか?

  思い出して下さい。 0 (ゼロ) を発見したのはインド人です。
  インドには数学者が傑出しているという話も良く聞きます。

  実は多くのインド人は、会議でメモを取らないそうです。 ・・・・・・ えっ。
  ほとんどのインドの子どもは、学校での一日の授業で教わったことをすらすら思い出してしゃべることができるそ
  うです。

  そう、暗記力が絶大なのです。知っていましたか?
  インドに進出した日本企業の間では、工場で働く現地の方々にマニュアルを覚えさせると、2度とマニュアルを取
  り出さずに決められた作業ができるのが一般的なのだそうです。

  何かすごくありませんか。
  ターバンを巻いていたり、インド料理屋でナンを錬っているインドの方を見かけると、とても暗記が得意とは思えま
  せんが、それは仮の姿なのかも知れません。
  まあ、和服を着たり、寿司を握っている日本人も外国の方からみると、優秀には見えないのかもしれませんが。

  まあ、いずれにしても、人を外見では判断してはいけません。








Column151  2006/8/4  up             


 
■ 低コンテキスト

  日経産業新聞を読んでいると、こんな記事が。

  〆〆〆
  大学での授業中、学生の一人が、パンと牛乳を取り出して食べ始めた。
  教授が注意するとその学生は、
  「授業中にパンを食べちゃいけないんですか?
   そういうルールがあるなら、先生がはじめにそう言うべきではないですか?」
  と言ったそうです。                              〆〆〆

  これは、若者がルールを守れないとか、マナーがないという話では全くありません。


  実は10年以上前ですが、私の勤務先でも、
  若い社員が勤務時間中の午前10時くらいに、ファーストフードを机に並べてバクバク食べているということがあ
  りました。
  目立たない部署の目立たない位置、というわけではなく、各部の方が頻繁に出入りする部門の一番前でのこと
  なのです。

  一般の方に判り易く言えば、お客さんのいる銀行の店舗のカウンターで店員が食事をしているようなものです。

  部門長がそれをとがめると、若い社員は言ったそうです。
   「勤務時間中に食事をしてはいけない理由を教えて下さい。」

  もちろん、そんなことは法律はもちろん、社内の規則にも書いてありません。
  だって、規則にはスーツを来てこいとも茶髪はダメとも書いていませんよ。 中学や高校じゃないんですから。

  通常は誰にでもわかる常識的ルールさえも理解できない彼は、色々な面で周囲とぶつかり、そのあげく最後は
  退社してしまいました。

  実は、勤務時間中に (少なくとも、自席で) 食事をしてはいけない理由が彼に理解できない背景には、彼が長く
  米国で暮らした帰国子女であった点があります。
  帰国子女であるからこその合理的考え方や、語学力に魅力を感じて採用したのだと思いますが、それを受入れ
  る素地は当時は全くなかったのかも知れません。・・・いや今でも勤務中に食事はマナー違反ですし、社内で働
  く外国の方は結構多いのですが、皆さん日本人と同じルールを守っております。


  くだんの日経産業新聞の記事に戻ると、
  人とコミュニケーションをとる前提としては、
  お互いが共有する言語・非言語の会話だけではなく、考え方の背景にある 共通理解 = コンテキスト (文脈)
  が必要であるとの記述がありました。

  地域・文化により、このコンテキストの果たす役割が大きかったり (高コンテキスト)、小さかったり (低コンテキ
  スト) するそうです。
  多人種・多文化国家である米国は当然、低コンテキストなので、相手とのもともとの共通理解が無いことを前提
  に会話をすることになります。

  価値観が多様化している昨今、またグローバル化を目指す企業であれば、相手とのコンテキストが小さいことを
  前提にコミュニケーションを行なうことを肝に銘じる必要があるかも知れません。

  〆〆〆
  単にマナーの問題として、最近頻繁に、始業時間ぎりぎりに自席で朝食を採っている社員を見かけますが、ある
  程度の年齢の上司、先輩から見たら、だらしなく見えるだけだということに気づかないのでしょうか。
  私の部下にも、該当者がおり、「もっと早く来て自席で食べてるならいいけど、この時間に食べてたら、だらしなく
  見えるぞ、会議室か食堂で食べたほうがいいと思うよ。」 と声をかけると、

  「えっ、だらしなく見えますか、わかりました。」 とそそくさと別室に移動しましたが、こんなことを言わないと判ら
  ないのも低コンテキストな証拠です。 自分自身の常識も含めて再確認したほうが良さそうですね。





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