過去のコラム(Column101〜150)
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Column150 2006/7/23 up
■ 自律的行動と組織的行動の融合
今の日本代表は一時停止状態。 オシム監督の発言です。
日本人の良さである俊敏性を活かしたチームにする。
何だか期待できそうな発言なのですが、これはある意味、選手の自律性を活かそうとしたジーコ流の否定でも
あります。
世界一流の選手でもないのにCMに出て稼いでいるようじゃ、選手個人個人の絶対的な力不足も当然だよなと
思い、深夜(明け方)放送のワールドカップをTV観戦する気にもなれなかった私なのですが、選手の自律性に
期待することがムダだったと結論付けられるのは、 企業における社員指導に、社員の自律的行動を重視する
「コーチング」を導入することを否定されたような気がして寂しさを感じます。
そもそも、「一般的」な会社員は、日本代表より遙かにプロ意識が薄いはず。
自律的行動なんか無理だよ。そう言われればその通り。
まして、企業においては、経営者の意にあった会社員のみを集めなおすことは出来ません。
現有勢力をベースアップ、パワーアップするしか戦う方法はないのです。
でも、企業における社員指導の難しさは、ある意味サッカー以上です。
外国企業が注目する、日本企業の生産性の高さ、商品品質の高いレベルでの標準化も、トヨタにおけるQC手
法をはじめとする、作業の標準化、良い仕事の仕方の水平展開が基本です。
いわば、すぐれた管理手法を見える化で誰にでも分かり易くして、皆で真似っこしようという指導方法です。
社員に企業の歯車となることを求めているわけです。
日産自動車のカルロスゴーン氏による復興も、コーチングを活用し、社員のコミュニケーションや、社員個人の
コミットメントを重視し、自律性に重きを置いているような気もします。
しかし、実のところ日本人、特に大企業では、号令さえきちんとかければ、社員が組織的に行動できるというメ
リットを最大限に活かし、一気に自律的行動を社内に展開したような気もします。
つまり、自律的行動と組織的行動の良い部分を高い次元で融合したのです。
自律的行動と組織的行動は矛盾する部分が多いので、どちらかにバランスが移動した時点で、企業活動は再
び低迷しかねません。舵取りは大変でしょう。
自律的行動と組織的行動の高い次元での融合。
オシム監督が今後どのような舵取りをするかは分かりませんが、少なくとも組織管理の重要なキーワードのよ
うな気がします。
それにしても、監督さんたちは皆、日本語しゃべりませんね。
ゴーンさんもそうだし。
Column149 2006/7/22 up
■ ツバメは雛を育てないのか?
この季節、ツバメが飛び回るのをよく見かけます。
商店の軒下や、バス停の屋根の下に巣を作っているようです。
と思っていたら、今朝ほど、
バス停立った私の足元に、蝶々or蛾のような、蝉のような、葉っぱのような模様の小さな物体がありました。
よく見ると、ツバメの雛が死んでいたのです。 可愛そうに、巣から落ちたのでしょう。
親鳥がいなかったのか、いても助けないのか判りませんが、せっせと餌を運んでいるのを見かけていただけに
可愛そうです。
しかし、先日も動物番組で解説していましたが、親鳥は、雛が弱ったり、動かなくなれば、即、巣から放り出した
り、別の雛の餌にしてしまいます。
また、他の鳥がわざと他の種類の鳥の巣に混ぜて生んだような雛でも、生きていれば、餌を運んで育てること
普通にあるようです。 子供に愛情があるのではなく、本能で育てているのでしょう。
動かなければ育てない、巣から落ちたら知らない (中には、落ちた雛を拾う鳥もいます。)。
鳥の世界は厳しいですね。
ライオンもわざわざ子供を谷に落とすのではなく、谷に落ちた子供をわざわざ助けに行かないだけかもしれま
せんね。
人間の世界も動物の世界に似てきていますが、それでも、ほとんどの親は子供に愛情を持っているでしょう。
しかし、幼い時に親に大事にされなかったことからくる性格に歪みに、ストレスの影響が強く加わって、こんな子
いらないというような感情が高まり、さらに歪んだ行動が起こるのかもしれません。
(新聞の受け売りを拡大した勝手な推測ですみません。)
でも、イルカが何らかの理由で集団で浜に打ち上げられるという以外に、動物が自殺するというような話は聞か
ないので、動物の本能には生き残るというDNAがかなり強く記録されているのでしょう。
動物は生きることがめんどくさくなったりしない。
それだけでも見習う価値があります。
Column148 2006/7/22 up
■ やる気が先か、待遇が先か?
「すまないが、この仕事今日中にやってくれ。」 「明日にしましょうよ。大丈夫ですよ。」
こんな会話が仕事場で結構あります。
こうなると、
「明日は急ぎの仕事が入るかもしれないから、今日やれることは今日やっとこうよ。」
何て会話が通じない世界になります。
「この待遇(主に給料)では、やる気が起きない。」 何て話になることもしばしばです。
やる気を出して評価を上げ、待遇を得るのか、待遇がいいから頑張るのかという、
本来なら答えが判り切った議論は無駄です。
制度上、一年の評価が待遇に反映するにも限度がありますから、中堅社員となってからずーっと頑張っていな
いと本当にいい待遇にはなりません。ちょっとぐらいお給料が上がってもスズメの涙ということでしょうか。
思うに、
年功序列を引きづった中途半端な成果主義のつらいところは、
ちょっと頑張った方と、全くやる気の無い方の差が少ないところです。
当然ながら、ものすごく頑張った方はそれなりの評価、待遇につながる評価を受けますが、社員にはそこまで
頑張る気はないのです。
だって、ものすごく頑張る為には、休日や家族との付き合いを犠牲にしなくてはなりません。
働いて成果を上げるということは厳しいものなのです。
では、もっと評価を厳密にしてやる気の無い者をふるい落とせばよい。 という論法が生まれそうですが、さら
に全員のレベルが下がるだけの結果が見えるような気もします。
「会社は誰の物」 という本や議論が一時期、流行りましたが、
お給料を貰って働くという考え方、つまり、役員・幹部=経営者(支配者) 社員=奉公人 という感覚を葬りさ
らなければ、真のやる気が生まれるはずはありません。
「君の会社だろ?」 「いいえ、社長の会社です。」 口には出さなくても、こんな気持ちでしょう。
したがって、
自分たちの会社だから自分も頑張るという組織風土に変えなくては、自己実現=自分の能力を仕事を通じて
発揮・成長させていくことがベースとする成果主義は、全く役に立たないような気がします。
難しいですが、それ(組織風土改革)ができるかどうかが、企業の生残りの条件のような気がします。
Column147 2006/7/20 up
■ 学習する奴隷には自主性がない
15日の土曜日からわが子2人の夏休みが始まりました。
えっ!20日からじゃないの。同じ県内に済む同僚からも言われましたが、私の住む市では、小中学校の今
年の夏休みは、7月15日から8月27日までなのです。
そもそも、1年が前期・後期の2期制となっており、通信簿をもらう10月の終わりから文化の日や土日を含め
た5日間の秋休みもあります。 日程の調整で、他の地域では休校となる県民の日も学校はあります。
でも、夏休み前には通信簿なし。これもゆとり教育なのでしょうか?
まあ、一番暑い時期に休むという点では7月15日からの休みは良いかもしれません。
ところが、実際に子供たちの生活を見ていると、部活や塾で大忙し。
18日も海の日だと言うのに2人とも塾通いです。なんだか可愛そう。
海かプールにでも行こうと思っていた私は、目算がはずれて、つまらない3日連休でした。
でも、本人たちにとっては、塾や部活が完全に生活の流れの一環になっており苦ではないようです。
土地柄(?)からか、いわゆる進学塾に通っている方も周囲には少なく、学校の勉強についていくという以外
に、何かの目的のために勉強するという感覚は全くなく、子供たちの誰にとっても普通の学習塾が単に生活
の一部となっているようなのです。
この時間を、自分の目的のための学習に使ったら、何でも出来そうなのにな、と元来勉強嫌いの父親である
私はつい思ってしまいます。 それだけ子どもはコンスタントに勉強しているように見えます。
もちろん、家では、ゲームをやったり本やマンガを見ている時間も多く、母親から宿題をやれと叱られてはい
ますが、私が何らかの資格試験の学習に費やすより遙かに多い時間が、子供たちの生活の一環としての学
習時間になっているのです。
しかし、若干気になるのが、
こんな生活が当たり前と思い、生まれつきの奴隷のように疑問を持たずに生きていると、目的意識を持てな
い大人に成長するのではないかという点です。
まあ、奴隷というよりは、動物園の小動物のような感じさえします。
そう考えて、会社の若い連中を思い出してみると、彼らも何だか目的意識がないようです。
若手社員の原点は、生活習慣としての塾にあったのかなどと思ってしまいます。
Column146 2006/7/17 up
■ 真剣に生きる子ども
TVを見ていてものすごい子供がいるなと感動しました。
未熟児網膜症により生まれつき全盲な小学生が、水泳に打ち込み、トライアスロンにも出場していました。
トライアスロンですよ。
相判を勤める母親の合図を頼りに、自転車を漕ぎ、なんとか走りきっていましたが、
ビリだったことに泣いていました。
泣きそうになりながらも完走する勇気と根性は、大人でもおいそれとは見かけません。ちょっと感動しました。
実はわが家の長女もかなりの未熟児で、生後3ヶ月ほど入院していました。多少の障害もあり輸血をしてくれる方を探した
り、手術をすることもありましたが、克服し、今ではかなり背の高い中学生。
未熟児だったことなど私も忘れていたくらいです。
この全盲の少女のような根性は全くありませんが、ごくごく平凡な人生を歩めるでしょう。
この少女の両親は、目が見えないことを障害と思うことを止めることを最初に決めたそうです。
そして、与えられた条件・環境の中で最大限の努力をすることを子供に教えています。
本人も水泳を生きがいとして頑張っているようです。
とても真剣に生きてます。
こんな生き方を見習いたいものです。
Column145 2006/7/16 up
■ 迷惑な勘違い、蔓延してます
● 部下を酒に誘わない。
● 部下に頑張れと言わない。 こんな上司をどう思いますか?
頼れる上司じゃないな。勝手にやれば。そう思う方もいるでしょう。
しかし、もし、部下がストレスによる心の不調に至っていたり、その一歩手前の、何となく調子の悪い状態であれば、
部下を酒を飲ませる、単純に励ます という行為はメンタルヘルス的には、やってはいけないことなのです。
もちろん、ケースバイケースなのですが、
例え本人が気付いていなくても、心身症に至っている場合には、下記のケースが多いのです。
● 飲酒が症状を悪化させる。
● 励ましが本人を更に追い込む
え、そうなのという感じもしますが、心身症に対してアルコールが悪影響なのは医学的事実です。
また、コミュニケーション = 呑みニケーションと思うのは大きな勘違い。
心身が健全であれば、酒でウサを晴らして、感情の高まり等の気持ちをリラックスさせたり、本音で語りあえたりもします
が、コミュニケーションの本質は相手の話や考えをしっかり聴くことであり、例え一緒に酒を呑んだって、一方的に上司の
自慢話を聞かせたりしたら、健康だったとしても疲れるだけです。
相手の話をきちんと聴こうという姿勢があってこそ呑みニケーションは有効なのです。
励ましも、道が塞がっているのに前に進めというのは、本人を押しつぶすことになります。
例えば、現状の仕事の問題点を本人に十分確認した上で、解決策を教え、本人が自分で仕事を前に進められる状態に
した上で、励ましてこそ効果があるのです。
難しいなという方が私の周囲にも多いのですが、コミュニケーションや励ましの本質を理解していないことが原因で、
A君は、十分なコミュニケーションをしているのに、自分の意見を言わない
B君は、励ましてもやる気を出さない、
などという、A君やB君にとっては、甚だ迷惑な勘違いが起きてしまうのです。
私の感覚では、10人中8人くらいがこんな勘違いをしています。
メンタルケアを含めた部下指導方法の教育は大切なのだと実感しているところです。
Column144 2006/7/14 up
■ メンタルヘルスと自己実現
メンタルヘルスの本を読んでいると、メンタルヘルスケアをしっかりやると自己実現にも良いとの記述があ
りました。もちろんコミュニケーションをきちっととれば、悩み、心の病、モチベーションの3つに効くはずと
は思っておりました。当然ですよね。
とはいえ、形だけのコミュニケーション = 単なる声かけをして、自分は周囲ときちんとコミュニケーション
をとっていると言い張る方も多いものです。
でも、マズローに欲求5段階って聞いたことありますよね。
私も、その文字を目にしただけで、本を閉じたくなるのですが、ちょっと我慢して読んだところモチベーショ
ンUPだけでなく、メンタルヘルスケアにも繋がる話として興味が持てました。
つまり、欲求の最低レベルは空腹、渇き、睡眠など生命を維持するための生理的欲求。
最高レベルの一つ前は他人から認められること、自信を持つこと、自律的に行動すること等の自尊的欲求。
そして最高は、自己実現。自分の可能性を最大限に追求し、成りたい自分に成ろうと望む欲求です。
私の会社で、若手社員にまでやっている目標管理制度(≒成果主義)も、自己実現と自律的行動・成長が
目的です。
そう、マズローの最高レベルと一歩手前のレベルを満たす人事施策ということになります。自分で制度した
のですが、マズローまでは考えなかったなあ。
ともあれ、上から命令されて行動するのではなく、自分から考えて行動する制度であり、上長の指導方法
として、コーチング手法がピッタリです。
そして、メンタルヘルスケアの本質は、
目標を持って、自分らしく主体的に物事に取り組む気持ちを持ちを維持し、職場においても、仕事を自分の
こととして上司と話し合いながら業務や能力開発の目標を達成していくことであり、自己実現を果たしていく
こととの記述がありました。
うーん。同じじゃないすか。
メンタルヘルス = 自己実現 = モチベーション。
メンタルケアとモチベーションをコミュニケーションをキーワードとして勝手に結び付けて、社内でコーチング
の布教活動をしていた私にとっては、ここ数年の活動が認められたような気がしました。
おかげで、大手を振って、コーチング布教を続けていく気になってきました。
Column143 2006/7/9 up
■ 前向きな意志が漂う
昨日帰宅中に、すがすがしい姿を見ました。 それはハンディキャップを抱えた方です。
最近、体にハンディのある方を街中や電車でよく見かけます。
まだまだ不十分とは言え、ハンディのある方が使いやすいように改修される駅や建物が増えているのが影響してい
るのでしょうか。
私の帰宅時の電車はかなり混んでいて、若い方、女性の方が結構多く乗車している路線なのですが、
爽やかな雰囲気で、ほどよく日焼けした顔色の、全く着飾らない若い女性を見かけました。
左手に荷物を二つくらい持っています。 まあ、いい感じの女性です。
そして、しばらくしてターミナル駅に到着し、電車が空いた時に、その女性がよく見えました。
とっても、すがすがしい感じなのですが、何故か一瞬の違和感が。
彼女には肩の当りから、右手がありませんでした。
じっと見たら悪いでしょうから、ちらっと見ましたが、最初の違和感はすぐに消え、先程にもまして爽やかな感じが
します。ハンディのある方が時折見せるうつむき加減な様子など微塵もありません。
顔つきはもちろん、立っている姿に 「前向きな意志」 が明確に感じられます。
荷物を片手に下げ、揺れる電車の中で、しっかりと立っています。
この人はかなり前向きに生きている。
そんな考えが私の頭の中に浮かび、つい、心の中で応援してしまいました。 頑張れよと。
次の駅で降りていく彼女をじっと見ていましたが、歩き方も颯爽としていました。
体には多少の不自由があったとしても、彼女の心にはハンディキャップなんか存在しない。私は確信しました。
私は、事故にでもあったのかと、答えのない推測をすることはせず、しばらくの間、
私にとって、久々にとっても良い一日の終わりをとなったことに満足していました。
Column142 2006/7/7 up
■ 物事を一面性で捉える愚
物事の一面しか見ないのは良くない事。 最近では誰だって知っています。
しかし、平気でそんなことをするのがマスコミ。 先日もニュース番組を見ていて驚きました。
健康住宅の特集をやっており、「無添加住宅」なるものを販売している工務店の紹介です。
住宅建材、建装材、接着剤等に含まれるホルムアルデヒドに代表される化学物質が体に悪影響を与えたり、端的に蕁麻
疹(ジンマシン)が出たりすることは最近ではよく知られていますが、体に害のある化学物質を全く使わないで家を建てる
工務店との説明です。
なるほど体によさそう。
話を聞いていると、接着剤にはニカワ (動物素材ですね。) 壁にも自然素材。
と 非常に昨今の方々の価値観からすると歓迎されるような説明です。 TV的にはとても良い報道。
しかし、本当にそうなのでしょうか。
接着剤にニカワを使ったり、防腐剤が入っていない壁紙を使うのでは、虫やらカビやらの温床とならないでしょうか?
木材を多様した家が良いからと言って、誰もが昔のように木造住宅を建てたら、森林資源はあっという間に使いつくされ
てしまうのではないでしょうか?
杉材を使用すると、自然の防菌効果があることも最近では知られていますが、杉が成長するのには時間がかかります。
物事のメリットだけではなく、デメリットも正確に報道してこそ、公正な報道です。
この番組の画面の端には、「エコ住宅」という文字が出ていましたが、健康住宅ではあっても、エコ住宅ではないはず。
タイトルまで大間違いな分けです。
完全な人工物であり、森林伐採と大量の農薬散布によって成り立つゴルフ場を映して、
「自然に囲まれたプレー」 などと報道するのと全く同じ次元でしかありません。
どんなに緑が綺麗でも、ゴルフ場はあきらかな人工物。自然などではありません。
しかも多くの場合、多量の農薬噴霧で雑草を枯らしています。
(広大な土地を破壊して、少数の方がプレーするゴルフ場にするのは納得いかない方もいるでしょう。)
そんなことは、TVを見ている方が、自分で気付かないと正しい判断ができないというのが、TVの真の姿なのです。
ドラマと同じく、どんな自然ぽい映像も意図され作られた映像だとも思います。
でも、どんなに自然を大事にしたくたって、ガソリン(化石燃料)無しには生きていけない、動物は可愛がりたいけど、
肉食はやめれない。 だからこそ、バランスよく自然と動物を殺し、かつ育てていく残酷な2面性が我々人間にはある
のです。
物事は両面をきちんと見て、きちんと善し悪しを判断しないといけませんよね。
そう言えば以前、同僚で、絶対に肉類はじめ動物性食品を食べない方がいましたが、それも徹底してますね。
卵を使った食べ物 (例えばケーキ) も絶対食べないんですよ。
かなり大変そうですが、彼女はずっとその信念を守り通うしていました。 凄い方がいるものです。
彼女はアレルギーがあるわけではなく、動物を殺したくないという明確な意志の元、不便な生活を受け入れていました。
彼女の信念を見習いたいものです。(難しいですが。)
Column141 2006/6/27 up
■ 功名なセリフ
大河ドラマ「功名が辻」でのお話。 最近ネタに役たってます。
昨晩、また見てしまったのですが、千代 = 仲間由紀恵から驚くべきセリフがありました。 消極的なくせに城が欲しいと
言う夫、山内一豊 = 山川隆也にかけた言葉です。
「毎日、長浜城に住んでいるところを、頭の中で想像していれば、そのうちきっと願いがかないますよ。」
「よし、じゃあ想像してみよう。」
これは、コーチングで言うところの、ゴールのイメージを頭の中で具体的ビジョン (映像) として描くスキルに他なりませ
ん。 頭で具体的な映像として描くことで、自分の気持ちや行動をそちらに向け、実現していくというやつです。
TVを見ていてちょっとびっくりして、セリフを広告の裏にメモってしまいました。
そういえば、いつものセリフにも、
「わしはどうしたらいいんじゃ?」
「旦那様は、本当はどうしたいのですか?」
「わしか、わしは本当は ●● にしたいんだ。」
「では ●● になさいませ。」
「そうか、では ●● でやらせてくれと、殿に進言しよう。」
というようなやり取りがかなり頻繁に登場するような気がします。
まあ、TVとしての演出なのかも知れませんが、
夫の出世の手助けをした優秀な妻として有名な千代を、実は優秀なコーチだったという伏線で描いているような気がし
ます。
このドラマの中での山内一豊は真面目で誠実、りちぎだけど、相当にぶい男として描かれておりますが、ぼんくらでも
コーチをつければ、大丈夫という番組にも見れてしまいます。
民放局で放映してコーチ会社がスポンサーにつけば、いい宣伝になるのにと、
昨年のドラマ 「ドラゴン桜」 以来のコーチングドラマとして、面白さを感じました。
Column140 2006/6/25 up
■ 結論出たのか?ジーコ型、トルシェ型
以前このHPでも取り上げましたが、
組織と管理を重視したトルシェ型と、コミュニケーションと自律がキーワードのジーコ型の指導方法のどちらがいいのか
という論争。
今朝の朝日新聞に、 ジーコ型、トルシェ型の比較議論に一つの結論が出たとの記事が、なんと一面に掲載されていま
した。
現実のサッカーの世界では、今の日本代表チームにはジーコ型の選手を信頼した指導法は時期尚早だったとの論評
が。 ジーコ型指導が良くなかったという責任追求の論調ではなく、 選手にプロ意識が欠けていたとの論調なのが、朝
日新聞の記事の公平性を表しています。
ワールドカップの試合の中身についてどうこう話すのは、このHPの目的ではないので、出きるだけ避けますが、練習で
幾らいいゴールを決めても、混戦・混乱の中で狙った場所にシュートを叩きこめず、 あさっての方向にボールがすっとん
でいく映像を見て、ジーコ型指導で能力を発揮できる選手はほとんどいないなと思っていました。
この指導方法を企業に当てはめてみても、コミュニケーションと自律で伸びていける優秀な社員が本当に何人いるのか
な、と真剣に考えてから、コミュニケーション型の指導方法を考える必要がありそうです。
ちまたに、コーチングを導入する企業が結構増えていますが、
会社全体に導入しても、効果が上がっているのかどうかわからない企業も多いようです。
コミュニケーション型指導は相手を選ぶ。そう考えたほうがよさそうな気がします。
コミュニケーション型指導を行ったからモチベーションが上がったのか、それとも、もともとモチベーションが高いから
コミュニケーション型指導が効果を上げたのか、その都度、因果関係を検証していくことが必要なのでしょう。
Column139 2006/6/17 up
■ 睡眠に対する考え方を変える
今日、メンタルヘルスに関する専門書を読んでいると面白いことが書いてありました。
睡眠健康法に関するくだりです。
1) 生活のリズムを作る
@ 毎日同時刻に起きる (休日もですよ)
A 就寝時刻を決め、1時間前からはベッドタイムとする
B 朝は流れ作業で仕事をする
C 早起きして運動する
D 30分以上の昼寝を避ける
2) 寝る前にリラックスする
@ 就寝 3時間前からは、カフェイン・タバコ・アルコールはやめる
A 就寝 2時間前からは、静かに過ごす (勉強や仕事はしない、目が冴えちゃいますから)
B 温るめの風呂にゆっくり入る
C 毎日同じ時刻に夕食をとる。寝る前に大食しない
D 積極的にリラックスする (筋肉弛緩など) ・・・・・どうやって
3) 睡眠に対する考え方を変える
@ 時間の長さにこだわらない
A 眠れなくてもすぐには悪影響は出ないと居直る ・・・・・オイオイ
B 寝不足は明日解消できると信じる
C 寝る前に良い考えは浮かばない (今晩は寝て、明日考えればいいじゃん)
居直る ・・・・ 専門書なんだけどなあ。 そうかそんな心構えが必要というわけですね。
ようは、気の持ちようということですね。
というわけで、私も居直ってみます。
●上司に怒られても、首になるわけじゃない、まして命まではとられない
⇒ だから失敗を恐れず、精一杯やってみよう
●上を見ればキリがない
⇒ 今の暮らしで十分幸せ、
●自分が満足できれば、それで十分
⇒ 残業したって、きっちりやれれば、仕事も楽しい
●いつか、ゆっくり寝れる日が来るさ
⇒ 定年すれば、ぐっすり寝れる
って、実際はそんなに悪い状態ではありません。でも、そんな気持ちで頑張れれば、仕事だって十分楽しめます。
(せっかくなので、メンタルヘルスのページに、まじめな書き方で転記しておきます。)
Column138 2006/6/9 up
■ 社内ニートって何?
最近、社内ニートが問題になっているようです。
まあ、マスコミが話題にしているレベルであって社会問題ではありませんが、若手社員を大勢抱える企業にとっては
重要な社内問題のようです。
社内ニート?
私には聞き慣れない言葉なのですが、どうも、企業に就職していても、社内でやる気を失い自分の居場所を見つけら
れない方々のことを指すようです。
言われてみると、そのように見える方々に心当たりはあります。
しかし、そう思われている方々や外見的にはそう見えるという方々も、よく話してみると決してニート、つまり若年無業
者などではありません。
それに、大量採用企業には、はなからやる気がないのに採用面接だけ頑張って入社した者がいるのかも知れませ
んが、私は、そういう方をお見かけしません。
たいがいは、
自己主張・自己表現が下手。 与えられた目的や情報(広義での情報)に対して、どう動いて良いのかわからない。
といった程度の原因に過ぎず、それをはたから見ると、あいつはやる気が無い、反応が悪い、あいつにまかせても役
に立たない、結局こっちがやらなくてはならない。・・・なんて評価・評判を受けてしまうのだと思います。
そんなかんだで、いつまでたっても仕事を任されない、やる気は更になくなる、居場所がないような雰囲気になる。
という図式のようです。 (私の周辺の社内ニートと思わしき方々だけかも)
まあ、つきつめれば 「反応が悪い」 やつ。と十把一絡げにしていいような気もします。
しかし、本当のニート(無業者)と社内のニートには大きな2つの違いがあります。
まず、第1。当然ながら社内ニートはお給料をもらっています。
対価に対する責任があるわけで、自分の意志で行動できなければ正当な給料をもらう資格がない。
第2に、回りを見回せば、行動の手本や、指導者になってくれる先輩方がいるはずです。
当然ながら、上司には社内ニート君にきちんと仕事をさせる義務があります。
この違いは大きいでしょう。
実は、私のみた雑誌記事では、社内ニートへの処方箋として、
@功績を称える A成長の実感を促がす B自己実現を助ける の3つを上げておりましたが、
そんなことで解決するわきゃないなと鼻で笑ってしまいました。(失礼)
● 社内ニート君には、もとより、功績などないのです。あるのはちょっとした進捗。
ちょっとでもいいから何か出来たときに、進歩していることを客観的事実として伝えてあげることならできます。
コーチングでいうところの「承認」です。
● 社内ニート君は成長していないので、成長の実感はありません。
● 自己実現したい目標も今はないでしょう。
でも、成長したいという願望はあるはずです。今何をやりたいのか、将来どういう自分になりたいのかを聞いてみま
しょう。・・恐らく返答はありません。まだそこまで考えていませんから。
でも、そういう話題が何度も自分に降りかかってくれば、3年後も5年後も今と同じじゃまずいとは思い始めるでしょ
う。自分のやりたいことに気付く可能性もわずかですがあります。
ちょっとでもやりたいことがあるようだったら、ぐっと背中を押しましょう。サポートです。
メンターのような話を聞いてあげる先輩を設定してあげるのもいいかもしれません。要は、急かすのではなく、自分の意
見って何? という意識を自分から持たせることが必要なのですから。
社内ニート君とそんなやりとりをしていれば、直接的な結果が出なかったとしても、まあ、
「自分は一人じゃない」 くらいは思ってくれるでしょう。
そんな面倒なことはしたくないよという方は、上司面や先輩面したり、相手のことを使えないなどと言うのは今日からや
めたほうがよいでしょう。 (そういう態度をきちっと見ている方もいます。)
色々書きましたが、「上がつかえている。」 その一言で片付けてはいけないでしょうか。
近々に続々と定年していく団塊世代、団塊ジュニア世代の再雇用制度上の扱いを誤らなければ、 次第に解決していく
ような気がします。若手が台頭する時代はもう目の前ですから。
(すでに若手とは言えない私にはつらい時代かもしれませんが。)
Column137 2006/5/31 up
■ やる気の低下は日本特有
「やる気の低下は日本特有」新聞記事の見出しです。
タワーズペリンという、米国の人材コンサル会社の調査結果によると、世界16カ国中、日本企業の従業員の意欲低下が
めだったそうです。
意欲がある者の少なさ、意欲がないという方の多さがインドについで顕著だそうなのです。
ニートという社会現象も含め、やる気のなさは日本特有と結ばれています。
この記事では、TOPおよび管理職の指導力の無さがその原因というような結びつけをしていますが、本当にそうなのでし
ょうか?
私が思うに、TOPや管理職の指導力の無さは社員のやる気がないことの遠因ではあっても、
真の原因は他にある。 そんな気がします。
会社員という立場において、頑張って、頑張って、真剣に努力した時に、報われる可能性がどれくらいあるのか、考えて
みて下さい。
社会全体としてみれば、年功序列もだいぶ薄まって来ましたが、特定の企業だけみれば、成績優秀で、高い評価を受け
られる社員はほんのひとにぎりです。
では、その他の社員が頑張っていないかというと、多くの社員が自分の職務の中で精一杯努力しています。
そんな努力じゃ足りない、この厳しい経済状況、企業環境の中では、その位の努力は当たり前、と見られているのではな
いでしょうか。
つまり、ちょっと頑張った、は認められないのです。
しかも、ものすごく頑張っても高い地位や収入に繋がるのはごく一部の方。
そんな社会が意欲の低下を招いているのではないでしょうか?
ニートだって同じ。
最近は、ものの考え方も多様化してますから、それぞれにニートになるべき異なる理由があるのだとは思いますが、社会
に出て頑張ったって先が見えている。そう思っている方は実際に多いでしょう。
これは身分階級が細かく決められているインドについても、当てはまっているのではないでしょうか。
(単なる想像ですが。)
にんじんがないと馬も走れない。そんな感じです。
もしくは100頭の馬がいるのににんじんは3本だけ。というような企業が多いのではないでしょうか。
その証拠に最近の経営書を読むと、
多くの社員に地位や高給で報いるのは不可能。本人がやりがいを感じたり、自らの成長を感じられるようにして、モチベー
ションを向上する必要がある。そのためには・・・うんぬん。
という内容のものが圧倒的に多いのです。
もちろんそれはそれで正解なのでしょう。
でも、やりがいや自らの成長も、企業の枠の範囲で決められてはたまったものではありません。
やりがいや自分の成長は他から与えられるにんじんではなく、自分の内側から沸いてくるものなのだと、私は思います。
〆〆〆
つまるところ、
やる気をどうやって引き出すか、ではなく、自分自身の目標をどう見つけるか、そして目標が探せる社会、目標が見つけら
れる企業こそが、求められているのではないでしょうか。
Column136 2006/5/30 up
■ 秀吉の知恵と策略
またしても 「功名が辻」 の話です。
このTV時代劇を見ていると、主人公であるはずの山内一豊が、誠実であるが、鈍い人間のように描かれています。
これに引き換え、羽柴秀吉の知恵師、策略家ぶりがかなり大袈裟に表現されていてとても面白いです。
でも、色々な書物や過去のTV等では、秀吉は策略家であるばかりでなく、モラルアップの達人 として描かれている
ものが多いようです。
一夜で砦を築いたり、塀の修理を短工期でなしとげたりというのも、知恵を働かせ、いかに職人や人足のやる気を引
き出すかと工夫したことに勝因があるような描かれ方です。
例えば、職人をチームとして組ませ、チーム毎に競わせるなんていうのは、
何年か前にアメリカで話題になったビジネス書 「グレート・ゲーム・オブ・ビジネス」(ジャック・スタック著)にて紹介
されている、工場のライン毎に成果を競わせる手法と全く同じです。
この400年以上前に存在したモラルアップの達人、秀吉は、今までのやり方にはこだわらないという点で、時代を
超越していたのでしょう。
「功名が辻」の面白さの一つは、多くの登場人物が、主君に仕えることを一生のことと考えるのではなく、自分の功
名を上げるための器と考えているような表現が多いことです。
下克上の時代ならではですね。
一つの企業 (○○家) に一生務めるのではなく、戦いの中で消えていく企業 (○○家) から離れ、別な企業 (□□
家)に仕官する。しかも、□□家は自分が功名を上げるための器と考える。
企業は永遠には続かないという、現代の企業やサラリーマンへの共感 (それとも皮肉) として描かれているのでしょ
うかねえ。
信長に目を向けても、
信長が、半農半武が常識の当時において常備軍を持つという新しい発想をしたことが強さの秘密と解説していました
し、その強さの中でも、家臣の気持ちを考えない支配ぶりが光秀の反乱を招いたのだと考えれば、色々な教訓が得
られるドラマです。
Column135 2006/5/27 up
■ しっかり噛んでストレス解消?
最近の子供は、固いものを食べないから顎(あご)が弱いといいますが、
「食べ物をしっかり噛んで食べると身体にいいんだよ。」 なんて話を時々耳にします。
そんなことを考えていたら、たまたま銀行系の取引先から貰った雑誌に、よく噛むと脳の老化防止にも、ストレス解消に
も、そして肥満防止にもなるとの記事がありました。
あごの運動が脳を活性させる。そんな話は以前にも聞いたことがあります。
この記事によれば、噛みごたえの感覚が脳に入力され脳の海馬付近の神経細胞が活性化し、記憶力が強化され、老
化が防げるとのこと。(なんだか難しいですねえ。)
また、よく噛むと、これも海馬近くにある扁桃体 (扁桃腺ではありません) の活動が抑制され、ストレスに強くなるとの
こと。
(これも、どういう仕組みなのか全く判りませんが。)
ガムを噛むと緊張が和らぐような気がするのも同じ理由だとか。
結局何やらわからない記事なのですが、
食事の際に、一口食べる毎に20〜30回噛むのが良いと締めくくられていました。
一口毎に30口。 ・・・3日もたないだろうな。だからこういう記事は嫌いなんです。ある意味無責任。
でも、ガムを長時間噛むなら十分できそうですね。
キシリトールガムなら虫歯予防にもなるし、一石二蝶か。
そういえば、よく噛むと唾液がよく出て虫歯になりにくいとか、早く満腹感がわいて食べ過ぎ防止になるとか昔から言わ
れていたような気もします。
Column134 2006/5/24 up
■ 出来ないことを叱らない
先日、家に帰ってくつろいでいると、カミサンが下の娘に算数を教えています。
でも、娘がうまく問題を解けないことにカッカして、しまいには大声で怒っています。
娘は怒られても、解けないものは解けないので、行き詰って泣き出します。
これは実はいつもの光景。
時には、娘が問題集を放り出すこともあります。
それではと、その日、私が教えると、解けない理由も分かって何とか娘が問題を解く流れが出来上がってきました。
でも、私だって怒っています。「よそ見するな。」「綺麗な読める数字を書け。」「人の話を聴け。」・・・。
娘は泣きそうにはなりますが、問題が解けて前に進めればなんとか持ちこたえます。
そこで、ふと気づいたのです。
カミサンは、娘が問題を解けないことに対して、カッカして怒っていたのです。
私は、よそ見や、字を書きなぐっていることに対して、カッカして怒ったのです。
似ているようで大きな違い。
娘は、問題を解けないことを自分でコントロールは出来ないのです。
しかし、よそ見や話を聴くことは自分でコントロール出来るし、汚い数字は、新しいページにきちんと書き直すことで、
これも自分でコントロール出来ていたのです。
どう考えても、
娘が問題集を投げ出すのは、自分でコントロール出来ないことを責められていたからに違いありません。
試しに別な日も、問題を解けないことを一切責めずに、詳しく教え、やる気のない態度はガンガン怒りながら教えると。
娘は投げ出したり、逃げ出したりはしませんでした。
小さいようで、心にかかるストレスは大人と同じ。そんな気がしました。
〆〆〆
実は、計算を教えていると、もっと別な問題点に気づきました。
塾の宿題で、算数をやっていますが、簡単な理屈を知らないのです。
例えば、10/2 + 5/6みたいな分数の足し算をやっているのに、10÷2が 10/2と同じだと教わっていないよう
なのです。 計算は出来るのに理屈を知らない。そんな感じです。
ガソリンでエンジンが動く理屈は知らなくても、車は運転出来る。ちょっと違うかもしれませんが、そんなイメージです。
・・・・それなら問題無いって、いやいやそういう意味ではなく。
結局、娘の塾は別なところに変えました。
Column133 2006/5/22 up
■ 大事なのは、伝えたことではなく、伝わったこと
コーチングでコミュニケーションを活性化させようとする際によく言われることがあります。
相手に何かを伝えるということは、自分が何を伝えた(話した)かではなく、相手に何が伝わったかということ だと。
例えば、
相手に伝わることのうち言葉は30%、残り60%は声のトーンや身振りで伝わると言い、コーチングの入門研修では、
コミュニケーションのヒントとして、身振りやしゃべり方のロールプレイをしたりします。
しかし実際には、自分のしゃべり方を変えるというのは一朝一夕には行きません。
もちろん、声のトーンや身振りを駆使してのしゃべり方も練習すべきですが、かなり本気で自分を変えようとする方で
ない限り、努力しても、言いたいことが伝わる度合いが多少向上するだけでしょう。
そんなわけで、コーチングは役に立たないと言われてしまいます。 ほとんどの方は、そこで努力も終了。
〆〆〆
家族の話になりますが、最近、私の母も加齢による聴力の悪化で、私が伝えたことが伝わっていないということがし
ばしばあります。 そんな時相手はどうしているか。
結果から創造するに、自分の想像力で聞こえていない部分を補ってしまっているのです。
しかも、自分に都合の良い解釈で補います。
私が話した時にはうんうんとうなずいていたのに、数日してから、なんで教えてくれないんだと怒られることが結構あ
ります。
「昨日、言ったじゃない。」 「絶対、聴いてない。」 そんなトラブルが続出です。
母の耳が悪いからいけない。いえ、そんなことは分かっていることです。
私がきちんと伝えないのがいけないのです。
〆〆〆
思うに、聴力がしっかりしている方の間でも、同じことが起きているのです。
● 相手に分かりにくい言葉で伝えた。
● もごもご言って明瞭な言葉で伝えなかった。
● 説明が不足した。
これは、話を伝える側、指示する側、の問題なのです。
話を聞く側、指示を受ける側の問題にすりかえても、何も解決はしません。
同じく、声のトーンや 身振りを工夫するということも、話が相手に伝わらないのは、自分の側に問題があるのだと確
信することからスタートしなければいけないのです。
特に部下や後輩への指示・命令ならば、
「あれ、やっといてな。」 なんて言わずに、
「○○が□□の状態になる結果を○月○日までに出し、書面で報告してくれ。」 と明確に、
しかも、紙に書いて渡すくらいの確実さで 指示・命令を行わなければ、 成果が出せなかった部下・後輩をせめては
いけないのです。
上司の指示はきちんとメモしろ。
もちろん、それでも良いですし、相手の為(訓練)にもなりますが、相手のメモの内容が、あなたの考えと一致してい
るかどうかを確認することも必要です。
さらに、
指示されたことをきちんとメモし復唱するくせのある私でも、仕事の結果を報告すると、上司から、そういう意味じゃな
かったんだと言われることがしばしばあります。
私から 「○○の形でやってみますが、いいですか?」 なんて確認をすることもありますが、それは私が入社20年
を越える総務マンだからこそ、くせとなっているのです。
結論。
若い部下や後輩に対しては、耳の悪い母親(父親)に接するように指示する、話を伝えることが、相手と確実に意思
疎通する唯一確実な方法なのだと覚えてください。
Column132 2006/5/21 up
■ 意志の2極化
最近2極化という言葉が流行っております。
実際、企業においても、個人においても、いわば勝ち組みと負け組の2極化構造が色々な面で現れています。
企業や個人に限らず、例えば都市にしたって、活性化している巨大都市部と更にさびれる地方都市の2極化も顕著
です。 政治にしても与党と野党の勢力が明らかに違ってきてます。
双璧をなすとか、力が拮抗するとか、最近余り聞かないですよね。
しかし、私にとって何よりも気になるのは周囲の方々の2極化。
@ やる気のある方、前向きな方々と、 A やる気のない、後ろ向きな方々。
中間ってあまり見かけません。
勤め先の社員にしても、取引先の営業マンにしても、面接した学生にしてもこのどちらかに明確に分かれることが多
いのです。 これこそ意志の2極化。
やる気の無い方々は、どんなにハッパをかけようが、おだてようがやっぱりやる気が無い。
やる気の有る方々は、どんどん突っ走ってしまって非常にコントロールが難しい。
とっても両極端な方々が多いのです。
何だかんだ言われながらも、まだちまたで流行っている成果主義や見聞きする世の中の動きが拍車をかけているの
かもしれません。 TVドラマを見たって大体が両極端な方々を描いていますよね。
だからどうだっていうんだ。皆様からはそんな声が聞こえてきそうですが、
少なくとも企業においては、やる気の無い方にはやる気を出して欲しいし、突っ走る方はコントロールしていきたい。
やる気の無い方々を切り捨てて、突っ走る方々だけになったら恐ろしい会社でしょ。
でも試しに、突っ走る方と、やる気の無い方を組ませてみても、中々うまく行きませんね。
突っ走る方は真っ赤になって激怒、やる気の無い方は肩で息をしながらぶつぶつ文句を言っている。そんな光景を社
内でよく見かけます。
私がそんな方々を捉まえて話すのは、
自分たちの先(将来)に何があるのかを考えてみることです。
やる気のあるのは大歓迎。でも突っ走り続けた先、5年後、10年後にどうなっていたいの?
一人で頑張るだけじゃなく、チームリーダーとして部下や後輩をうまくコントロールしてチームとしての成果を上げてい
る自分を想像してみてよ。
やる気がなければ、チームの足を引っ張るだけ。5年、10年も今と同じ仕事しかしていない自分を想像してみてよ。
お給料が年令で増える時代は確実に終わりますよ。
もっと客観的で、もっと長いビジョンで、自分自身を捉えてもらうことくらいしか、今は思いつかないのですが。
Column131 2006/5/17 up
■ コーチングにはベースが必要
コーチ21から送信されてくるWeekly Coachを見ていたところ、社長で 「もしもうさぎにコーチがいたら」の著者でもあ
る伊藤守さんにもコーチがついているとのこと。
コーチ会の第一人者につくコーチってどんな方なのだろうかと想像を膨らませてしまいました。
優秀な経営者のみならず、優秀なコーチは自分にもコーチをつける、よく聞く話ですが、さすがにコーチのテクニック
や話術を知り尽くした方にコーチするのは大変だろうなと想像しています。
恐らく、生まれつきコーチとしての会話ができる方、ネイティブコーチなのでしょう。
客観的に自分の状況を見つめたり、自分の考えを再確認するのは、それが必要だと分かっていても中々難しいもの
です。 俺のやりたいことってなんだっけ。忙しい日常の中でそんな簡単な自問にすら答えは出てこないのです。
私はコーチになりたいわけでもなく、自分にコーチをつけたいわけでもなく、自分の会社の中で、コーチのような会話
とコーチを受けたような気づきが得られる文化が蔓延して、社内が前向きな活気で溢れることを臨んでいるのですが、
最初の一歩の、 コーチングが自分たちの仕事や思考に前向きに作用するのだと理解してもらうことにさえ、苦心して
います。
実は、社内の管理職向けにコーチングメール通信なるものを始めて、今週で2年が立ちました。
まあ、読んでいてくれる方は読んでくれているし、興味のない方は、読んでないでしょう。
管理職のほとんどはコーチ21の講師の方による入門研修を受けているし、知識的にはコーチングを知っているし、
部下や後輩との会話の中でコーチングスキルを役に立てて入る方もいるでしょう。
でも、皆さん決してネイティブコーチではなく、意識してコーチのような会話をしていても、結果として会話は一方通行
になりがちです。
大事なのはテクニックではなく、相手の気持ちを聞こうという自然な気持ち、相手を中心に会話をしようという自然な
気持ちなのだと思います。
俺が俺が、自分が自分がと相手の前に出たがる方々が、どんなにテクニックを駆使しようとしても相手と双方向のコ
ミュニケーションをとるのは難しいはず。でも何故か、企業には自分中心に物事を考える方が溢れています。
私も就職して20年が立ちますが、もっと自分を主張しろ。部門としての結果、自分としての結果を出せとしごかれ続
けてきました。他人より自分。他部門より自部門。他社より自社。
企業に所属するということは、競争社会にどっぷり浸かることでもあり、あくまで中心は自分なのです。 きびしーい。
というわけで、最近では単なるスキル解説より、コーチングマインドのベース作りに効く方法はないかと努力している
ところです。
Column130 2006/5/16 up
■ 相手の顔が見えない
インターネットが普及するに従い、企業内でもメールでのやり取りがあたり前となって来ました。連絡文書をペーパー
で配付するなんてご法度という企業も多いことでしょう。
当たり前のことですが、文字でのやりとりでは、相手の表情も見えないので、どうしても一方通行になりがちです。
中には、そんなマイナスを強く取り上げてメールなんかで人に連絡してはダメだ、俺はメールは嫌いだと強く主張する
年配役職者の方が結構いたりもいます。
そこまでおっしゃる方は、eメールを単なる文字の羅列を送付する手段としてしか見ていないのでしょう。
きっと、上手くeメールを使って双方向の会話を成立させたりする工夫をすることも思いつかないのでしょう。
つらつらとそんなことを考えていたら、
FAXが普及する以前にTELEXという文字を送信する機械があったのを思い出しました。・・・ 知っていますか?
FAXは紙を面で読み取って送信できますが、TELEXは文字を電報のように送信する機械で、海外の電話通話料が
高額だった昔に使用されていました。
さすがの私も入社した時にはTELEXは、発展途上国の事務所向け等にしか使用されていませんでしたけど。
メールは嫌いだというのは、メールをうまく使えないことへの言い訳にしか聞こえません。
頭がTELEXなのでしょう。 (うーん。若い方には決して分からない表現でしょうね。)
でも、それでは、女子高生に笑われてしまいます。
駅のホームで回りをみれば、メールをしている方ばかりです。彼らは、単に感情のない文字の羅列を友人や家族に
送っているのでしょうか? ・・・ まさか。皆さんうまく使いこなしていますよね。
もし電話は苦手だといって、仕事でも自分からは電話をしない方がいたら困るでしょう。 (いたらすごい。)
文書を鉛筆で下書きして部下にWordで打たせるなんて光景もほとんど見かけなくなりました。
でも、連絡文書や会議開催案内をメール等で受けることには抵抗がなくなったのに、いまだに自分からは、メールで
周囲に連絡できない方って大勢います。もちろん年配の方なのですが。
受信はできても送信はできない。そんな方々が、会社の意思決定をする年令層であることを考えると結構恐ろしいよ
うな気もします。 うちの会社は大丈夫か? ・・・なんてね。
もちろん、相手と面と向かって会話するのは意思疎通の方法としては最高ですが、忙しいビジネスマンには多くの方
と面と向かい合って会話する時間はないでしょう。
面と向かって会話することが出来ない部分を補う手段としてインターネットを活用した情報発信やeメールを利用した
会話をどんどん行うべきと思うのですが。
一方通行の情報発信。 双方向の意思疎通。 例え50代の役職者の方でも、目的と手段をうまく使い分けて活用し
ていただけるといいのですけどねえ。
特に今年から高齢者雇用安定法に対応した再雇用制度が各社で始まってますからね。
段階的に65歳まで再雇用されるようになるのですが、これって、もうろくしてたら、けっこうすごいことになりますよ。
Column129 2006/5/9 up
■ 女性の力
自治体の33.9%女性管理職ゼロ。内閣府の発表です。
全国自治体 約2400箇所中の819箇所に女性管理職がいないそうです。 政府は2020年までに官民を通じて指
導的地位にある女性の割合を30%に引き上げる目標を掲げているそうです。
ちなみに国会議員に占める女性の割合は9.2%となっています。
さあ、さあ皆さんどう思いますか。
女性の方々、・・・・ もっと増やすべき。
男性の方々、・・・・ がんばってくれるのならいいのでは。 私の周りではそんな声が聞こえてきます。
とはいえ、勤務先の社内をみても、数少ない女性管理職は専門性のある方がほとんどで、私のような総務マンや人
事マンはいないのが現実です。
実は私の現在の勤務先は、管理職以外は一般職ひと職種のみ。
つまり事務職みたいな扱いの方はいません。男性も女性も一般職であれば対等。というのがベースになっています。
しかしながら、残念なことに、多くの女性社員は補助的な仕事をしています。
人事課長の立場でもある私には納得行きません。
君らも頑張って男連中の仕事を奪ってよ。・・・・ いやいや、上司が仕事を任せてくれません。
上司連は、だって任せたって仕事できないしなあ。人事でちゃんと教育してくれよ。
そんな非建設的な会話が続きます。・・・・古い会社なのです。
卵が先か、にわとりが先か?・・・そんな感じです。
女性の中にも、もっと仕事をバリバリやりたいという方と、今のままでノンビリやりたいと両方の方がいます。そりゃあ、
わたしだってノンビリしていて給料がもらえればそのほうがいいですよ。
でも、私の考えは、
どう考えても、女性を戦力としていかなければ、今後、多くの企業はほろびてしまう。当社も例外ではない。それ以前
に男性、女性を区別するほうがおかしい。
女性が、主体的に働ける環境を用意さえすれば、男とか女ではなく、能力のある者が会社を引っ張っていくことがで
きる。
また、女性が主体的に働ける環境とは、物理的環境や制度だけではなく、周囲の男性陣が女性の潜在的能力を認
め、伸ばし、共に頑張ろうという気になること。
というようなものです。
企業によっては、当たり前だよそんなこと。という話かも知れません。
でも、私の勤務先では一筋縄ではいかない話なのです。
でも、5年後10年後にそんな会社になっていることを想像するとワクワクします。
Column128 2006/5/8 up
■ 学生と社会人の違い
私が学生の方を面接する際に、「学生と社会人の違いは何か?」という質問を必ずします。
まだ学生なので、就職や社会に出ることに対する当人の心構えを聞きたいだけです。
「責任があること。」一番多い答えです。
でも何に (誰に) 対する責任なのでしょう。学生は責任が無いとでもいうのでしょうか。
「給料(対価)を貰って働くこと。」
私的にはいい答えのような気もしますが、アルバイトだって報酬はもらっています。
もちろん正解があるわけではないのですが、会社員なら、教育を受けている間も給料は貰える。
つまり、会社はお金で社員の時間を買っているわけではなく、社員の将来に期待してお給料を払うのだと思って欲しい
というのが私的な答えなのです。
言い換えれば、「自分の将来や、成長に対して責任があります。」とでも応えて頂ければ嬉しかったわけです。
社員を使い捨てにする企業は世の中に沢山ありますが、私の会社は君の将来に対して投資する。 なんちゃって。
いえ、本気なのですが、
成長は自らの責任においてするもの。会社はそれ (成長までの時間) に十分投資しているのだということは案外理解
してもらえません。
若い社員の方から 「もっと教育を受けたい。」 という声をよく聞きますが、教育は与えられるものではなく、自分からす
るものとは思ってもらえてはいないようです。
Column127 2006/4/29 up
■ 雑談を制す
営業マンの皆様、
先日ご紹介した、話の流れをつかむ各種の方法。どう思いましたか。
相手のタイプを見極める方法も、結構簡単だと思っていただけたでしょうか。
とは言っても、常にそれを意識するのは疲れます。
正直言って、あの程度が疲れる方はきっぱりと営業マンは辞め、私のような総務マンにでもなったほうが良いと思う
のですが、まあ、今更、そんな裏方はいやだよという方にもう一つ、相手に自分の主張を印象づける方法をご紹介します。
タイトル通り、雑談を制するテクニック。
私のところに売り込みに来る方々は、よっぽど新米の営業マンでも無い限り、いきなり本題に入ったりしません。
何故でしょう。 そんなことをしても話が聴いてもらえない。そう思っているのでしょう。
前振りをして、私の興味の有無を確かめ、それから本題に入る。まあ、それが順当だと思っている方が多いような印象を
受けます。
でもでも、前振りをして、興味が沸かなければ、それで話は終わり。
そんなに暇ではないので、お引取りいただくしかないのが現実です。
それでも、ベテランそうな営業マンの方ほど前振りの雑談をしたがります。
実は実は、彼らは雑談の中に大事な主張を忍ばせているのです。
例えば、ゴルフの話題。
「長いお付き合いのお客さんでゴルフ一筋の方がホールインワンをしたのですよ。 保険に入っていたので助かったらし
いですよ。」
この方は損害保険会社の営業マンではありません。 さあ、どんな主張があるか分かりますか?
そう、賢いあなた。
「私には、長くご愛顧いただいているお客様がいる。」という主張が隠れているのです。
判り易くするためのつまらない例ですが、
あくまで話題はゴルフなので、本当にホールインワンだったのかなと思うことはあっても、この隠れた主張 「私には、長
くご愛顧いただいているお客様がいる。」をあなたの頭が否定することはありません。
ホールインワンの話をした営業マン○○氏はお客様に信頼されている というイメージが自然と残るのです。
この自然に残るという部分が雑談ならではなのです。
嘘だ。
そう思う方は、何故かあなたが話を聴いてしまうような営業マンの方がいたら、 その方との会話を思い出してみてくださ
い。 思い当たる節があるはずです。
いつも言うように、あなたに優秀な営業マンに成れと言っているのではありません。
色々なヒントの中で、あなたに合うものを見つけて、 あなたの主張を相手にきちんと伝える方法として役立てて欲しいの
です。
前向きなあなたを応援しています。
Column126 2006/4/28 up
■ 学んでもらう
今ごろ、皆さんの会社の新入社員の方々は色々な研修を受けたり、先輩から仕事を教わったりと忙しくしているのでは
ないでしょうか。 一日、一週間があっというまに過ぎていく。そんな感じなのだろうなと想像してしまいます。
3ヶ月もすれば、色々詰め込まれて、ちょっとは一人前に近づいていることでしょう。
私も総務マンであると同時に人事マンでもありますので、自分の会社の新入社員の指導計画を配属先から提出しても
らってチェックしたりもしています。
そんな中でちょっとしたことに気付きました。
新入社員に我々がやろうとしていることは、ティーチングであってコーチングではない。
つまり、色々なことを一方通行で文字通り詰め込んでいるのであって、その仕事の必要性を考えさせたり、どうやれば
うまく処理できるかを工夫させたりは決してしません。
仕事以前に社会人のイロハもわからない状態ではそれが最適な指導方法。のような気もするのですが、 彼らがその
後どうやって育つのか、また育った結果としての先輩社員をみると若干の疑問が浮かびます。
現実として、5年たっても、10年たっても、自分で考えない、ただ処理をしているだけという社員が大勢いるような気が
します。
30代の社員が何の工夫もなく、毎年毎年同じ仕事をしている。指示がなければ動けない、そんな印象を受けます。
そんな原因が、新入社員としての原体験にあるような気がするのです。
かと言って、新入社員に何を考えさせ、何を工夫させるのかと考え出すと、教える側の先輩社員も相当の労力・知力
を要します。 まずは、「教える」 から 「学ばせる」 に先輩社員の側の考え方を変えさせる。
そこがスタートかななんて思ったりしています。
ちなみに私の勤務先ではほぼ全ての管理職がコーチングの研修を受けています。
双方向のコミュニケーションや、相手に考えさせることの重要性を認識している社員は大勢いるわけです。
でも新入社員や入社数年の社員の指導を任されているのは管理職ではなく、先輩社員の方々なのです。彼らこそ、
コーチングを学ぶべきかなとも私は思い始めてきました。
恐らく次のターゲット。まだまだ私のやることも色々ありそうです、
Column125 2006/4/27 up
■ そこにいることに意義がある
もうすぐGWですね。
とはいえ、私の勤め先では、5/1,2は出社です。
以前は休みだったのですが、お客様が働いているかもしれないのに休むのはおかしいとのことで、数年前より出勤と
なりました。厳しい時代にちょっとでもお客様と接点を持つという考えです。
皆さんの会社はお休みですか?
休みの間の休みを繋げて休むことをフランス語でリエゾンと言うそうです。
学生時代のフランス語の講師が、来週はリエゾンにするなんてよく言ってました。
そういえば、風が吹いたら私は休むなんて講師の方もいましたねえ。
〆〆〆
社員のリフレッシュ、お客様に対する平常体制。どっちをとるかは経営者次第ではありますが、
まあ、旅行が一番高い時期に、旅行に行くこともないので、有給休暇を取らせてもらったほうがいい。そんな考え方も
あるかもしれませんね。
でも、総務マンにとって、GWに休めない会社で1週間の有給休暇なんてとっても無理です。
総務マンは、出勤して非常事態に備えてこそ存在意義があるという指導を長い間受けてきたので、部下にリフレッシ
ュ目的の休みを奨励しても、自分が休むことは少ないのが現実です。
でも、GW中の出勤日は、電話も少ないし、仕事がし易いのは事実。まあ、社内調整しようとしても、相手が休みのこ
とが多いですが、社内食堂も空いているし、しかもたった2日の出勤で次の休み。いいことずくめ(?)です。
と自分を納得させていますが、
TVを見ても、食事に行っても、買い物に行っっても、多くの方が働いていない時に働いている方は大勢います。
大きな成果を上げたかどうかではなく、 その時間、その場所にいて人々の生活を支えていることに存在意義がある
職業は沢山あるのです。
総務マンとしての私も、そんな気持ちをモチベーションの源泉としております。
もちろん、いい年令になった今の立場ではそれだけでは許されませんので、企業としてのモチベーション向上やリス
ク管理の強化、事件事故対応等仕事は総務マンの仕事は色々あるのですが、我々がいるからこそ、社員が安心し
て働ける。は私の行動の重要な軸なのです。
コーチングやリーダーシップに関連した書物や発言、投稿等をみると、個人やチームの 「能力」 や 「成果」 を重視し、
その向上を動機付けとしたものが多いような気がするのですが、成果にはこだわらないこと、しかし前向きではあるこ
と。私はそれも重要な価値観だと思っています。
例えば、成果を目的とした成長を部下に強いるのではなく、成長を奨励し、その結果としての成果をともに祝うことの
ほうが私の考え方にあっているような気がします。
だって、相手がそこにいることで既に意義があるのですから。
なんか今日は自分に対する言い訳めいてきたのでここまでにします。
Column124 2006/4/25 up
■ 病気はストレスに関係している
病気のほとんどがストレスに関係している。そんな記事がありました。
うーん。そうかもしれないなあ。まず、そんな風に思いましたが、じゃあ風邪もストレスが原因なのか、などと思いもし
ました。 前にも紹介しましたが、毎年、秋口に風をひき、春先まで治らない私も、今シーズンは昨年8月に夏風邪
をひいて以来全く風邪をひいていません。
ストレスがなくなったのか俺は! ・・・・ そんなことはないでしょう。
きっと、この冬の寒さや、今まで以上のストレスが、私に風邪に打ち勝つ気力を与えたのだ。そんなふうに思っていま
す。 そういえば最近、口内炎も出来ないような気がします。
つまりは、病は気からということです。(おー短絡的な決め付け。)
ということは、逆説として、ストレスは病気を悪化させる。それも正しいのかもしれません。
では、暑さ、寒さもストレス。仕事のつらさ、人間関係の難しさもストレス。
やはり、すべてのストレスは病気の原因なのでしょうか?
コーチングにはストレスをコントロールするという考え方があります。
火事場のバカ力なんて言葉があるように、ストレスをうまく使うことで、普段以上の力を発揮できる場合があるのは確
かです。 適度な緊張が、仕事の効率を上げたという経験は誰にでもありますよね。
もちろん世の中には、ストレスに強い人と弱い人がいます。仕事上のストレスといっても、人によって受け止め方が大
きく違う場合もあります。
でも、最近の私の場合、つらい思いをした時に、いやだなあと思うところを、よし今日は耐えられたと思う習慣をつける
ことで、心がリラックスすることにつながり、ストレス耐性が強くなっているような気がします。それが私のストレスコン
トロールだと思っています。
但し、
気持ちの切り替えは、人に言われて出来るものではなく、自分からやってこそ効果があります。
生兵法は怪我の元ですので、現にストレスを感じている方は、何かリフレッシュできることを見つけて気持ちを切り替
えることをお勧めします。
健康のため、ストレスとの付き合いには注意しましょう。
Column123 2006/4/24 up
■ ゆとり教育って何?
学ぶ意欲やコミュニケーション低下への危機感。
このサイトにはぴったりの背景から、中央教育審議会では、読解力、表現力を高めるための「言葉の重視」、知的
好奇心の育成に向けた「体験の充実」を基本的考え方とした報告をまとめたそうです。
目的は小中高の学習指導要項の見直しです。
もちろん、 最近話題となっている他国と比べた学力の低下が大元の背景となり、授業数の増加を大前提としてい
るのですが、ここ30年ほど続いた授業数減によるゆとり教育からの転換を図りたいようです。
でも、そもそもゆとり教育って何だったのでしょう。
「詰め込み教育」に対する言葉としての「ゆとり教育」だったような気もします。
でも、子供は塾に通って色々詰め込まれていることには変わりはなかったのです。
このサイトは教育問題のサイトではないので、コミュニケーションや前向きさ(≒自主性≒学習意欲)を中心に考え
てみても、マイナス効果が強い教育が続いているような気がします。
与えられたことをこなす。だまって黙々と勉強する。
そんなことが常に求められる教育が続けられてきたような気がします。
小中高12年間の長い間に強いられた習慣が、コミュニケーション下手、指示待ちの癖に自己中心という性格や行
動を刷り込んでしまい、企業に入ってからコミュニケーション教育が必要になる という図式を生み出しているような
気もします。
こうした原因を考えれば、コーチングを始めとするコミュニケーションはまだまだ流行ると思いますよ。
コンサルタント文化 (顧問弁護士、セラピー 等も含め) が定着したアメリカのように個人がコーチをつけるというよ
りは、企業が導入するという形が主流のような気がしますが。
Column122 2006/4/22 up
■ 新入社員の質問
「何故、うちの会社の始業時間は他社より早いのですか?」
新入社員の業務日誌(指導担当者との交換日記のようなもの)に記載された質問です。
確かに8時30分は、同業他社と比べてしまえば早いほうなのかも知れません。
しかし、そんなことを思いもしなかった私には2つの観点で新鮮でした。
まず、第一の観点、
長い会社人生の中で、私自身が自社を基準に物を考えることが当たり前になっていたたということに気付いた。
そして、第二の観点、
何故、この新入社員は他社と比べる必要があるのか、
つまり何故、うちの会社は何故8時30分始業なのか? ・・・・と質問ができなかったのか?
他社より早いという表現における「より」は、「良い」もしくは「悪い」のどちらかをイメージさせます。
今回の質問の場合は「悪い」イメージをこの新入社員が持ったことを感じさせます。
「何故、他社は9時始業なんでしょうね?」 と言った場合と比べてみて下さい。
深読みし過ぎではありますが、「もっと遅くてもいいのに」 と言いたいのではと想像してしまいます。
〆〆〆
実は昔は9時始業だったのが土曜が半ドンになって8時45分。
月2回休みになって8時30分。
土曜全休となって終業が5時から5時15分にと変更されたのです。
えっ半ドンって何?・・・・・ そんな若い皆様。
半ドンとは半日勤務。ドンとは大昔(って第2次大戦前)のお昼を知らせる大砲の音をもじってドンと言ったようです。
でも、幾ら私だってそんなに年寄りではないので、土曜の一日勤務は知りません。
〆〆〆
話は、戻りますが、
客観性を持つために他社と自社を比べることは必要なことです。
でも、他人と自分を比べて、自分を嘆くような思考には賛成しかねます。
まず、自分とは何か?という考えを持ち、自分の能力や行動をしっかり認識した上で、他人と比較する。
同じように自分の会社をきちんと理解した上で、他社と比較するような観点が新入社員を伸ばしていくのだと思って
います。
もちろん、物の考え方は人それぞれ、多くの視点があって良いはずです。
でも、一人一視点ではなく、色々な視点を持てる社会人に育ってもらいたいとの思いが私にはあります。
Column121 2006/4/20 up
■ 新入社員の意見を聞き入れる
今回も日経産業新聞の記事からです。(いつも題材としてお世話になってます。)
最近TVCMも流し、伸びている感じの人事コンサル会社リンクアンドモチベーション社の調査によると、今年の新入
社員が上司、先輩に求めることの第一位は、「意見を聞き入れてくれること」だそうです。
新聞記事の見出し部分の表現では 「助言するより意見を聞いて」 となっていましたが、アンケート結果では、「聞い
て」 ではなく 「聞き入れて」 となっていました。
これは実は大きな違い。
新入社員の言葉に耳を貸すのは大事なことです。でも皆さん、新入社員の意見を聞き入れられますか?
もちろん、内容によりますが、新入社員がいきなり仕事上の意見を言って、上司、先輩がそれをを聞き入れるのは、
コミュニケーションとはちょっと違うような気がします。
調査結果だけから考えると、新入社員が求めているのは、コミュニケーションではなく、わがままを聞き入れてくれ
ることなのではないかと想像してしまいます。
その他の上位項目には、
2位 「基準が明確、納得できる評価」、
3位 「自分の持ち味をおさえてくれる」、
4位 「役割、責任を明確にしてくれる」、
5位 「仕事の成果をほめてくれる」
等が並びますが、新入社員が本当にそんなこと考えているのかなという気がします。
どうみてもある程度仕事のできる社員の要望のような気がします。
今年の新入社員は、相当自分勝手か、相当優秀なのか なんて思ってしまいます。
アンケートって難しいものです。
選択肢によって答えを誘導することも出来ますし、本来知りたい情報が事実と相違する情報として形づくられて
しまうこともあります。
だいたいアンケートなんて真剣には書かないでしょう。
どちらかと言えば○○だ、というのは実は○○ではないと限りなく近いような気がします。
例えば、どちらかと言えば黒だ。というのは白ではない可能性はあっても、グレーであって、黒ではないのです。
アンケート結果では黒として扱われるでしょう。
コミュニケーションにおいて大事なのは、答えを選ばせることではなく、実際の思いを相手の言葉で確認するこ
と。 そんな考えを再確認させてくれる記事でした。
Column120 2006/4/12 up
■ 同僚からの嬉しい言葉
またしても、日経新聞に面白い記事がありました。題して、同僚からかけられてうれしい言葉は何か?
これもインターネットを利用したアンケート調査のようです。
実は以前、法人契約の窓口として私のところにも調査のメールが来ていたのですが、最近は何故か来ませんね。
今回の調査は60の言葉から選ばせる仕組みだったようですが、回答が男女別に集計されております。
● 男性が嬉しい女性からの一言
第1位は、「おはようございます」
第2位は、「お疲れ様でした」 「ありがとう」
第3位は、「お陰でうまくいきました」 「助かりました」
● 女性が嬉しい男性からの一言
第1位は、「お疲れ様でした」 「ありがとう」
第2位は、「おはようございます」
第3位は、「お陰でうまくいったよ」 「助かった」
どうです。簡単な一言ですよね。 しかも、男女とも順位は違えどほぼ同じ内容です。
この他に、「期待してます」 とか 「○○さんが褒めてたよ」 とか 「遅くまで頑張っていましたね」 とか 「頑張って」
というようなごくごく当たり前の言葉が上位に入っていました。
皆さん、この1週間を振り返ってみてください。 普段、同僚、後輩にこんな言葉かけてますか。
案外かけていないのではないですか。
ここで紹介された言葉のほとんどは、きちんとしたコミュニケーションの基本中の基本です。
相手がそこに存在し、活動していることを認めるごくごく基本の一言。それが嬉しいのです。
でも、あまりにも何気ない言葉なので、実は落とし穴もあって、言ったつもりが伝わっていないこともあります。言っ
たのと、伝わったのは違いますからねえ。 そんな方結構いますよ。 私の周囲でもゴロゴロしています。
このHPをご覧になったあなた。
せっかくですから本日は、相手の顔を見て、明るく、はっきりした口調で言ってみましょう。
「おはようございます。」 「ありがとう」 「お疲れ様でした」
これだけであなたの周囲の雰囲気が変わるかも知れません。
Column119 2006/4/9 up
■ 新入社員への社長訓
さすがにこの時期、新聞等において、大手企業の入社式における社長訓示の記事が目立ちます。
「自分の行動に責任を持って欲しい。」から始まり、
「世界に目を向けて欲しい。」
「改革者になって欲しい。」
「柔軟な発想と行動力が必要。」
「真のプロフェッショナルになって・・。」など様々です。
中には、時代を反映して、「法令を遵守して」とか「信頼回復」というものもあります。
しかし、しかし、色々目にするにつけ私の頭には「?」が浮かび、しまいには「?」で一杯になってしまいました。
錚々たる経営者の方々の訓示のほとんどは、実際の言葉は違えど、○○ して欲しい と 「欲しい」 がつけられる
内容なのです。 つまりは要望です。
前途洋々な若者達にハッパをかけ、頑張って欲しいという期待を文字にして、それを読み上げると 「要望」 になっ
てしまうのでしょう。
それは、会社やトップの期待する形を示すものでしかなく、若者の多様性と成長の方向性の自由を認める気持ち
が微塵も感じられません。
例えばトップが 「心を一つにして困難を乗り切って欲しい」 と社員、特に新入社員に言ったとして、それで心が一
つになるなんて、皆さんは思えますか?
多くの企業のトップが今だそんな発言をすることに日本企業の危うさが見えます。
ちょっと大袈裟なんですが。
皆さんが、企業のトップならどんな訓示をしますか?
皆さんが、新入社員ならどんな訓示が心に残りますか?
Column118 2006/4/7 up
■ 相手に望むこと
日経新聞の記事にて、夫が、妻が相手に望むことをインターネット調査した結果が掲載されていました。
@ 夫に望むこと第1位は、たばこをやめて欲しい。
A 妻が夫に望むこと第1位は、片付け・整理整頓をきちっとして欲しい。だそうです。
まあ、よくありそうな内容です。 しかし、私が興味を持ったのはもっと別な内容です。
B 頑固で自分の考えを曲げないのをやめて欲しい。(夫に望む2位、妻に望む5位)
C 間違えたら素直にあやまって欲しい。(夫に望む3位、妻に望む2位)
D 口うるさくあれこれ言わないで欲しい。(妻に望む3位)
うーん。どうですか?
どう考えても、あなたが周囲の方々に望んでいることと一緒ではないですか?
もちろん、人によって周囲の方に望むことは違うのでしょうが、両者の1位 (@、A) も私が周囲に望むことなので
す。 (まあ@とAの内容は両方とも態度ではなく行動なのだと思いますが)
ということは、
あなた自身もB、C、Dの態度を改めれば、周囲の方々からだいぶ好かれるのではないかと予想ができます。
(ちょっと強引ですが。)
そして、この3項目は、相手の考えを受け入れることさえ出来ればなんとかなるような内容です。
どうです。やってみませんか?
それが出来れば苦労しない。うーん。そうとも言えますが。
Column117 2006/4/6 up
■ ニートとフリーター
とある業界誌の受け売りですが、
最近増殖しているニート、フリーターは、人類文明進歩の証であるそうです。
〆〆〆
人々が貧しい時代は、子供は立派な労働力。物心がつくと働かされていました。
また、時と場所によっては、手が動かせるようになれば、親の仕事の手伝いをするのは当たり前だったわけです。
それが今の日本では、20代も半ばを過ぎて、勉強するわけでもなく、のほほんとアルバイトをしていればいい方々
が大勢いるというのは、決して嘆かわしいことではなく、むしろ歓迎すべきである。
〆〆〆
・・・・ という記事です。
勿論。賛否両論あるでしょう。 でも、物の見方、考え方は色々あるという証拠でもあります。
皆さんは、ニートとフリーターという言葉からどんな想像をしますか?
私は、決してマイナスイメージではなく、モラトリアムという言葉が浮かびます。
自分の将来を決めかねている方々への猶予期間。
もちろん、そんな余裕の無い方は世の中に大勢いますので、
職業はと聞かれてフリーターですと答えたり、だらしのない恰好をしている方を見ると気分が悪くなることもありま
す。
自分の将来へのモラトリアムは、自分の責任へのモラトリアムでもあるし、
まあ、人類文明の進歩かどうかは別にしても、自己責任においてニートやフリーターである限り、人に迷惑をかけ
たり、不快感を与えなければ、どうでもよいことなのですが、自分の子がニートな親はちょっと悲しいかもしれませ
んね。
Column116 2006/4/5 up
■ 直感に従う?
日経産業新聞を見ていたところ、コーチ21の伊藤社長の筆による「直感」に関するコラムがありました。人に初め
て会った時に、こんな人だと感じる直感が大切というような内容でした。
実は私も直感を信じています。
とある国家試験問題を勉強した際、4択の試験問題でどうしても一つを選べないとき、何故か最初に選んだ回答が
正解である率が極めて高いことを発見したのです。
偶然?そうではありません。
4つのうち2つには絞れるのですが、残りの2つのうち、考えれば考えるほどどちらが正しいか判らない。そんな時、
常に最初にぴんときた解答が何故か正しかったのです。
まあ、実際には、この試験の出題傾向が似ていたからなのかもしれませんが、10年分の過去問すべてにその傾
向があり、本番でも全く同じでした。
でも、直感って何なのでしょう?
超能力? ある意味そうなのかもしれません。
但し、超常現象や占いの類ではなく、人間が本来持っている危機回避能力や第六感のようなものなのでしょう。
つまり誰でも持っている。
直感について、私が重要だと思うのは、直感とイメージをごっちゃにしないこと。
初対面のイメージ=第一印象は、作られたもの=余所行き=外面=一部分 である可能性があります。
また、第一印象では愛想が悪くても、一緒に仕事をしていれば気が利く仕事をする方も結構いるものです。
このイメージをその方の全てと思うことは、レッテルを貼ることにもなり、その方の本当の良さが見にくくする可能
性があります。
私自身の場合、初対面のイメージと直感はどうしても混同しがちなので、できるだけ相手の行動を観察し、レッテ
ルを貼らないよう注意していますが、それでも会って間もない方には、ついついレッテルを貼りがちです。
前述の試験問題以外では直感が弱いのかも知れません。
皆さんは直感を信じますか?
Column115 2006/4/4 up
■ 自分のリーダーシップスタイル
一日か半日くらいのコーチングの入門研修に参加して、けっこう目から鱗の落ちるような体験をした後に、職場に戻
って試してみるとどうしてもうまくいかない。やっぱり、プロのコーチじゃないとだめなのか?
・・・・そう思う方って結構おります。
何故うまくいかないのでしょう? 理由は沢山あります。
例えば、
相手の話を積極的に聴く。という単純かつきわめて入門的なスキルを思い出して下さい。
そんなこと、いつもやってるよ。だいたいの方はそんな感情からスタートします。
しかし、じっと我慢して相手の話を最後までは聴けないのです。
双方向のコミュニケーションをしてみようと2人きりで向い合うのですが、
大概は、つい 「それって○○なんだろ。」 とか 「結論は何?」 と口を挟みます。
それでいて、どうもコミュニケーションがうまくいかない。となるのです。
また、相手に自分で考えさせるための質問をしようとして、
「君はどうしたいの?」 「やりたいことはないの?考えはないの?」 と質問攻めにしてしまったりします。
どちらも、本人はコーチングをしているつもりですが、相手の立場には全くなれていない。
あくまで、自分を中心に考え、行動しているだけで、相手を中心にものを考えようとはしていないので、相手からは、
尋問にあっている。無理やり考えさせられている。質問攻め(責め)にされている。としか思われないのです。
これでは、何十年経っても双方向のコミュニケーションは始まらないし、コーチングって役に立たないという考えしか
持てません。
うまくコーチングを行うためのヒント。それは数行前に出ています。
そう、相手の立場になって思考することです。
どうしてもそれが出来ないのなら、いわゆるコーチングは諦めたほうがいいでしょう。
コミュニケーションやリーダーシップのスタイルは世の中には色々あります。
コーチングスキル以外に、自分の性格にピッタリの方法を探せばいいのです。
しかし、しかし、私自身は、コーチングを「相手の自発的行動を引き出すコミュニケーション術」という狭い括りでは
考えておりません。
「自分、もしくはチーム (自分と相手) に客観的視点と前向きな感情をもたらすための行動」 といったところでしょ
うか。
ぐいぐい相手を引っ張っていく性格の方は、わざわざその性格を変えるような面倒くさいことをするよりも、正しい
方向に引っ張っていくこと、共に成果を味合わせてやる気を引き出すことを考えたほうが良いかもしれません。
また、しゃべるのが得意な方は、交渉術として特技を伸ばしていくのがBESTかもしれません。
いずれにせよ、大事なのは自分を正しく知ること。そのために、自分自身を客観的に見つめることです。
Column114 2006/4/2 up
■ 新入社員はブログ型?
毎年、新入社員の傾向を分析している社会経済生産性本部の発表によると、今年の新入社員の傾向はブログ型と
か。 ちなみに昨年は発光ダイオード型、一昨年はネットオークション型。
毎年、はやりの言葉を利用して、新入社員の型を決めるのです。
どこが、ブログ型かと言うと、
全体的には大人しく従順な態度を示すが、叱られれば不満や自己主張を行う傾向があるとのことです。
また、親に大事に育てられたため他者の評価を強く気にし、打たれ弱いとのことです。
それって、ブログ型なのでしょうかと思ってしまいました。
まあ、ブログをやらない方から見れば、ブログをやる方は十羽一絡げにくくられてしまうのかもしれませんね。
経済情報誌を見ていると、時々ブログについて解説が載っていますが、曰くトラックバック機能を使って皆がつなが
っていくとか、つながりを通して効果的な商売が出来るという解説ばかりです。
どの経済誌を見ても書いてあることはほぼ同じです。
トラックバック機能って使われると迷惑だし、つながるのはゲストブックやコメントからのような気もするし、いいかげ
んだなという感じです。
実は、私の会社では毎年4月上旬に、新入社員を社会経済生産性本部の研修に送り出しているので、
その間のアンケート調査の結果によるものと信じていたのですが、すでに、アンケート結果が出ているということは、
別の方法で就職前の学生を対象に調査されたわけですね。
アンケート結果を説明に来てくれる社会経済生産性本部の方は、いつも一生懸命内容を説明してくれます。
ちなみに、今フランスを揺るがしている学生運動の波。
1960〜70年代の学生運動を彷彿させますが、就職しても2年間は無条件で解雇できるなんて法案が通ろうとし
ていたら、日本の学生だったらどうするのでしょうね。
大人しさゆえ、過激なデモなんておこさないでしょうし、それこそネットに文句を綴っておしまいかもしれませんね。
そうそう、発光ダイオード型は、いい仕事をするが冷めている。
ネットオークション型は、企業の人気を集めるが、入社後に期待を裏切る。とのことです。
さあ、今年の新入社員はどんなでしょう。
明日は入社式。 私は司会もしなくてはならないのですが、彼らを観察してみたいと思います。
Column113 2006/3/30 up
■ うらめし桜
桜がきれいになってきましたね。我が家の近所では7分咲き。週末は満開かもしれませんね。
実は、本日は物事にはニ面性があるというお話。
もちろん私も、この時期は家族と桜を眺めに行きますが、桜と言えば美しいとしか言わない方には、時にあきれるこ
ともあります。 (決して皆さんを責めている訳ではありませんが。)
以前、会社に桜の木がありましたが、施設を管理する側からすれば、桜=毛虫というのが第一のイメージ。
更には手入れに苦労した記憶が甦ります。
実は、半地下の食堂の窓から見上げる位置に早咲きで有名な河津桜がかなり枝ぶり良く植わっていたのです。
毎年、3月上旬には夕方からの花見会を催したりもしていたのですが、なんせ、落ち葉が屋根の配水管に詰まった
り、毎年、毛虫が大発生したり、根っこが伸びて他の植物に害がでたりで苦労づくめでした。桜がさくのはせいぜい
半月から雨風がなくて1ヶ月。そのための苦労です。
建物を守るため、造園職人に枝を切らせたら、偉い方に怒られた記憶もあります。
確かに枝を切ると、部分的に枯れますし翌年は花が少なくなります。
でも、桜の枝と根は伸びる前に切るもの。それが出来ないのは一時の美しさに目を奪われた馬鹿者。私は今でも
そう確信しています。
もっと記憶を遡ると、庭のほとんど無い我が家にも桜の木があったのです。
父親が小さな桜を庭の端に植えたのですが、ぐんぐん伸びてこれも毛虫だらけ。住宅地なので消毒剤も気を使い
ながらそっと噴霧しただけでは効かないのです。
きわめつけは、私が会社に入った頃、大きくなりすぎて切り倒そうとしたら、家族にけが人が出たことです。1ヶ月以
上歩けないというかなり重症でした。
私は、街や公園で見かける桜が綺麗なら綺麗な程、管理している方は苦労しているだろうなあと思ってしまいます。
皆さんはどう思いますか、単に綺麗に思ったり、春を感じたりするだけですか?
物事には二面性があるのです。間違いありません。
ちなみに、会社にあった私の管理していた河津桜は、社屋の建替え時に取引先の某ホテルの敷地に移植され、今
でも枝ぶりの良さを誇っております。
私も時には見に行きますが、昔、私を怒った方も今では亡くなりそういう面でも懐かしいかぎりです。
Column112 2006/3/25 up
■ イチロー 2題
<イチローの憤り>
良かったですねWBC。 プロ野球に全く興味のない私でも準決勝と、決勝は見入ってしまいました。
しかし、韓国戦に負けた時のイチローの落胆と憤りはすごかった。相手チームが頑張ったとかの賛辞もなかったで
すもんね。
しかし、イチローは何に腹を立てていたのだと皆さんは思いますか?
@ 自分がベストを尽くしていなかった。
A 自分はベストを尽くしたが、相手にかなわなかった不甲斐無さ。
B 監督の指導力の無さ
C チームメートがベストを尽くしていなかった。
D チームとしてのまとまりが今一歩で勝てなかった。
E とにかく対戦チームは気に入らない。
正解を知るすべは、本人に聴いてみるしかありませんが、彼が監督やチームメート個人を責めるようには思えませ
んし、その後の試合結果をみると、チーム全体としての能力が不足しているとも思えません。
まあ、勝手に考えてみると、
常にプロに徹している彼にとっては、持てる能力を本番で引き出してこそプロ。
彼が怒っていたのは、チームとしてのモチベーションが試合本番に最高潮に達していなかったこと、それによりチー
ムが本来持つポテンシャルを発揮できなかったこと、その原因たりえた全ての要因に憤っていたのかなとも思いまし
た。
逆に言うと、
チームとしてのモチベーションの波を本番で最高潮になるように運び、監督、選手がプロとしてのそれぞれの仕事を
確実にこなせば、どんなに強いチームが相手でも勝てる。
そこまでやれば、例え、少々の運が必要であっても天が味方する。
それがプロだとイチロー選手が思っているような印象を受けました。
私は、前述の通り、野球そのものや野球選手に全く興味は無かったのですが、憤っていたイチローが好きになりま
した。
続いて、
<イチローのコミュニケーション>
昨晩飲み屋で見ていたTVを見ていたところ王ジャパンの帰国取材が目白押しで、飲み屋店内でも色々論議が巻き
起こっていました。
なんで松坂がMVPなのかとか、松井や古田は出たくなかったんだよ、それはな・・・とか、にわか論客が大勢出現し
ている状況です。
その中で、イチローのインタビューが放映され、
メジャーでのプレイと日本チームでのプレイの違いは? との質問がありました。
イチローからは、
このチームでは2、3説明すれば10理解してもらえる。
でもメジャーでは、10理解してもらうのに15以上説明しなくてはならない。というような回答。
同じスポーツを志す同士であっても、言葉や習慣の壁は高いのだろうと想像できますが、
イチローは、そんな経験をすることで、コミュニケーションが十分に出来ることの重要性を誰よりも理解できているの
でしょう。
ニュースでは、イチローの性格が変わったかのような解説が多かったですが、
決して、変わったのではなく、日本チームで十分コミュニケーションしながらプレイできることが彼に積極的な感情表
現をさせたのだと 私は想像しています。
変わったと報道するのは、彼が自分のチームに戻って、再び黙々とプレーしてはいないと確認してからにすべきよう
な気もしました。 (まあ、実際変わったようには見えますが。)
〆〆〆
皆さんも、
仕事でも何でも、今、当たり前のように与えられている条件が、長期に渡って失われてみてはじめてその良さに気付
くのだということです。
たとえ厳しい状況であったとしても、
「○○と□□があるだけでも恵まれている。」 ・・・そんな思考も必要なのかもしれませんよね。
Column111 2006/3/22 up
■ 人のいなくなった街
あなたの住む街に人はいますか? あなたの働く街に人はいますか?
えっ、何のこと。
話は変わりますが、ブログを拝見したり、意見交換をさせていただいている方と初めて会った時って妙に話がはずん
だり、相手の考え方が手に取るように分かったりと、まるで旧知のような近親感を覚えます。
これって、お互いに親近感があるからいいのですが、例えばあなたがTVタレントやニュースキャスターに親近感があ
るからと言って、万が一あなたがそのタレントやニュースキャスターとお会いして会話をしたからと言って、相手はあな
たに親近感など全く持っていないはずです。
当たり前ですよね。 あなたは相手のある種の共感を持っているのに、相手はあなたと初対面かつ全くあなたのことを
知らないのですから。
双方向の情報発信・受信であるネットの世界というのは、一方的情報発信であるビジュアル (≒ここではTVやDVD
等の音声+映像のこと)の世界とは決定的に違うわけです。
ではでは、話は戻って、
あなたは自分という存在を周囲の方々に認められていると思いますか?
電車の中であなたの向かいに座った方は、あなたを一人の人間と認めていますか?
オフィスですれ違う方々はあなたの存在を意識しているのでしょうか?
あなたと大幅に年齢の違う女子高生がどうどうと電車の中で化粧をしている。
・・・・ それはあなたやその他大勢の大人を人間とは認めていないから出来る技(?)なのではないでしょうか?
あなたよりずうっと年上の役員があなたなど存在しないかのように廊下ですれ違う、たぶん次に会ってもあなたを覚
えてはいないでしょう。
・・・・ あなたを生きている人間、者を考える生き物とは認めていないからです。
あなたの住む街、あなたの乗る電車、あなたの働く会社にも、だんだん人の息遣いが感じられなくなっているのでは
ないでしょうか? この季節の満員電車のムッとする臭い熱気は別として。
そこで、冒頭の質問に戻ります。
あなたの街に人はいますか?
いっそのこと、電車の中や、会社の中でも匿名で通信できれば面白いのに。なんて思ってしまいます。
Column110 2006/3/20 up
■ 蟻のように従う?
「すべての命(めい=命令)を命のままになす必要はない。己の才覚でなせば良い。」
昨晩のTV「巧妙ヶ辻」での秀吉のセリフです。
信長の命のまま比叡山の信者を皆殺しにせず、勲功が与えられなかったことに対して部下の前で自分に言い聞かせ
るように叫んでおりました。
うーん。最近見たTVで、最高のセリフですね。全てのサラリーマンに通じる言葉です。
自らの判断力を信じ、正しいと思うやり方を通す。・・・・サラリーマンにとっては夢のような話かもしれません。
中々できないですよねえ。
でも、戦国の世のサラリーマンとも言える秀吉のセリフとしては最高です。
もちろん、このセリフも脚色の一つなのでしょうが、自らの信じる道を歩むことが成功の道と言いたげなセリフなのです。
そもそも、私たちの日常では、「自ら信じる道」そのものが無いかも知れません。
会社のやり方に従って行動するうちに自分のやり方なんてものは無くなってしまったような気もします。
それにしても、会社のやり方って、一体誰のやり方なのか などと思うこともしばしばあります。
誰もが前例に従い、同じような判断基準で行動していると、何か、同じような方向に向かって整然と行進している集団
の中にいるような錯覚におちいってしまいます。 ・・・・ 蟻みたいに。
常に正しい方向に進んでいるのなら良いのですが、企業によっては、皆で揃って道を外れたりすることもあるでしょう。
全ての命令をそのまま実行するのではなく、自分の考えで行動する。
私の会社にも布教したいと思います。
Column109 2006/3/19 up
■ 行く人、来る人
歓送迎会シーズンですねえ。 行く人来る人って感じです。
今月は私も5回くらいの歓送迎会の宴席に出席する予定ですが、それでも今年は少ないほうです。
同じ方に対して違うメンバーで複数開催されていたのが減ったり、若干距離のある知り合いだと声をかけなくなったり
と、私の周辺ではセレモニー的集まりを縮小させる傾向が顕著ですね。
ところで、皆さんどんな言葉でお世話になった方々を送りますか?
もちろんオーソドックスなのは、「お世話になりました。」 とか 「今後もよろしく。」 とかですよね。
私は 「ご指導のお陰で成長させていただきました。」 かな。
送られる方の中にも、会社に不満がある場合など、
「会社に勤務して○○年、いただいたのは□□周年休暇だけです。」 とか、
「お陰様で、平にて定年させていただきます。」 なんて冗談とも本音ともとれる挨拶をされる方がいたりもして、笑っ
ていいのか、怒っていいのか、はたまた同情すべきかと迷ってしまいます。
でもまあ、今生の別れではないにしても最後ですから、
「色々お世話になりました。 (+ご恩は忘れませんという顔で(口には出しませんが)) 」
「僕のほうこそ、君に色々助けてもらったよ。」 ってな調子でお別れしたほうが、後々気持ちが良いですね。
特に定年したり、卒業、転職等別な世界で、第二の人生を歩まれる方に対して、自分はこの会社、この部門で役に
立ったのだと思い、次も頑張ろうと思えるような言葉をかけたいものです。
えっ困った方だった場合。
・・・・・・ 「バイバイ」 という気持ちで「お世話になりました。」と言えばいいでしょ。
新しくいらっしゃった方にも、 頼りにしてますよ。 とか一緒に頑張ろうよ という気持ちが伝わる挨拶をしたいもので
すね。
でも、そんな挨拶も満足に出来ない方々が身の回りに増えているのは確かです。
ちょっとずつですが、世の中ぎすぎすしてきたなという感じがします。
皆さんはそう思いませんか?
Column108 2006/3/16 up
■ 再雇用のモチベーション
高年齢者雇用安定法。ご存知ですか?
企業は4月から、定年年令を引き上げるか、定年者の再雇用を行うか、定年制そのものを廃止し、高年齢者の雇用
確保に努めなければならないという法律です。
公的年金の支給開始年令引き上げに合わせて段階的に65才まで、引き上げる定年や再雇用限度年令を見直さな
くてはなりません。
各企業に大量にいる団塊の世代が定年に差し掛かっている現在、即戦力の確保とみれば、企業側にもメリットは十
分にあるはず、とも言えますが、まあ、60才過ぎてもモチベーションを維持してもらうことが、このメリットを企業が甘
受する最大の要点ではないかと思います。
やる気の無い方が大勢、もう5年間も会社にいる。もし、そんなことにでもなれば目も当てられません。
企業によっては、その分新入社員を雇用する原資が不足することもあるでしょう。
対象者をやる気や健康で選別する為には、企業としては定年延長をするよりも、再雇用制度を採用するほうがいい
のでしょうが、評価や健康のどこで線を引くのか、そもそも後々問題にならない客観的評価なんて出来るのか?
なんて問題も多いようです。
役職者を増やして、頭でっかちで新陳代謝の無い組織にする分けにもいかないし、仮に、今まで役職者だった方を
平社員にした場合、モチベーションなんか期待できるのかという気もします。
働けるだけでもありがたい、今まで会社にお世話になった分、会社は若い方々に奉公したい。なんて殊勝な方もい
るでしょうが、そう多くはないでしょう。
ここ数年間で、この制度の対象となって雇用が延長される世代は、社内でコーチングを導入しようとして、もっとも
拒否反応を示した世代そのものでもあるのです。
「お前ら、俺の背中を見て学べ!」 「マニュアル?そんなもの作れないよ。ノウハウは俺の頭の中に詰まってるん
だ。」 ってな世代なのです。
〆〆〆
これからずっと続く雇用延長制度をうまく持続させるためには、雇用が延長される方々のヒアリングを頻度、質とも
に十分に行い、どんな形で仕事をしたいのか、どんな形で会社に貢献したいのかを彼らの頭の中で、明確なイメー
ジにしてもらう必要があるような気がします。
そう、彼ら自身が成り得なかった社内コーチみたいなものを、彼ら自身に付けていく必要があると思います。
雇用延長はモチベーションの戦い。私はそう位置付けています。
皆さん、どう思いますか?
Column107 2006/3/15 up
■ リフレッシュな「ほぼ日」
「ほぼひ」と読めばいいののでしょうか? それとも 「ほぼにち」 か? (正解は「ほぼにち」でした。)
よく判りませんが、極めてお手軽なリフレッシュ方法を発見しました。
糸井重里氏主幹の 「ほぼ日刊イトイ新聞」 なるHPのサイト内にある 「言いまつがい」 というコーナーです。
昔 (それも相当昔)、中高生時代に聞いたラジオの深夜放送の投稿コーナーを彷彿させるような日常的面白出来事
の投稿紹介。ただそれだけなのです。
内容から察するにOLの投稿が多いようですが、読んでいて笑いっぱなしです。
内容的には、言い間違いというよりは「勘違い」の部類。しかも身近なことばかりです。
一言で評するなら臍 (へそ) が茶を沸かす内容。
〆〆〆
でも実は本題はこの後なのです。
同じく 「ほぼ日刊イトイ新聞」 内のコーナーを一冊にまとめた、山田ズーニーさん著の 『大人のための小論文』 と
いう本が面白いという話を聞いて、HPを探していて、「言いまつがい」 を見つけたのです。
でも、肝心の山田ズーニーさんのコラムorコーナーは見つからないですねえ。
・・・・・ 不思議。 どうも昨年で連載をやめたような雰囲気です。
ともかく、書店で 『大人のための小論文』 発見。
本の内容から察すると、実は、小論文の書き方が書いてあるわけではなく、自分の考えを明確にしてきちっと主張し
ていこうよというような、投稿者へのアドバイスを目的としたコラムだったようです。
実にアサーティブ。つまり、「自分に正直で、積極的な意志」を作る内容です。
書店では、論文のコーナーにあったけど、若干はてなですね。 でも購入しました。役に立ちそうですから。
〆〆〆
ちょっとだけ内容をご紹介すると、
例えば、自分の文章に 「主語」 はあるのか? という問いかけ。
この文章の3行前の 「役に立ちそう」 の主語を考えてみようというような内容です。
また、さんざん愚痴っている息子にオカンが一言 「寂しいのね。」 ・・・・ これこそ要約。
言いたいことは簡潔にというクダリです。
最近続編というか2巻目も発売されたようです。
Column106 2006/3/13 up
■ 新しい季節に備えて
なんといっても、もうすぐ4月です。近所で桜の咲いている場所はまだないのですが、場所によってはそろそろ咲き出
しているところもあるでしょう。
となれば、新入社員の季節。 1年目の社員は2年目になるし、後輩が来るかも知れません。上司の方にとっては、
新しい部下が来る季節でもあります。 力がみなぎる新しい季節です。
3月決算なら、新しい年度のスタート。
半年で目標を立てている方にとっても、ちょうど折り返し地点でもあります。
気持ち新たに春を迎えるも良し。十分に準備をして新人を迎えるも良し。
さあ、何かをやってみようという季節だと思いませんか?
実はこの季節、新しい職場、新しい学校等、今までとは異なる環境に飛び込まなければならない方とってはツライ季
節でもあります。今までの慣れは通用しないし、自分流のやり方が矯正されたりもします。逆らって自分のやり方を
押しとおせば、変な奴と思われたり、協調性の無い奴とレッテルを貼られかねません。
新入社員にとっては理想と、現実が違うのだと思い知らされる時期でもあります。
新しい季節に新しいメンバーを受け入れる側の皆さん。
是非、新しいメンバーにレッテルを貼らずに、彼らが新しい環境に溶け込めるように誘導してください。
新しい環境に飛び込む皆さん。
是非、柔軟な気持ちを持って、新しい環境の色々な出来事を受け入れて下さい。
まずは、
お互いが、相手にレッテルを貼らずに、相手の発言にしっかり耳を傾ける。
相手の行動、目の前に起こる出来事をレッテルを貼らずに、出来るだけしっかり観察する。
それだけで十分です。
そんな行動が相手に安心感をあたえるとともに、自分に余裕を生み、自分を見失わないことにつながるのだと思い
ます。
もうちょっとだけ何か努力したいのなら、
受け入れる側、新人の側とも 第一印象を大事にすること。
だらしない格好、やつれた様子。強引な言動。・・・・ そんな第一印象は、本人の本当の姿では無かったとしても、
相手の記憶に残ってしまうものです。
例えば、清潔感、きりっとしたたたずまい、にこやかな表情、声のハリ。
見た目なんてどうでもいいなんて言わず、ちょっとだけ努力してみて下さい。
相手の記憶の中に、あなたの良いイメージが第一印象として残り、それが良い意味でのあなたのレッテルとなる
のです。
ほんのちょっとの努力で、あなたと人との関わり方は変わりますよ。
Column105 2006/3/12 up
■ 三寒四温
ここのところ暑かったり、寒かったりで、体調をくずず方が多いようです。
会社では休む方が多いし、電車でもゴホゴホやっている方がかなりいます。
しかし不思議なことに、ゴホゴホやっている方に限ってマスクをしていなかったりしますので、帰宅すると、きっちり
うがいして手や顔を洗っております。そんなせいか、夏風邪をひいて以来、相変らず風邪をひきません。
実は私は、例年、年がら年中風邪をひいているので、体質が変わったとしか思えません。
最近、白髪が急に目立ったり、突然目が老眼気味になったりとつらい年齢になってきましたが、風邪だけ考えれば、
健康になったというか、体質が安定してきたのかなとも勝手に思いをめぐらせています。
実のところ、昨年から生活習慣で何か変わったところがあるのではないかと考えてみたのですが、まあしいて言え
ば、アルコールを飲む頻度がぐっと減ってきたような気がしています。
この気候も、もう少しで暖かく安定してくるでしょう。
仕事での努力も、必ず、いい結果になって安定してくると分かっていればいいのですが、中々そうもいきません。
でも、コツコツ、目標を持って続ければ、三寒四温のように必ず好転してくるものと、私は信じています。
前向きに生きる。 そのこと自体が、最近の私の楽しみになっています。
Column104 2006/2/28 up
■ 上意下達
コーチングを社内に広めようと努力していると、時々耳にする言葉があります。
「なんで、部下にそこまで気を使わなければならないの。」 とか、
「問答無用でやらせればいいじゃないか。」 等です。
どちらも言いたいことは同じです。
相手の気持ちなんかどうでもよい。 まずは指示をしてみて、言ったとおり出来ないようなら、叱咤激励してやり
直させる。 そのうち覚えていくはず。 ・・・・ といったところです。
もちろん、そんなやり方が上手くいくことは多々あるでしょう。
相手が、何もアイデアを出せず、言われたことをやるのが精一杯ならピッタリ当てはまるのかも知れません。
・・・・ 例えば新入社員。
仕事経験のほとんど無い方に、あれもこれもやらせる必要があるのなら、
「取りあえずこの手順でやってみてくれ。」 と指示し、まずは仕事や会社そのものに慣れさせることも必要でし
ょうし、叱咤することで仕事の厳しさを理解させる効果も十分にあるでしょう。
でも、最近では新入社員でも、いい意見を持っている方が結構います。
社会や入社した会社のルールはほとんど知らなくても、企業でアルバイトをしたり、後輩を取り纏めた経験の有
る方は幾らでもいるのです。
全体最適でないとか、詰めが甘いとかいう部分があったとしても、10年選手の社員にだって同じような方はざ
らにいます。
大事なのは、相手に適切な指導方法を見つけることだと思います。
誰にでも叱咤激励する訳ではないし、誰にでも自分で考えさせる訳でもありません。
例えば、自分で考えさせるにしても、どうやって考えさせるかが重要です。
「君に全部任せたよ。」 と極端な上司の方もいますが、
「この目標を達成するのに障害になることが、何かあるかな?」 と思考を促がすやり方だってあります。
また、部下に任せたと言いつつ、上司が一から十まで修正しているようでは、どう考えても部下のやる気が失
せるでしょう。
きっと、
あなたは、どんな部下でも上意下達・叱咤激励で従わせるのか と質問すれば。皆、そんなことはないと言う
でしょう。
でも事実として、どんな部下でも上意下達・叱咤激励で指導している上司の方は結構います。
世の中の上司の方全てにレッテルを貼るつもりはありませんが、
例え、自分は部下をきちんと指導していると胸を張って言う上司であっても、
やはり、相手の行動を十分に観察して、適切な指導方法を考えるという視点が欠けている方が多いのです。
そんな方々にコーチングスキルを使えと言っても難しいのですが、
100人の上司の方がいれば、そのうち20人くらいは進んでコーチングを学んでくれるでしょうし、60人くらい
の方は、うまくその気になれば、コーチングスキルの幾つかを試してくれるはずです。
そんな気持ちで、まだまだ上意下達の世界にコーチング文化を広げる (布教する)つもりです。
Column103 2006/2/26 up
■ 見える化って何?
荒川選手やりましたね。コーチングを活用していることをご紹介した村主選手は4位とちょっと残念でしたが、
「見える」 結果を出すというのはまあ、今回のトリノに皆さんが待ち望んでいたことでしょう。
最近この「見える」 と言う言葉が流行っており、雑誌などでも生産ラインの見える化や、業務全般の見える化
が業務効率を改善することが紹介されていますが、この場合は、オリンピックの「結果」の見える化とは異なり、
「プロセス」 の見える化です。
実は、我々の身の回りには沢山、見える化の例があります。
例えば、スピードメータ。
現在の走行状態の見える化です。安全運転のためには必要です。多くの方は、車にスピードメーターは当た
り前だろ。 と思うかもしれませんが、少なくともアナログの時代の2輪のレースマシンにはスピードメーターな
んて無かったんですよ。
その頃、最低必要だったのは、回転計(タコメータ)。
エンジンの出力が最も出る回転数になっていることを確認するのと、ギアチェンジのタイミングを計るのに必要
な「見える化」 なのです。 (今はコンピュータ制御なので、重要性は薄れていますが。)
また、仕事で使われる方も多いQC。
その言葉を聞くだけで、つらい資料作りとディスカッションの記憶がよみがえる方もいらっしゃるかもしれませ
んが、現状把握のために使われるQC七つ道具は、明らかに「見える化」 の好事例です。
そう、「見える化」 は生産ラインの効率改善だけのものではないのです。
一時期、CS(顧客満足)の事例として話題となった、千葉県のI ゴルフ場のお客様の意見カードも、お客様の
声=自分たちの仕事へのフィードバックという「見える化」 なのです。
今後、他の事例も調べてみますので、「見える化」 に興味のある方はご期待下さい。
Column102 2006/2/13 up
■ 話を聴けない方への対処法
コミュニケーションの第一歩は人の話を聴くこと。
たぶん何十回も書いていますが、人の話をきちんと聴けない方って減りませんね。
たぶん、そんな本人に「人の話を聴けていますか?」と訊ねれば、
「もちろんだよ」 と答えが返ってくるのでしょう。
「コーチングなんか、試したけど効果が無いよ。」 とおっしゃる方のほとんどは、
そもそも、どうすれば効果的なのかという私の説明の最中も、途中で何度も口を挟み、とても人の話を聴けてい
るとは思えません。
この方にはそもそもコミュニケーションは無理なのだ、と諦めるのは簡単なのですが、
その方自身のやり方で、部下指導や他部門、客先との調整においてもうまくいっているとはとても思えません。
本人は何かうまくいかない。と自覚している場合がほとんどですが、
自分の何かを変えないといけないと自責意識、自己改善意識を持つことはないのです。
そんな方は切り捨てるしかない。
もちろんそう出来れば簡単ですが、それほど単純ではありません。
人の話を聴けない方が企業内の随所に存在し、風邪の菌のように企業のパフォーマンスを低下させているのは
確かです。
かと言って、人の話を聴けないという理由で首にする訳には行かないし、過去の良い時代には、それでも業績を
上げていたのに違いありません。
人の話を聴けていない方には幾つか特徴があります。
@ 自分の意見を言いたくなる(反論、言い訳)
A 途中で質問したくなる
B 答えや先が見えると、つい言ってしまう
C 過去の自慢話をしたくなる
特に、@、Aの方は、一対一の場面でなくても、質問してくるとても困った方です。
B、Cの方は自分の賢さを自慢したいだけなのです。
彼らをコミュニケーション上手に育てることはほとんど不可能です。
でも彼らの迷惑を受けなくする手はあります。
彼らを封じる為には、
● 「質問、意見は後にして、とり合えず最後まで聴いて下さい。」と先に宣言することです。
● 自慢話を始める方がいたら、わかるように横(そっぽ)を向くこと。
つまり、「あなたの自慢話を聞く気はありません。」と態度で表現することです。
● 上役等で、そっぽを向きにくい場合ならば、あからさまに腕を上げ、時計を見る。
もしくは、「すみません。最後まで話をさせて下さい。」 とはっきり言いましょう。
● 第三者として話を聴いているときに、一方の話に口を挟む方がいたら迷わず言いましょう。
「最後まで、聴いてあげましょうよ。」
そんなことをしたら、ぎすぎすしちゃうな、と思ってしまう方、
しないほうが、きちんと話もさせてもらえないぎすぎすした職場なのだと思って下さい。
そして極めつけの方法があります、
あなた自身が人の話をしっかり聴き、しかもきちんと成果を上げ、誰からも信頼される人間になること。
・・・・ きっとあなたの話に口を挟む方はほとんどいなくなるでしょう。
Column101 2006/2/12 up
■ 質問の目的
コーチングではよく、質問によって相手に思考を促します。
例えば、相手(部下)が「大変なんです。」 と言えば、
「どの部分がこのプロジェクトにネックになりそうなんだ?」 と返し、
「どうすればいいですか?」 に対しては、「君はどうしたいの?」 と返します。
それにより、問題点をきちんと把握したり、自分の考えで行動するといったベースが出来てくるのです。
また、時には質問に対して、質問の意図を聞くこともあります。
「今年うちのチームの売上目標は幾らにするのですか?」 チームメンバーなら当たり前のこんな質問にだって、
「その質問で何を知りたいの?」 と訊ねます。
人によって答えは色々でしょう。
「自分の割り当てを知りたいのです。」
「チームとしてそれを達成する効果的な方法を一緒に考えたいのです。」
つまり、質問とその返答によって、相手の「考え方」が掴めてきます。
質問の目的は知りたいことを知る為、もちろん当たり前ですが、
「人の考え方を知る為に効果的な質問をする」 と考えれば、相手との関わり方がずっと深まります。
私は立場柄、就職希望の学生さんと面談することがありますが、
「会社に入ったらどんな仕事がしたいの?」 と訊いても、
「営業をやりたいです。」 というように単純な返事がほとんどです。
でも、
「会社の業務について知りたいことは何かあるかな?」 と訊けば、
「営業マンの一日について教えて下さい。」 とか 「営業と経理以外にどんな仕事がありますか?」
とか「営業と生産とのつながりはどうなっっていますか?」 という質問に展開できます。
更に、
「今の話から、営業への配属を想像してみて、自分に何ができると思うかな?」 と訊けば、
「そうですね、生産や経理の知識がないと一人前の営業マンにはなれないですね。
会社に入ったら色々勉強していきたいです。」 という展開もあります。
質問の目的。考えてみて下さい。面白いですよ。
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