過去のコラム(Column81〜100)
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Column100 2006/2/10 up
■ 常識・非常識
「ゼネコンの常識は非常識」。
かつて世間がゼネコン汚職や談合で揺れた頃、こんな笑い話のような陰口が叩かれました。
そして昨今、一連の違法建築問題やホリエモン事件で、非常識な方々がまだまだ世の中にわんさか存在することが露
呈してきました。
常識or非常識と考えると分かり難いことも、例えば、思考のフレームを適法or違法と置き換えればすごく単純明快にな
るはずですが、人間、中々考え方のフレームの置き換えができないのです。
また、考えようによっては、@常識 A非常識(違法すれすれ) B違法 3つになるのかも知れません。
「一度、自分の常識が正しいかどうか疑ってみるべき。」
こんな理屈も極めて正当な意見だと思うのですが、人から言われたら腹が立つに違いありません。
つまり、「自分は非常識なんだ。」 と自分で気付く意外に改善の道は無いのです。
でも、そもそも常識、非常識って何なのでしょう。 決して、適応or違法だけが、考え方のフレームではありません。
その集団、地方、職場における一般的手法・習慣。
そのグループの中での、場の空気が読めること。
そんな風に考えると実は、常識というのは、「特定の条件に当てはまる方々だけが共通に持つ見識」 とでも言えるような
気がします。
実は、法律だって国によって違いますし、米国に至っては州によってかなり違いがあります。
そう考えれば、特定の国、地域の常識は世界の非常識だったりするわけです。
さてさて、
そうなると自分の常識を疑うとかいう以前に、例え海外に行かなくたって、ちょっとでも自分の活動範囲を広げようとする
なら、
「自分には常識なんてものは存在しないのだ、今、見聞き・経験しいる周囲の全てを正しいものとして受入れなければ
いけないのだ。」 と考えなくてはならないのでしょう。
もちろん世の中の全てが正しい訳はないのですが、「右の頬を打たれたら左の頬を出せ」という意味も判るような気が
します。ちょっと大袈裟ですか。・・・ある意味、性善説でもあります。
「右の耳で聞こえなければ左の耳を出して聴け、それでもダメなら表情を読め。」
そんなコミュニケーションのキーワードを思いついてしまいましたが、そのくらいの思いがなければ一方的な常識に凝り
固まって、人の話は聴けないのでしょうね。
Column99 2006/1/31 up
■ 無神経が世の中のぎすぎすの原因
リーダーシップやコミュニケーションの第一歩が「相手の話をしっかり聴く」だとすると、二歩めもしくは、三歩めくら
いにくるのが「相手の気持ちになって考える」だと思うのですが、こんな簡単そうなことが、両方とも出来る方って実
はあまりいないような気がします。
事実、私の気持ちになって物事を考えるような殊勝な方は周囲には全くいないような気がします。
(もしかして、私は不幸なのか?・・・実は皆さんもそう思っているのでは。)
でも 「そんなことは性格なんだから、急に変わろうたって無理。」
性格で人を責めたり、人括りにするのは良くないことだと思っていても、本人までがそう言っているようでは変わる
分けがありません。
そこで、少なくとも私の会社では、仕組みとして部下や上司とコミュニケーションを取らざるを得ないような目標管
理や行動特性評価を一般職にも導入しているわけです。
実はここまでは前置きです。(・・・長過ぎますか。)
今日、早朝に出社すると、データCDがテーブルの上に幾つも放置されている状況が目に入りました。
おそらく会社の所有物件に関する管理データの詰まったCDです。
リスク管理や、情報管理の強化が謳われる昨今。私の会社ではOA機器の取り扱いや設定に関してはやり過ぎ
と思われるほどセキュリティが行われ、がんじがらめで窮屈な思いをしているのですが、結局のところデータCD
が放置されているようでは、リスク管理以前の問題でしょう。
まあ、厳しくしたがる方々も居れば、無頓着・無神経な方も居る。
両極端の方々のお陰で皆が苦労しているのです。
言いたいのは、
相手の気持ちを考える以前に「何事にも無神経な方」は歴然として世の中に大勢いるということです。
「だからどうなんだ、そんなことあたり前じゃないか?」
そうなんです。だからこそ、昔ながらの上位下達の指示命令、叱咤激励方式の教育指導が、今だにはびこって
いるのです。相手の気持ちなんて、上司も部下もほとんどの方は考えていないのです。
いやむしろ、自分以外のことには無神経な方って、どんどん増えているような気がしませんか?
街や通勤経路で見かける若い方って、9割以上は無神経な気がしますし、中高年も結構無神経ですよね。
お歳をめした方や、会社で教育を受けている頃合の新入社員風の若者に気を使っている雰囲気が見られること
もありますが、それも一部です。
世の中のぎすぎすが高まっている。そんな感じですねえ。
結局の所、そんな無神経な感覚が会社内や家庭内での関係にも持ち込まれているのでしょう。
そんな状態なので、リーダーシップやコミュニケーションと言っても、ほとんどの方は相手の為ではなく、自分の
為にリーダーシップを発揮したり、コミュニケーションを活性化したいように見受けられます。
結局のところ自分中心なので、上手く出来ていない原因になっているような気がします。
(私の周囲の方々だけだと良いのですが。)
ふうっ。 まずは、無神経を止めませんか?
Column98 2006/1/30 up
■ ファシリテーション研修
このHPでも何度かファシリテーションをご紹介していますが、先週末に、セミナーに参加したので感想を記載します。
実は私も参考にした書籍の作者である堀公俊さんが講師でした。 この業界(?)では著名な方なのでセミナーはキャン
セル待ちの方までいたようです。
セミナーは2回コースの1回目、ベーショック編でした。費用の関係もあり1回目のみ受けたのですが、
ちょっと入門向け過ぎる感もありました。時間の関係もあり結構、端折っているなあという印象も受けましたが、事前に著
書を読み込んでいる私にとっては講義形式で進む前半はちょっと物足りない感じです。
「コーチング等のコミュニケーション術を学んだ方はいますか?」 という質問に手を上げた方が私を含め2名だけだった
ことを考えると。 たぶん内容を理解できている方は少なかったのではないでしょうか?
でも、堀さんの軽妙な語り口で後半を迎えて、ロールプレイングでの演習になると結構盛り上がりました。
2人1組、3人1組、4人一組のバリエーションで、ファシリテーション術を替わる替わるに試しました。
まあ、ファシリテーションスキルを使えているとはいいがたい会話が続きましたが、頭で方法が分かっていても、実際に
うまく意見を引き出し整理していくのは難しいものだと思い知らされました。
でも、自分自身での振り返りと、他のメンバーによるフィードバックを演習の都度必ず行ったおかげで、それぞれのメン
バーが、どうすれば人の意見を引き出し、整理し、公約数的にまとめられるのかという気づきが結構、得られました。
総じて、ファシリテーションって何?的なセミナー。つまり、極めて入門者向けでした。
予習というか、予備知識の無いほとんどの方は、2回目の応用編を受けなければ身に付くものは何もないかもしれない
なと思いました。気づきは自分で得なさい。 ・・・・ そう言われているようなセミナーでした。
しかし、私にとっては本を読んでいただけではうまく使えない部分の実践テスト的な部分もあり、満足できました。
2回目を申し込まなかったのが残念な限りです。
「コーチングは心理系、ファシリテーションは思考系です。」
コーチングの延長線上にファシリテーションがある。そう思っていた私の印象に残る堀さんの講義中の発言です。
コーチングは相手の気持ちを考える。 ファシリテーションではもちろんコーチングで習うようなコミュニケーション術を使
用しますが、目的は話し合いの参加物の思考を整理することです。
なんだかすっきりしました。
〆〆〆
当然のように、セミナーの参加者には、会社に言われて来ている方。 自分の意思で来ている方等が入り混じっている
のですが、私と一緒に演習をしてくれた方の中に、恐ろしく頭が回る方がいらっしゃいました。
会社を休んで自費で来ているというその方は、別なメンバーのやり取りを記録するという演習において、適格にその内
容を図示した上で、本人たちも気づいていなかった論点、主張を明確にしたのです。
あなどれない ・・・・・ というか、素晴らしい。一緒に仕事をしてみたいなと思わせる注意力、観察力、想像力。
世のなかにはすごい方がいるものです。
Column97 2006/1/27 up
■ モチベーション本の真贋
先日本屋のモチベーションコーナーでパラパラとめくって興味を持った書籍を購入しようとしました。まあいつものよう
に、HPやブログの参考に読もうと思ったのです。
しかしたまたま、同時に購入したかった小説が店頭にない為、両方ともAmazon.comで購入し、送料を浮かそうと考え
ました。 (購入書籍代1500円以上は送料無料なのです。)
というわけで、購入しようとした書籍 「たった1分で・・○○」 という本を、AmazonのHPにて調べました。
相手に好印象を与えるにはどうしたら良いかという本で、なんだか役立ちそうな本です。
しかしふと目に止まった書評は全て辛口。
・ 店頭でつい買ったが、騙された。読むに値しない。
・ 酒の肴にすらならない。
・ 上辺を取り繕う技を教えるより、中身のある人間になることを教えろ。
・ つまらん本を素晴らしい本のように売る出版社や書店の宣伝技術は素晴らしい。
6件くらいあった購入者の書評はだいたい同じ内容。誉めるものは全くありません。
実は私もたまにAmazonの書評を書きます。
読んだ書籍の内容、どんなニーズを満たすのかを率直に投稿します。 私も参考にさせてもらっているので、良かっ
たと思った本に対する情報提供のつもりです。
くだんの書籍も、中身はあるつもりだけど、周囲へのちょっとしたアプローチが下手で損している方には役立つような
気もします。(パラパラめくった感じでは。)
本を読んだだけで何かが変わることは無いのかも知れませんが、ヒントにはなるでしょう。
やはり、本のレベルの低さうんぬんではなく、どういう方の参考になる本なのかの分析を書いて欲しいですね。
人によって受け止め方や好みは違いますからねえ。 ・・・・ 書評を書いた方々は、だいぶ腹が立ったのでしょうねえ。
しかしまあ、私も結構モチベーション本や経営本を読みますが、似たような本が多いので、結局は頭に残らないです
ね。 役に立つ本にめぐりあったという方いらっしゃいますか?
Column96 2006/1/26 up
■ 長期的視点は必要か?
コーチングをかじった方なら、たいがいはビジョンの重要性を理解していると思います。
コーチングを通じて知り合った方の多くが、
成りたい自分、成るべき自分、やりたい仕事、やるべき仕事。 ・・・・ その最終形を明確にイメージし、
その為に今、何をするか? 来月何をするか?
と 最終形 = ゴール or ターゲット を着実に実現していく考え方をされています。
しかし、普通に企業に勤務されている中高年のサラリーマンの方なら、その企業にいる限り、自分の意志によるよりも、会
社の意思により自分の将来は決まってくると思っている方が多いのではないでしょうか。
でも、会社の意思ってなんでしょう。そんなもの、本当にあるのかどうか?
まあ、上司の評価、社内での色々なタイミング。そんなものが混ざって将来を決めているような気がします。
やはり、自分から目標に向かって努力しないと何も変わらないし、何も手には入らない。私にはそう思えます。
もちろん、努力したって手が届かない場合もあるでしょう。
でも問題がある都度に他責でものを考えて自分に言い訳をするより、自責で考えて次は頑張ろうと思った方が人生は楽
しめるような気がします。
自分が何を任され、将来どうなるのかは会社が決めること。そんな考え自体が究極の他責意識なのです。
と言う訳で、「長期的視点を持つことは良いことだ」 と言いたかったのですが、
世の中には長期的視点より、短期的努力の重要性を謳う方は結構いらっしゃるようです。
例えば、
「次で挽回すれば良いではなく、今が真剣勝負。」
「明確すぎるゴールのイメージは、そのゴールが絶対に手に入らないと分かった時に修正出来ない。」 等です。
確かに、著名かつ優秀な経営者や学者の方々が、必ずしも何かを始めた時に最初からその道のTOPになろうと思った
方ばかりでもないと思います。
高業績を上げ続け、かつ今も生き残る企業の共通点を分析した書 『ビジョナリ―カンパニー』 でも、
「行き先が決まったバスに乗客を乗せた」 ではなく、
「行き先を決めることの出来る乗客をバスに乗せた」 ことが共通点と書かれていました。
前者のバスは過去に高い業績を上げて、現在は消え去った企業の共通点というわけです。
〆〆〆
行き先は決して確実ではない。
どんな結果になろうと、新たなる目標、新たなるビジョン、ターゲットを再構築できる柔軟性を持つべきだ。
・・・・そんな感じがしてきました。
Column95 2006/1/25 up
■ やる気の源泉は何か?
Q.やる気の源泉は何か?
A.高い地位や報酬がやる気の源泉になる。 ・・・・・ もちろんYES。
でも、周囲の方からみれば、何故あいつばかりがと思えてしまうことにもなりませんか?
だからと言って、頑張っている方全員の地位や報酬を上げることはほとんどの企業には困難です。
したがって、大抵の企業では、以下の図式が当てはまります。
@ 相当に頑張って会社の業績UPに貢献した。 ⇒ 相応の評価を受ける
A 頑張って成果を上げたが、業績に貢献するほどではない。 ⇒ 地位も報酬も変わらない。
B まあ問題なく普通に働いた。 ⇒ 地位も報酬も変わらない。
つまり、AもBも事実上は差が無い。
きっと、Aの方々には、仕事をコツコツ真面目にやった場合と、サボって適当にやった場合の差が出ない、
そんな風に極端に思えてしまうのではないでしょうか。
結果(定量効果)としてはAとBの差はほとんどなかったかもしれませんが、
気持ちの上では頑張ったと頑張らなかったという大きな差があるし、周囲には見えない部分では
上がっている成果(定性効果)はあるかもしれません。
つまり、自分自身には@だったのにBと同じ扱いなのだと思えてしまう。
そして、企業のパフォーマンス向上にとって大切なのは、
この頑張っていると思っているけど、結果がもう一歩の層 (つまりA) ではないでしょうか?
例えるなら、彼らは、練習に練習を重ね、もう少しで逆上がりができそうな状態なのです。
もう少しの努力、コツを掴む瞬間、人によってきっかけは違っても、逆上がりができる瞬間がほんの少し先
に待っているのです。
そんな時に、「さあさあ、体育の時間が終わったから、もう帰って」 と校庭から追い出せば、やる気など沸い
てはこないでしょう。
「じゃあ俺が見てるから、もっと逆上がりの練習やってごらん。」
そんな声でもかけてくれる方がいるといいのですが。
このケースにおいて、実際の企業で社員のやる気を引き出すのに効果的なことは、
・『頑張った』という部分にいかに報いるか
・努力が大きな結果につながるようなサポートを行うこと の2点だと思います。
もちろん企業の風土や形態によりますが。
では、具体的にどうするか?
●企業として、いや上司として可能なのは、
頑張っている部下には頑張っている点を誉めること。上げた成果を一緒に喜ぶこと。
次には更に大きな仕事を任せること。
そして大きな仕事で、誰にでも分かる大きな成果を上げられるようにサポートする。
さらにその成果は部下が自分の努力で達成したのだと周囲に知ら示すのです。
なんて優等生的な答えでしょうか。でも、他にできることがあるでしょうか?
●では企業として可能なのは、
成果に対する評価が本人に確実にフィードバックされる仕組みを作ることです。
報酬や地位の向上はほとんどなくても、自分が会社や上司に評価されているのだと分かる仕組みがあれ
ば本人のやる気は向上します。
〆〆〆
とある研究機関の「仕事に対するモチベーション調査」において、やりがいを感じる仕事は何か、という
質問への回答率(複数回答可です)はTOPが「高い報酬」でした。
次点は「感謝される」と「自分の誇れる実績となる」、「自分にしか出来ない」、「ノウハウやスキルが身に付
く」がほぼ同率。
その後に「社会的意義がある」、「自分が主体となれる」、「将来のキャリア形成につながる」が続いており
ました。
地位という答えがないのは、意外ですが、質問の仕方にもよるのでしょう。
まあ、「仕事の成果への対価として何を求めるか?」ではなく「やりがいを感じる仕事は?」ですから。
あなたは、部下のやる気、社員のやる気を引き出す為に何をしますか?
Column94 2006/1/23 up
■ 続、会社は誰のものか?
先日会社は誰のものか?という文章を書きました。
「会社は誰かのものではなく、色々な立場の方が自分の立場に応じて最大限利用する 『仕組み』 です。」
そう書きましたが、たまたま手元に回ってきた雑誌に同じ質問がありました。 「会社は誰のものか」 という問いにどう答
えるべきか? と。
企業のエクゼクティブ向けらしきこの雑誌は生命保険が販促用にくれたりするのですが、このような質問に著名な方々
が答える形式で掲載されていました。
冒頭の質問にはとあるコンサル会社の若い経営者の方が回答していました。
「一つの答えとして、社員のもの」
「一つの目的を持った人が集まり、力を合わせて共同作業をする場、入れ物」
「正確な答えとして、会社とはその枠の中にいる人の人生がより豊かに価値有るものになる場であるべき」
「会社を辞める役員には株を置いて行かせる」
経営者でありながらも、社員を大事にする姿勢の伺える立派な回答です。
でも、ちょっと優等生的。自分だって社長でしょ。
やはり、会社は 「仕組み」 でしょう。
その仕組みを使う人によって得るものは違うわけです。自分の目的を最大限に果たすために活用すれば良いのです。
(もちろん、これとて誰かの意見の使い回しです。)
そういう意味では、この雑誌の 「入れ物」 という答えがきっと近い意味なのでしょう。 仕組みが詰まった箱みたいな感
じです。
「自分の能力を過少評価されていると思ったらどうするか?」
こんな質問に別の方が一言。「辞めるべき。」
ちょっと・・・・。 簡単に片付けないで欲しいなあ。
「自分が過少評価されている。」 ・・・・ そんなことサラリーマンなら全員が思っていますよ。
企業の幹部がこんな雑誌読んで。「なるほど。」とか思っていたらぞっとします。
実は、私が言いたかったことは、雑誌なんかで経営を学んだり、哲学的な疑問への答えを見つけたりは出来ないとい
うことです。
自分で真剣に考えて自分の疑問の答えを見つけるしかないのです。 ・・・・ なんてね。
Column93 2006/1/20 up
■ 4半期のスピード
近年、4半期で目標を捉える企業が大分増えていると聞きます。
もちろん、きちんとした体裁のある大抵の企業は、社外への公表はしてなくとも、年間目標が、毎月に割り振られて
いて、売上を確保するのに応じた原価支出や各種経費の支出を勘案した資金計画へとつながっていることでしょう。
また、企業業績の株価へ反映を考えれば、短いスパンで目標を立て、その期間の活動結果や営業成績を関係先や
投資家に公表することは必要でしょう。
でも、従業員各々の行動計画。評価につながる目標を4半期スパンで立てるとなると、結構厳しいですね。毎日が真
剣勝負になり、活気が溢れることは想像できますが、ストレスもかなりのものでしょう。
目標未達成となった社員の中には自分の人生や存在そのものに疑問を持つ方も出てくるかもしれません。
頑張って業績を上げ、より高い地位や待遇を求めて転職をしていくつもりで入社したのならウェルカムかもしれません
が、今、自分の勤め先が突然4半期毎の成果を要求してきたらつらいですね。
しかし、それは現実に身近にあり得ることだと私は考えています。
成果主義が批判されつつも、企業は業績向上に苦心していますし、
団塊の世代が卒業するといいつつも、雇用安定法は施行されバリバリの中堅ではない社員が更に蔓延ります。
黙っていても仕事が来る安定した業種というものが本当にあるとしたら例外として、
通常の市場競争にさらされる企業であれば、社内=社員は今まで以上に2分化されるのではないでしょうか。
高い業績を上げ高い処遇を受ける社員、のんびり会社に務めて低い処遇を受ける社員。
もちろん企業は全ての社員のレベルアップ=底上げを図るでしょうが、2対8の法則(もしくは2対6対2の法則)が
働き、全員のレベルアップには限度があります。
社員全員が頑張ったら、社員全員に高い処遇を与えられるのでしょうか。そこに成果主義の限界があるのだと私
は考えております。
Column92 2006/1/18 up
■ 2対6対2は危険か?
パレトの唱えた20対80の法則というのはよく耳にしますが、「2対6対2の法則」なるものを雑誌記事で目に
しました。
曰く、「世の中には2割の優秀な方、8割の一般人、そして2割の人の足を引っ張る方がいる」とのことです。
20対80(もしくは2対8)を分かり易く説明するなら、例えば、
・会議で発言しているのは2割の方。
・やるべきことの2割を優先的かつ確実に実行すれば、全体としてうまくいく。
・失敗の大部分は2割の理由に起因している。2割を何とかすればほぼ解決。・・・なんていうところです。
2対6対2の法則 というのは、この 「2対8の法則」 を更に分解したようなものですが、どんな学者の説なのか
判かりません。
ちなみに、HPで2対6対2を調べてみると、優秀な人間を100人揃えても活躍の場がなければ結局、2割の実
力を発揮する者、6割の凡人、2割の使えない者に落ちつく (変化してしまう)ので、最初から2対6対2の割合
で採用すればいいなんてものもありました。
よくよく考えると「2割は優秀ではない」ではなく、「2割が足を引っ張る」となっていることに意味があるようです。
2割の優秀でもなく、一般的でもなく、足を引っ張る連中を放っておくと2割の優秀な方々の努力の結実を遅ら
せてしまうと言いたいようです。
当たっていると言えば、当たっているような。しかし、身の回りに目を向ければ2割の優秀と思われる方の中に
も人の足を引っ張る方はいるような気がします。
しかし、20対80の法則 との一番大きな違いは、良い20のほうに着眼して20を引き上げるのか、悪い20の方
に着眼して対処しようとするかの違いのようにも思えます。
こうした考えをリーダーシップや失敗等の行動の絞込みに使うのならいいですが、人間の性格の色分けに使う
のは非常に危険です。
大体、自分がどの部分に属しているか考えるのも難しいような気がします。
もし、人と違う意見に固執すれば、時には足を引っ張る2割だと決め付けられてしまうかもしれません。
血液型判断すら差別につながると言われているくらいですから、極めて慎重に、足を引っ張る2割に対処しなく
てはなりませんね。
誰がその2割なのだとは絶対に決め付けたり公言したりはできません。
あなたはダメな2割だからこの研修に参加してください。なんて言ったらひねくれちゃいます。
でも、とあるHPでは2:8では対策は見えてこない、2対6対2でこそ対策が見えてくるとの記述がありました。
人にフォーカスするのではなく、経済の問題点2割、企業の問題点2割というように問題の原因となる仕組みや
活動にフォーカスするのだそうです。 まあ、それならいいかもしれませんね。
●私個人の考え方を披露すると、
・ 20対80で層別できる行動や、成功・失敗の要因が世の中にはある。
●基本は行動として20対80に層別するが、仮に人として考えると、
・ 優秀な2割の中にも人の足を引っ張る方が存在する。
・ 一般人8割の中にも上向き・前向き思考、後ろ向き思考の方がいる。
(上向きに対応した、下向きというのはまず存在しない。)
●上向きと前向きにも大きな違いがあって、
・ 上向きは自分は優秀(つまり2割)と信じ、自分の努力を認められたいと思っている。
・ 前向きは現状を認識し、さらに向上したいと思っている。
●この考え方を行動の改善に活かすのなら、
・ 20が成功要因ならさらに伸ばす、失敗要因なら対処する。
・ 80の部分のレベルアップを図る。
・ 後ろ向きの方がいても、決してハッパはかけない、仕組みとしてちょっとでも前向きの方と同じ行動をとる
ように仕向ける。
というようなところでしょうか。 全ては実現はしませんが、そんな気持ちを心掛けています。
Column91 2006/1/15 up
■ 従業員満足について考える
人・物・金とは言いますが、人は金がかかり、物の価値は一過性ということで、どちらもリストラされまくる世の中に
なっちゃいましたね。
21世紀も6年目に入り、リストラも一段落した企業たちの間では、ES = 従業員満足 という言葉がはやりつつあります
が、 従業員満足だとかモチベーションを向上させることによる長期的効果を考えるよりも、短期的に何とかできないのか
とあわてている企業はまだまだあります。
企業の人事関係者である私が、リーダーシップやモチベーションの向上に苦心しても頑張っているね の一言が中々貰
えないのが世の中の実情です。
いや、別にそう言ってもらいたい訳ではないのです。
ホントのところ、自分自身と自分の勤める会社の皆さんのモチベーションがぐっと向上するようなことが出来たら痛快だ
なというような想いなのです。
例えば、中々コーチングの効果が信用できないという方々。よく考えてみて下さい。
競争力拡大のために皆さんが重ねた努力はどれだけの効果を上げていますか?
何故そんなに頑張れたのでしょうか?
そのモチベーションの源泉は何ですか?
ほとんどの方は、多少の成果を上げたからといって出世できるわけでもないでしょうし、給料だってそんなには上がらな
いでしょう。
やりたい仕事が出来る。 仕事で成果を上げること自体が自分の満足。
実はそんな方が多いのではないでしょうか? (・・・ そうでない方すみません。)
皆さんが企業の競争力向上のためにやっている品質向上やコスト削減、新商品開発って結構行き詰まっていませんか?
よっぽど視点や方向性を変えない限り、企業の競争力向上には限りがあるのです。つまり有限。
しかし、モチベーションはやり方によっては無限です。
「人のやる気には限りがある。」とはコーチングの入門書にさえ書いてありますが、
例えば、自分の好きなことをやっている分にはずうっとモチベーションを保つことは可能でしょう。
だから従業員満足は必要なのです。
もちろん満足の内容にもよります。きっと、従業員満足を真剣に考えた企業が次の10年に生き残るのでしょう。
企業の組織は多様化し、かつ従業員の価値観も極めて多様になりました。
言われた通りに働けば終身雇用を保証するというわけでもなくなりました。
また、成果主義の蔓延で、限られた本当に優秀な方が高い評価を集めるようになりました。
20:80という法則がありますが、20%の優秀な方が会社のほとんどの業績に貢献し、評価を一身に集めているという
状況では、従業員の満足は決して成り立たないのです。
優秀ではない(というよりごく一般的な)80%の方々の満足の中身を知ることが必要なのです。
モチベーションは10倍にも100倍にも高められる可能性があります。
もしあなたが部下を持つリーダーなら、部下=メンバーの満足とは何か?
それを考えることからスタートしてください。
Column90 2006/1/13 up
■ 村主 章枝(すぐり ふみえ)に学ぶ
もうすぐトリノオリンピックですね。
今年はフィギュアスケートが注目の的になっていますが、私も年末の日本代表決定戦となる選手権の放映を見てしまいま
した。 村主章枝(すぐりふみえ)が頑張っていましたね。
ところで、1月5日付の日経産業新聞の記事で村主に関する記事があり、インタビューの中で、コーチングの本を読んでい
るとの話が載っていました。
そもそもビジネスコーチングは、スポーツコーチングが起源だと思うのですが、村主はビジネスコーチングの本を読み自分
のスポーツコーチとのコミュニケーションを円滑にしているようです。
また村主は、試合に臨む心構えとして、ビジネスマンがプロジェクトに臨むのと同じように徹底的に準備をするそうです。
彼女の準備は当然ながら選曲、構想、練習とまさにプロジェクトです。
村主の自己管理術として以下のような内容も載っていました。
● 困難に遭遇した時は多くの人に相談する。 常に人の意見を聞く耳を持ち、意見を受け入れる純粋さを忘れない
● 演技中はその時その時を大事にする。 転んだことを考えるのは後
● 成功ではなく失敗から学ぶ。 失敗の原因を考えることが成功につながる
● 自分に足りないもの、弱点を認める
● 集中力の向上を常に意識する
ビジネスマンとは比べようも無い努力をしていることは想像できますが、毎日毎日を前向きかつ真剣に生きていることが
成果につながっているのでしょうね。
トリノにも期待しましょう。
ちょっと脱線。豆知識。
トリノといえばイタ車FIATの本拠地。FIATはトリノ自動車工業の略だって知っていましたか。
Column89 2006/1/3 up
■ 今は今!
お正月ですねえ。新年おめでとうございます。
新年なので、今年何やるかを考えようと思っておりますが、具体的には思いつきません。
やはり、
来年何しようか?
今年何しようか?
今月何しようか?
今日何しようか?
と長期計画の中で今を位置づけないと中々有意義な今は過ごせません。
とは言え、今は今。
あまり計画的なのも自分のレールを自分で敷いているようでつまらない気がします。何か先が見えているようで。
でも、皆さん、どっちがいいですか?
前もって設定した目標にまっしぐら or その時その時の気分(状況)に合わせて生きていく。
私自身は、大枠での方向性=ビジョンの中で、色々な変化を楽しめれば言うことないのですが、
世の中には変化につながる目標を決めること自体をいやがる方って結構いるものです。
残念ながら彼らに目標を決めなさいと言う気はありません。彼らの人生ですから。
そのような方だって精一杯生きているのには違いないのですから。
Column88 2005/12/24 up
■ クリスマスを略すな!
何でも略すのはいかがなものかとういうお話。
言葉を略す方をよく見かけます。もちろん、誰にでも意味が通じるならいいのですが、一部の仲間内でしか通じない
略し言葉を使う例が結構多いですよね。
まあ、コーチング関連のブログなので、私が略し言葉が嫌いかどうかということではなく、人には、きちんと意味の通
じる言葉で話しかけるべきだと言いたいだけです。
国土交通省を国交省。これもまあ通じますが、私には略す必要が理解できないのです。
United States of AmericaをUSA。 これなら分かります。United States of Americaじゃ長すぎますものね。
もちろんUSAは世界中で理解される言葉でしょう。
マクドナルドをマック。これはだいたい通じますよね。
でもこれだって、関東では「マック」ですが関西では「マクド」。ある意味地域限定の略し言葉です。
スターバックスをスタバ。まあ、日本中通じるかもしれないですが、スターバックスをわざわざ略す必要がないような
気がします。
でも、ネット上で他のスターバックスフリークと情報交換するのなら、「スタバ」というのが共通語のような気もします。
実は、先日の朝日新聞に面白い話が載っていました。
私も常々何故、ChristmasをXmasと表記するのかと思っているのですが、その理由は、イエスキリストを表すギリシ
ャ文字がχ(カイ)なのです。 X や x (ローマ字) とは違うようです。
まして X’mas なんて X の右上に点をつけて略し言葉的にするのはもっての他の大間違いだそうです。
意味が通じないばかりか笑われかねません。しかも、このXmasという表記自体が日本以外の国ではどこでも使わ
れていないそうです。
限られた字数で表記するには便利な使い方かもしれませんが、クリスマスはやっぱChristmasでしょう。
「あれ、どうなった?」コーチングを導入し始めている私の勤務先でも、いまだに「あれ」や「それ」を使う方がいます。
また、「ポートフォリオ」とか「シナジー」とかの横文字言葉を使う方もいます。
シナジーなら調べれば相乗効果という意味が分かりますが、「ポートフォリオ」には色々な意味があるので、人や企
業、業界によって使い方はことなります。
時には会議の後で、○○さんの言ってたポートフォリオって、どの意味だったのかな、なんて話したりもします。
そして、略し言葉。代表取締役を代表と言ったり、部署名や子会社名を略したり。結構意味が間違われていることが
多いし、どこの部署か分からなかったりします。まして社外の方には全く分かりません。
コミュニケーションは意思疎通の第一歩。本当にそう信じるのなら、略すのは極力やめましょう。
Column87 2005/12/21 up
■ ドッグイヤー(戌年)のタイムマネジメント
写真は我が家の老犬です。
来年は犬年(戌年)ですね。それでは犬にちなんで・・・。
我が家の老犬は14歳。
犬の年齢は人間の7倍と言いますが、単純計算だと98歳。
いくらなんでもそこまでの歳じゃないような気がしますが、まあ元気そうでも目や耳、足が衰えているようです。
ところで、ドッグイヤーという言葉をご存知ですか。
IT業界の足の速さ、革新の速さ、移り変わりの速さを犬がヒトの7倍早く年をとるのをモジってそう言うようです。
7倍早く時間がたつなら、時間管理も7倍以上きちっとやらなければなりません。
それでは質問。もし、時間が今の7分の1しかなかったら、あなたはどう生きていきますか?
1生が10年ちょっと。あるいは1年が52日しかない。
もしくは、1日が3.5時間しかない人生を想像してみて下さい。
時間がないから、通勤は×。自宅で仕事をする。いっそのこと2日寝ないで働いて、2日間睡眠。
食事も2日で一食。まあ、それはどうでもいいとしても、分刻みでスケジュールを立て、1日毎の目標、行動のター
ゲットを明確にし、スケジュールが1分遅れてもその日のうちに取り戻す。
そんな暮らしが待っています。
逆に時間が7倍あったら。 ・・・1生が500年位ある。うーん。魔女ですね。考えないことにしましょう。
まあ、1日が24時間、1年が365日、1生が80〜100年位の今の人生に慣れてしまった我々は、ともすれば時間
を浪費しています。
タイムマネジメントをきっちりやり、時間をうまく活用していくためには常に時間に限りがあること、1年なんてあっと
言う間なんだということを念頭に置いて活動していかなければなりません。
出来れば、自分自身の時間に対する物指しを持ちましょう。
私の物指しは1日が10時間くらいかな。1年も100日くらい。
「時は金なり」 いい言葉かも知れませんね。 ・・・私は好きではありませんが。
Column86 2005/12/20 up
■ 皺に学ぶ経営
先週末、クリスマス用の買い物に出かけた際、外資系の有名な衣料品店に立ち寄りました。
TVCMも放映し、最近では大きなショッピングセンターならほとんど店舗があるようなチェーンです。家族が隣の店で
買い物をしている間に覗いてみました。
まだ早い時間だったので、プラプラ紳士物を見ていると、吊るしてあるジャケット・コート類が何故か皺だらけ。どうみ
てもわざとやっているのではなく、単に皺だらけ。ダンボールから今出しましたというような雰囲気です。
店内は明るく、広く、いい感じ。なのに、売っている物が客をバカにしているような印象を受け、腹が立ちました。
立ち去ろうとすると、店員がそばに。だって他に客がいませんから。 「コートをお探しですか?」
なんてクローズドな質問をするのか。 「いや。」 と私。
「よかったらサイズを出しますよ。」 誰もサイズが無いなんて言ってないのに。
「皺だらけじゃない。」 と私。
「すみません。皺のないのもをもって来ましょうか? どれがいいですか?」 店員。
「しわだらけの店で気分が悪いから他に行くよ。」
私がそう言うと店員は精一杯の作り笑顔で回りを見回し「いやあホントですね。すみません。」と詫びましたが、少な
くとも誠意をもって詫びたり、恥じたりしている雰囲気ではありません。
その後、巨大ショッピングモールの中を色々見て周り買い物をしましたが、皺々の服を売っている店なんて他にはあ
りません。でも2時間後くらいにその店の前を通ると、超満員でした。
この外資系の衣料品会社の人事部長さんは、時折、人材マネジメント系の雑誌にも登場し、本も書いている有名な
方で、急成長した社内で教育には苦労しているようですが、
顧客商売の守るべき一線。「商品の品質」の捉え方、考え方が社員には徹底されていないのだなと勝手に想像しま
した。
暫く前にTVでユニクロの銀座店開店の特集をやっていましたが、若手カリスマ店長が精一杯店員に指示を出し、か
けずり回って陳列を行い、それでも本社のメンバーにダメ出しをされていたのと比べると対象的です。
企業経営って大変だな。そんなことを考える週末でした。
Column85 2005/12/19 up
■ 出会いとコミュニケーション
10月に行われたコーチAのシンポジウムに参加した話を以前に掲載しましたが、シンポジウムの後に参加会社の方々
を集めた立食パーティーもどきがありました。
こんな時の司会の決まり文句は「他社の方々とも交流してください。」なのですが、立食パーティーで初対面の方々と
交流できる方なんて普通はいないでしょ。
各社の方々は特に異業種交流する必要も無い訳ですが、大抵の方は一緒に着た同僚の方か、コーチAの営業担当
の方と話をするだけです。 私自身は正直言って、コーチングをうまく導入できている企業の方と話を聴きたかったの
ですが。現にうまく導入できている企業の方にはそんなニーズもないのでしょう。
それにしても、コーチングやコミュニケーションに関するシンポジウムの後だというのに異業種交流なんて全く始まりま
せん。まあ、普通はそうでしょ。
昔はやったネルトン(古!)だって椅子くらいあったぞ。まあ、お見合いパーティーなんかだったらきっと積極的に交流
するかもしれんが。なんて思ったりして。
実は私も以前は総務マンとして、加入団体の懇親会や会食会に参加することが多かったのですが、殆どは着席で、
初対面かせいぜい1、2回しか面識の無い方々と同席するパーティでした。
でも、着席であれば、結構、話に花が咲きます。
会合の共通目的(例えば、防犯、防災、採用、教育)についてお宅の会社ではどうしてるのかとか、別の話題にも話が
およぶことが結構ありました。
コミュニケーションに必要なのは相手への共感。それは事実だと思いますが、初めての出会いでのコミュニケーショ
ンに必要なのは仕組み作りだと思います。
深く考える前に、まずはシチュエーションとムードでコミュニケーションをする仕組みを整える。
なんか初デートで大事なものと同じです。
コミュニケーションをもっと簡単に考えることも必要なのだな。と思うこの頃です。
Column84 2005/12/18 up
■ 会社は誰のものか?
会社は単なる仕組みです
最近よく聞く質問。「会社は誰のもの?」・・・さあ、誰のものでしょう?
経営者のもの(経営者ってそもそも誰か?)、役員のもの、株主のもの、それとも社員のもの。
ある本に書いてありましたが、会社は誰のものでもなく、単なる仕組みなのだそうです。
株式会社なら、
経営者にとっては、株主から資金を集めて商売をして利益を創出する仕組み。
社員にとっては、働いて(人によっては時間を売って)賃金を貰う仕組み。
株主にとっては、資金を提供し利益(配当)を得る仕組み。等々。
会社は誰のものなのかなんて考えている暇があるなら、自分にとって有用な仕組みかどうかを見極め、うまく利用
していくか、見切りをつけるかをしっかり考えるのが賢いやり方。と書かれています。
この本を読み、まず思ったことは、
自分は会社という仕組みをうまく利用できているのか・・・ということです。
スターバックスのように、社員はパートナーだと位置づければ、会社は社員のものとも言えますが、
店舗にいる一従業員が本当にそう思えるのでしょうか?
やはり単なる仕組みと考えるのが道理にかなっているような気もします。
よくよく考えると、日本という国=政府も或る意味ひとつのややこしい仕組みのような気がします。
しっかり税金を払って、サービスや安全を得る。幸せや誇りも得られると良いのですがねえ。
そう考えると、会社ってとっても良い仕組みだと私は思います。
搾取されているなんて思いはないし、賃金を得ながら、やりがい=充実・満足や友人・知人を得ることが出来ます。
(もちろん、異論のある方も多いかもしれませんが。)
その気さえあれば、会社の費用で新しいことを学ぶことだって出来ます。
その分、仕事で恩返ししなくてはいけませんが、それは当然でしょ。
倒産したり、死ぬほど残業させられない限り、私にとっては良い仕組みです。
きっと、
従業員の皆さんに、私と同じような思いを会社に抱かせることが出来ればモチベーションは格段に向上するでしょ
う。
会社は社員のもの、なんて言う前に、会社という仕組みを精一杯利用してもらって業績を上げてもらいながら、
満足・やりがいを得てもらう。どうですか?
えっ、どうやって精一杯利用してもらうかって、
仕事に必要なスキルを会社の費用で学ばせて、仕事を任せて、結果を評価してあげて、自分の会社にあったやり
方ってあるはずです。自分で考えましょう。
Column83 2005/12/16 up
■ ことわざに学ぶ
以前、毎朝TV各局で放送している今日の運勢は、本日のアドバイスとタイトルを変更すべきじゃないかとお話した
ことがあります。
だって星座によってその日は金運が悪いとか、ラッキーアイテムは○○だなんて決めるのは、血液型で性格を決
め付けるのにも通じる部分があって公共放送で流すようなものとも思えません。
本日のアドバイスとして星座とは関係なしに前向きな生き方のための行動を解説すれば良いのにという気がします。
「今日は大きな声で挨拶しよう。」とかです。
再びそんなことを考えていると、テーブルの上に面白い書物がありました。 「まんがことわざ辞典」。
めくってみると、私でも知らないことわざや、今は使わないなということわざが結構あります。
例えば、
打たねば鳴らぬ 行動しなければ何も起きない
運を待つは死を待つに等し 努力しなければ運はやってこない
櫓・櫂三年、竿八年 物事をマスターするにはそれなりの時間がかかる
木によりて魚を求む やり方が誤っていると努力が無駄になる
鵜のまねをする烏 自分の力量を考えずに人の真似をすると失敗する
せかねばことが間に合わぬ 急いでやらないと意味がなくなる
株を守りてうさぎを待つ 同じことが2度あるとは限らない
(1度起きた、ウサギが株に当って死ぬのを待つ)
千慮の一失 偉い人でも間違いはある
根がなくても花が咲く 事実がなくてもうわさは立つ
道理に向かうやいばなし 悪いことは正しいことには勝てない
三五(さんご)の十八 見込み違い
芸は身を破る 芸を覚えたため身を持ち崩すこと
かえるにおんばこ(おおばこ) 薬が良く効く例え
牛の角を蜂が刺す 効き目がないこと
鼻の先のいぼいぼ じゃまだけどどうすることもできないもの
へたの的ははずれる へたはやはりへた(まぐれ当りがあってもはずれが多い)
得手に帆を上げる よい機会に恵まれ、得意なことが活きてくる
解説がありました。 ことわざは大きく4つに分けられる。
1)人生の教えや真理を表したもの 例えば、一年の計は元旦にあり
2)生活の知恵を表したもの 大は小を兼ねる
3)人の批判や皮肉り 三日坊主
4)物事を面白く例えたもの 泣きっ面に蜂
うーんなるほどです。
やっぱりTVで 「今日の格言」 なんてやってくれると皆さんちょっとずつ成長しますよね。
Column82 2005/12/14 up
■ コミュニケーションと禁煙セラピー
会社で仕事をしていると、 すぐに感情的になる方、 部下を一方的に怒鳴っている方を、今だに見かけます。
皆、コーチング研修に行っているんですけどねえ。
ところで先日、娘の見ていたドラマ「鬼嫁日記」を何気なく見ていたら、いつになくやさしい鬼嫁の観月ありさが、
「コミュニケーションの基本は相手の気持ちになって考えること。」と解説するくだりがありました。
その通りですよね。
感情的になって大声を出したり、怒鳴ったりして、相手が心底理解して一生懸命頑張るとでも思っているとした
ら、当然ですが大間違い。
仮に、大声で一時の交渉を優位に進めればいいと思っているとしたら、次から交渉のテーブルにはついてくれ
る相手はいないことが理解できているのでしょうか?
でもそんな方ってまだまだ大勢いるのです。
部下をガンガン鍛えているつもりなのでしょうが、打たれ強い部下だっているし、打たれ弱い部下だっています。
やはり、コミュニケーションのスタートラインは相手を理解することですよね。
ドラマにすら出てくる基本中の基本すら理解できていない、もしくは自分とはスタイルが違うという方々にコーチ
ングを啓蒙するのも正直疲れますが、「会社を変えるのは大変だけど。コミュニケーションを変えることはまだや
り易い。」 そう思うことにしています。
コミュニケーションが変われば、会社も変わってくるでしょうから。
でもでも、性格を変えない限り、コミュニケーションって中々変わらないような気もしています。
感情的になるのや、怒鳴るのは明らかに本人の性格です。もちろん人の性格なんて変えようがありませんし、
性格を非難の対象にするのはコーチングのやり方でもありません。
そこで私は、コミュニケーションの仕組み作りに精を出していますが、変化は少しずつ、少しずつやってきてい
ます。
前述の方々への対処も、ストレスマネジメントの角度からやってみようと考えています。
このヒントを与えてくれたのは、以前にもご紹介した内定学生とのコミュニケーションペーパーです。
自分の愛読書 「禁煙セラピー」(アレン・カー著) を解説してくれた学生がいます。
「禁煙セラピー」 では、禁煙の仕方を説明するのではなく、喫煙の恐さを解説し、
「最後の1本を吸い、吸わないと決める」 と決断をさせるのだそうです。
部下を一方的に怒鳴り、双方向のコミュニケーションをしないことの恐さをストレスマネジメントとして説明し、
コミュニケーションをする(部下の話をしっかり聴く)と決断させる。・・どうでしょう。
怒鳴っていてもコミュニケーションはできていると平気で思っている方々をぶっつぶす。
(変えていくという意味ですが。)
それが私の楽しみです。来年も仕事が楽しそうです。
Column81 2005/12/12 up
■ ブレーキパッドを手で掴む (よく読むと経営論の話です)
私は車を運転する際、自分の車が空から見下ろすように見えます。(そういう方大勢いますよ。)
実際、カーナビの縮尺を最大にしているより更に拡大した感じで見えます。
何故そうなのか? 答えは単純。車を五感で動かしているからです。
今は乗っていませんが、バイクやレーシングカートでサーキットを走っていると、他の走行車との間合いを目とスピー
ド感で計り、100m先、5秒先を想像しながらフル加速し、ブレーキをギリギリまで我慢して相手の前に入り込む場面
が続出です。
しかも、自分を後ろから抜こうとする連中のブロックまでも考えなくてはいけません。
そんな場面では、目の前に見えている映像は、必要とする情報量の10分の1以下の情報しか与えてくれません。
レーシングカートに至ってはスピードメーターもタコメーター(回転計)もないので、首筋を抜ける空気の流れとエンジン
音までを情報として、頭に詰め込み、演算処理(?)しながら1秒後、2秒後、3秒後の前と後ろが見える映像(空からみ
た映像)を頭に描きながら走らないとならないのです。
バイクに至っては、ブーツの先が路面に接することで得られるもバイクの寝角度も情報として役立てます。
だから、客観的に空から自分が見えるようになるのです。
例えば皆さん。こんな場面で、車やバイクのブレーキディスクを手で掴むかのようにリアルにブレーキをかけれたらど
んな走りが出来ると思いますか?・・・ごぼう抜きです。
実は、バイク乗りの仲間内ではブレーキの油圧ホースにらせん状に針金を巻きつけることで、膨張を抑えて、パッドが
どの位の力でディスクを挟むかをリアルに感じる、簡単な改造が流行っていました。
もちろんお金を出せば、そういう部品(ブレーキホース、元は航空機の油圧ケーブル)も手に入ります。
情報量をふやすためにやれることをやる。そんなところです。
(ですから、自分だけの優位性を保てず、結局ごぼう抜きはできないのですが。)
長々と話しましたが、ここからが本題です。
もし、経営者が自分の会社の情報を極めてリアルに、しかもリアルタイムでつかんで、客観的な映像として自分の頭
の中に、1週間後、1ヵ月後、半年後の映像として再現できたら、どうなると思いますか? ということです。
バイク乗りに、バイクは涼しくていいねえと(夏に)声を掛ける方が時々いますが、皆さん。自分が、真夏に革ツナギを
着込んで、ストーブにまたがっていることを想像して下さい。
実際、夏に大型のバイクに乗るというのはそういうことなのです。
バイクは暑くて、尻と腰が痛くて、他車の排気ガスをまともに吸って、かなりシンドイけど、楽しい乗り物なのです。彼
らはきっと言うでしょう。「経営者っていいねえ自由で。」と。
もし、あなたが経営者なら、社内の全ての動きを五感、いや十感で掴み、先手先手で行動していることが会社を潰さ
ないための最低条件なのです。違いますか?
言い換えましょう。
あなたは、社内のブレーキパッドを手で掴めていますか?
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