過去のコラム(Column41〜60)

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Column60  2005/9/25up            


 
■ 象を従わせる

  先日、市原ぞうの国に行ってきました。私の家から車で小一時間、高滝湖という人工湖のそばにあります。映画 「星に
  なった少年」に登場する象 ランディもいました。
  そもそも星になった少年の原作者自体が市原ぞうの国の園長さんだそうです。

  ともあれ、キリン、ライオン、カバ、熊、なんと犬や猫、カラスまでいて象の曲芸が見れたり、草食動物には自分で餌を
  与えられるとあって親子で一日楽しんだのですが、色々な動物が公立の動物園と比べるとかなり小さめな飼育舎や檻
  に入れられており、若干の違和感がありました。

  そして、鼻で絵まで描くような賢い象さんたちに曲芸をさせるのは、タイから来た象使いの方々。
  手にした棒で、象のつぼを押して意のままに動かすとのことでしたが、この棒、江戸時代の火消しがもつような先が金
  属性でとがった棒です。一匹の像がしこたま耳を叩かれているのを見てうちの子が一言。「可哀想。」

  言葉をしゃべれる人間を従わせるのだって相当難しいのに、象に言うことを聞かせるのは相当な訓練を必要とするので
  しょう。
  その訓練を想像しただけで可哀想な気もします。客として楽しんでいるのに無責任かも知れませんが。


  想像ですが、これが水族館のオットセイやイルカならまあ叩いて芸を教えたりしないような気もします。

  実は、象の鼻に千円 (紙幣) を掴ませると、象がそれを係員のところまで持っていき、代わりに象の縫いぐるみを持って
  きてくれる芸までありました。(うちの子も象から縫いぐるみを買ってかなり満足してました。)
  この訓練も相当大変でしょう。
  象が痛い思いをしていないといいのですが。

  少なくとも、人間には強制ではなく、言葉で納得させ、判ってもらって動いてもらおう。そんなふうに自分自身の考えを再
  確認しました。やはり、コーチングの良さを周囲に広めることは私の使命です。







Column59  2005/9/24up             


 
■ 若年性更年期障害?

  若年性更年期障害という言葉を最近よく耳にします。
  時に、頭がくらくらしたり、不安で落ち着かなかったり胸がドキドキするという症状も現れ、うつ病とかパニック障害で
  はないかと悩む方もいるようです。

  ところが、ところが、HPで若年性更年期障害を検索してQ&Aを見ていると、
  『30代以下の方が更年期障害になることなどない、若年性更年期障害というのはマスコミが勝手に使っている言葉
  である。』
  というコメントが目立ちます。

  ホルモンの異常や自律神経失調症による症状が更年期障害を原因とする症状と似ているということはあっても若年
  性の更年期障害ではない。ということです。
  しかもストレスからくるうつやその他の神経症とも症状が非常に似ており、気分がブルーになったり症状によっては
  イライラしたりする点も同じです。

  要は、素人が半端な知識では適切な対処はできないということ。またTVや雑誌の解説をうのみにしないこと。
  もちろん、このサイトも入門的な知識を書いているだけなので、調子の悪い方は自分で正確な情報を調べるべきで
  す。


  そこで、私がご紹介するのは、うつ・不安啓発委員会のHP「UTU−NET」。 >>>http://www.utu-net.com/

  うつにかんする知識やQ&Aが色々掲載されています。そして重要なのは、あなたのお住まいの近くの専門病院を
  紹介するサイトにもリンクしていること。
  気持ちが沈んだり、いつも不安や何だか急かされているような気がしたり、何か変だと思う方。頭痛やめまいが内科
  や耳鼻科に通っても治らない方、是非一度見てみてください。


  私にはストレスなんてほとんど無いと思う方も病院に行って病気だったんだと気づくことが多いそうです。
   (おどしているわけではありません。)

  誰でも、受験や初めての方との面談は不安でしょうし、ドキドキもします。遅刻しそうだったらあせらない方はいない
  でしょうし、周囲に騒々しい方がいればイライラします。また失敗すれば気持ちも落ち込みます。つまりは不安、あせ
  り、いただち、落ち込みは一般的なことなのです。でもそこから立ち直る時間には個人差があるし、立ち直りにくい方
  が更に悪化することもある。
  だからと言って性格の問題とあきらめる必要はまったくないし、最初から重い病気だと思う必要もないのです。

  調子が悪ければ、ちょっと医者にかかる。
  そんな気持ちで神経科やカウンセラーの門を叩くのが解決の早道です。

  カウンセラーに関して言えば、勤務する会社や健康保険組合が無料のカウンセリングを提供している場合だってあ
  ります。一人で悩まず、相談してみましょう。







Column58  2005/9/22up             


 
■ ジーコ型、トルシエ型

  ジーコ型リーダーか?トルシエ型リーダーか?
  最近よく目にする言葉です。 また、それ以前にサッカー脳か、野球脳かという言葉も見かけます。

  単純な私には、野球は静、サッカーは動のイメージがありますが、守備位置が明確かつ攻守の入れ替わりがはっきり
  し、監督の指示が伝わりやすい野球の戦い方と、守備範囲は決まっているものの、場面に合わせて選手が判断し、守
  りが一瞬にして攻撃にも変わるサッカーの戦い方はおのずから異なります。

  場面場面で選手が判断し、高度なチームプレーにつなげていく。サッカーのイメージを膨らませていると、昔ながらの古
  い企業は野球チーム型、最近伸びている企業はサッカーチーム型というような気もします。

  とはいえ、いわゆるトルシエ型は、
  監督自身のもつ戦いのイメージに選手を従わせる管理主義型。恐らく場面場面に応じたフォーメーションも明確になって
  いて、練習で徹底的に叩き込まれるのでしょう。 草サッカーで言うなら入門向けとでも言えるのでしょうか。

  対して最近話題のジーコ型は、
  監督からは明確な指示がない。(本当でしょうか?) というより、声の届かない試合中の選手の行動に自律性を持たせて
  いるような様子。
  その都度その都度選手同士がぶつかりあいながら方向性を決めていく。場面毎の判断をできる優秀かつ実践的な選手
  がいて、それをまとめる優秀なリーダーがいる。それが前提でしょう。 ある意味上級編。
  試合を見ているとまだまだ連携のとれていない危なっかしい場面も見かけます。

  つまり想像するに大事なキーワードはコミュニケーションと自立(自律)。

  批判も多かったジーコジャパンが今後どのような活躍を見せてくれるかわかりませんし、ジーコ型、トルシエ型のどちら
  が早く結果を出せるかも、現時点では比べにくいのですが、少なくともこの2つの指導・監督方法を企業活動に当てはめ
  てみると、ジーコ型が生き残りの条件のような気もします。

  企業では、予想もしない展開や問題がしょっちゅう出現します。(おおげさではありません。)
  明確なビジョン、価値基準に基づいたチームプレーを前提としながらも、プロフェッショナルである社員一人一人が自分
  の能力を最大限に発揮できる自律性を維持できる環境が成果への近道となるのです。

  必要なのは、マネージャーではなく、リーダーを育てること。そんな気がします。

  では、最後にジーコ監督の言葉。  「サッカーとは創意工夫のゲーム。個々の才能を活かして勝つべきだ。」







Column57  2005/9/13up             


 
■ アイデンティティーを探して

  世の中には自信過剰な人物が山ほどいるのに、最近何故か、自信無さ気の20代の社員をよく見かけます。

  自分は周囲にとってどんな存在なのか? 自分がこれから会社でどういう道を歩むのか?
  その為にどんな知識や経験を身に付けていけばいいのか?
  そんな自問の答え、ある意味アイデンティティーを持ってはいないようです。

  本来ならば、ある程度の選択根拠と決意を持って会社を選び、入社し、何年かを過ごしているはずなのですが、
  どうもそうではないようです。
  学生時代に自問し、書を読み自分を知るような時代でないのは判っていますが、今の学生には色々な経験をし、
  広く世界を見る自由な機会に溢れています。 でも、自分のアイデンティティを確立できる方は少ないようです。

  社会に出ずニートな日々を送る若者も大勢いますし、会社に入ってもどんな道を歩んでいいのか分からない。


  私は採用面接でよく質問します。「あなたにとって社会に出ることや就職することはどんな意味を持ちますか?」
  学生の方の多くが、このいたって当たり前の質問に答えられないか、せいぜい 「成長することです。」 というよう
  なことを言います。今までのは22年は成長ではなかったのでしょうか。

  自分で稼いで食べていくこと。自己責任で生きていくこと。自分の人生をしっかり足を踏みしめながら生きること。
  どんな答えでもいいのですが、彼らがどんな人生を歩もうとしているのかが分かり、 彼らが見つけたアイデンテ
  ィティーを感じさせる答えが聞きたいのです。

  私の会社では、メンタリングー手法を採用し、入社2、3年目の社員に1対1の相談役を付け、社内のキャリア開
  発や成長に向けた相談をする制度を導入することにしました。 アイデンティティ確立の手助けです。
  ちょっとばかりおんぶにだっこ。でもそんな相談相手になってくれる先輩を自分で見つけることは難しいのが現実
  です。

  しかし、実は困ったことに相談を受ける側が、自分達もそんな相手はいなかったのにどうやって相談にのればい
  いのかわからないとの声が上がっています。
  そんな声を見越して、細かいマニュアルも作ったのですが、マニュアルを見て、何で自分がそこまで面倒みなけ
  ればいけないのかという声も一部からありました。

  後輩を育てて戦力とする。
  その必要性から説明しなくてはなりません。コーチング以前です。
  いっそ入社後3年間位は野球チームかサッカーチームに入れたほうが良いかもしれない。ついそんなことを考え
  てしまいますが、それが以前体育会系が就職受けしていた理由の一つかもしれません。

  川上からきっちりやらなくては社員は変わらない。今、そんな気持ちで一杯です。







Column56  2005/9/7up              


 
■ ドラゴン桜のコーチング

  実は、阿部 寛 主演のドラマ 「ドラゴン桜」 を毎週見ています。偏差値の低い生徒に知識とノウハウを効果的
  に詰め込み、常識外のやり方で、東大合格を目指す内容ですが、先日の回を見てびっくり。

 (シーンA)

  阿部 寛 演ずる教師桜木が受験生の親を呼び、子供への接し方をこっぴどく叱り、正しい接し方を指示します。

  「自分はどうだったと言うな。成長のタイミングには違いがある。
   ちょっと遅いからって勉強が出来ないと決め付けるな。
   むやみに誉めるな、お愛想の誉めはするな、同じ誉め言葉を何度も使うな。
   期待だけで負担になるような誉めをするな。」

  「子供に話しかけられた時、てきとうな受け応えでいいかげんなあしらいをせず、子供の言った言葉をしっかり
   聴き、子供の言葉を繰り返せ。」


 (シーンB)

  また、生徒に、何故、何故、何故と繰り返して考えを掘り下げさせ、答えを自分で考えさせるシーンがありました。

   「自分には関係ないやと思ったら思考はそこで終わり、何故・何故と問い続けることが思考を広げていくんだ。」


  どうですか?
  この内容たるや、完全にコーチングスキルでしょう。
  原作の漫画家がすごいのか?
  TVの脚本家がすごいのか?
  教育の新理論として存在するのか?
  それは判りませんが、一般の教師たちとは違う破天荒なやり方を裏付ける理屈としてコーチングスキルがでてく
  るのです。

  別にコーチングと呼ばなくても、誰かを動かし、成長させるための基本は同じなのでしょう。







Column55  2005/9/2up              


 
■ アンダーマイニングの逆効果

  疲れていたり、気持ちがブルーな方に対して、頑張れと言うのは逆効果であることは以前にも紹介しましたが、
  積極的に頑張っている者を褒めるのが逆効果である場合があるって知っていましたか?

  自分が率先して楽しんでやっていることに対して、褒められたり褒美をもらってしまうと、やらされ感が生まれてし
  まうことがあるのだそうです。

  子供にでも、社会人にでもあるようです。 本の受け売りですみませんが、アンダーマイニング現象という心理学
  的事実なのだそうです。

  確かに「やらされたからやる」というより 「自分で考えてやりたいことをやる」のほうが楽しいし、最後まで頑張れる
  のは事実です。
  そこまで考えるのもめんどうくさいからほっとこうか、ではあなたのチームのパフォーマンスもそこまでしか、発揮
  できません。

  でも、世の中、褒められてやる気になる方が多いのも事実。
  そこで私が考えるに、例えば部下に対して単に褒めるのではなく、
  相手のやる気を計りながらコーチングスキルの一つ「承認」を活用し、褒める場合と、事実や進捗の確認をする
  承認にとどめる場合 をうまく使いわけるしかないのかなと。

  一旦上司となったからには、腹をくくって本気で部下と付き合わなければならないということです。
  それがマネージャーとリーダーの違いになってくるのでしょう。







Column54  2005/8/20up              


 
■ プレイヤーズ・ハイ

  ランナーズハイという言葉を聞いたことがありませんか?
  それをもじったライダーズハイという言葉がバイク乗りにはあります。かつてバイク乗りだった私も、その奇妙な神経
  の高まりを何度も感じたことがあります。

  雑念が全て消え、路面の情報を伝えるマシンと脳と筋肉が完全に(?)一体化し、時間も休憩も目的地も忘れ、ひた
  すら走り続ける。妙に冷静でいて神経が研ぎ澄まされたような感覚が走り続けることだけを体に要求するのです。
  正気に戻れるのは、燃料補給かトイレが我慢できなくなった時です。

  実は同じような感覚を仕事で感じることがあります。
  大きな行事の準備段階で、段取り8分と言われる総務マンの私は、もうちょっと詰めておこうかなと残業を始めると、
  つい時間を忘れて行事進行のシュミレーションをやり、自分の中でのダメだしや仕切り直しをしているうちに何10人、
  時に150人位の係員の時間毎の動きを描いたスケジュール表が完成するまでやってしまうのです。
  何度もです。
  総務マンとしての妙な興奮が冷静に行事を見つめさせ、妥協を許さなくなるのです。

  私は自分の記憶にとどめる意味で、この奇妙な興奮をプレーヤーズ・ハイと名付けました。
  総務マンとしてのプレーヤーズ・ハイです。

  しかし、部下を持ち、別な立場で仕事を仕切るようになると、プレーヤーズ・ハイは起こらなくなりました。
  プレーヤーではなくリーダーになってしまったのでしょうか?

  プレイング・リーダーなんて言葉もありますが、リーダーとして妙な神経の高まり、メンバーとのほぼ完全な一体感が
  ハイパフォーマンスを生み出す時が来たら、その興奮をリーダーズ・ハイ、そう名付けるつもりです。







Column53  2005/8/12up              


 
■ 深川祭のモチベーション

  本日から深川祭です。門前仲町にある富岡八幡宮の氏子となる近隣各地区から町内会単位で御輿が出ます。
  私の会社のある町内は電車で2駅離れていますが、3年に1回の本祭りということもあり、近隣の町内が競うように陣
  屋のようなもの築き、御輿が準備されています。

  実は昨夕方、町内会より呼ばれて前夜祭とも言うべき宵宮に顔を出しました。町内会の方々は法被、半纏を着込み
  心底、祭を楽しんでいるようでした。
  そして、私の住む近県とは大違い、誰もが本気です。江戸っ子そのもの。
  先日掲載の「進んで浮かれる夏祭」でみた地元の祭とはあきらかに違う殺気のような真剣さを感じます。

  「仕事ではこんなに本気な方々は見たことがない。」私の正直な感想です。
  きっと深川祭に限らず、各地の伝統のある祭ではこんな風景が見られるのでしょう。

  強制されるわけでもなく、やりたいことを本気でやり、本気で楽しむ。
  モチベーションの本質がそこにあるような気がします。

  今、社内のモチベーションを高めるための仕掛けを色々考えていますが、大きなヒントが得られたような気がしま
  した。







Column52  2005/8/11up             


 
■ 困った時の神頼み

  困った時の神頼みと言いますが、努力は自分でするもので神様が助けてくれるはずはないと思っているはずの
  私も、何かに頼むことは多いです。精一杯努力して(自分で思っているだけですが)結果を待つ時、「うまくいくよ
  うに」と必ず何かに頼んでいます。

  宗教的な神様ではないのですが、山の神、海の神等の八百よろずの神のような心の支えとしての神様なのかも
  知れません。

  実は会社にも神様が、・天照皇大神を祀った神棚がオフィス内にあります。 
  時折、安全祈願をしています。とはいえ社員も宗教心が強い訳でありません。

  工事をしたり、運転をしたりという職種の方を除けば、
  なんとなく。というと怒られますが。やっぱりなんとなく、自分の努力の範囲外にある部分について神頼みをする
  のです。

  朝、家を出るとき「よしっ」(気分的には「ブイっと行こう」です)と掛け声をかけ、眠い顔をするのは止めることにし
  ている私ですが、神棚に手を合わせることはほとんどありません。(神棚は私の前にあるのですが。)

  でも、モチベーションという切口でみると。
  神棚に手を合わせると「よしっ、頑張ろう。」という気にもなります。

  最近あまりみかけませんが、食事を始める際に手を合わせる方もいます。
  食事ができる事、作物を作ってくれた農家の方、作物を育てた自然の恵みへの感謝。大仰に構えるわけではなく
  ても、一つ一つのことにしっかり意味を見出すことは心を引き締めてくれることのような気がします。

  私も、「うまくいくように」(神頼み)と「よしっ」(気持ちを引き締める)の両方に役立つ自分自身の神様をみつけてみ
  ようかと、ちらっと思いました。







Column51  2005/8/10up             


 
■ 大学ノートの実証性

  昨日、以前所属していた部署からの問合せがありました。何と9年前の担当業務の処理結果とその経緯について教
  えて欲しいとのことです。

  仕事に関してだけは比較的記憶が残っているほうなんですが、2つ質問の片方について思い出せません。
  そんなことあったかなという感じです。もう一つについても詳細まではうる覚えです。

  もちろん。関係書類は案件毎に整理して以前の部署にファイルで残してきたのですが、事務所の引越し時にメモの類
  は整理されてしまったようで、細かな経緯が分からないようです。

  ふと、思い出して会社の引き出しを探ると・・・ありました。
  打合せ記録や覚えが記載されたB5サイズの大学ノートです。雑記帳として今でも使ってます。半年から9ヶ月に1冊
  くらいの割合で、13年くらい前からあります。

  9年前当時のノートもありましたので、メクってみました。ありますあります。質問に関係した記述が。
  記憶が残っていないほうの質問事項に関しては、担当者が私でないことが明確でした。
  うる覚えのほうの質問事項に関しては、打合せ内容、経緯がところどころに記載されています。完璧な記録ではありま
  せんが、記憶を呼び戻す助けにもなり、自分の頭の中に当時の映像が浮かんできました。

  質問してきた方にノートのコピーを渡し、こんなことが書いてあるよと文字で説明することも出来きたので、言葉での説
  明よりはるかに説得力もありました。

  実は、毎年1冊のスケジュール手帳も15年分以上保存してあるので、いつ何の打合せがあったか、仕事でどこへを出
  かけたか、何の飲み会があったかも探ることもできます。
  雑記帳にはメモをそのままのり付けしたり、手帳には自分の予定と自分が参加しない会社の行事を色分けしたりもする
  ようになり少しずつ進化もしました。

  古いものは捨てようかとも思っていましたが、今回の問合せ対応での実証性に気を良くして、今後も記録を残していこう
  と決めました。







Column50  2005/8/9up              


 
■ ゆでがえる

  久しぶりにネクタイを締め、上着を着用しました。通夜への参列だったのですが、COOL BIZでノータイに慣れた身
  には、辛い午後でした。

  一緒に参列した同僚と話していて、昨夏を思い出しました。
  昨夏は毎日上着を抱えて通勤していましたが、帰宅時はネクタイも締めたまま。満員電車に乗って今夏より数倍
  暑い思いをしていましたが、体が慣れていたせいかそれほど苦痛ではありませんでした。

  「慣れっていうのはすごいもんだね。」
  「首相が変わったら、COOL BIZも無くなったりして。」 などとしゃべりながら、
  昨夏は、オフィスの中も冷房が効いているとは言え、首周りに汗をかいて辛かったのを思い出します。それでも、毎
  日のことなので辛いのにも慣れていました。

  ゆでがえるという言葉がありますが、社内でも一時期はやりました。
  だんだんと、業績が悪化し利益が少ないのにも、賞与が減るのにも慣れてきて、あまり気にしないうちに、ある日突
  然会社が無くなっちゃう。・・THE END。
  そんな話しを中堅社員がまじめに議論しても、少数の若手も、多くを占める年配もまともには取り合わないのです。

  若手は言います。「その時は他の仕事を見つけます。」
  年配は、「俺が居る間はまだ大丈夫だよ。」・・中堅はどうすればいいのか?

  そんな私も、年齢だけみれば、もう中堅とは言えません。
  2007年問題とも言われる団塊の世代が大挙して退職してしまえば、企業は変わらざるをえません。
  それまでゆでがえるは続くのかもしれませんが、社員のモチベーション向上はどうみても急務です。

  その時まで会社が、まだ存在することを祈って。モチベーションの仕切り直しを続けるしかありません。







Column49  2005/8/8up               


 
■ チームをチューニングする

  ギターをある程度弾いていると、6弦のチューニングが音叉やチューニングメータ無しに出来るようになります。

  しばらく弾いていないと、耳の感覚が衰えて全体的に音程が低かったり高かったりすることもありますが、それでも
  6つの弦としてのバランスは取れています。何か慣れ親しんだチームメンバーとのバランスのようです。

  ところが或る時、ウクレレを購入してみて何ヶ月か弾いてみましたが、チューニングメーター無しには、中々音が合
  わないのです。
  基本はギターと同じなのですが、ウクレレは4つの弦が音程順には並んでいないのです。だんだん低く(太く)なっ
  て最後にまた高い(細い) 。単純そうで複雑な並び方。新しいメンバーの入ったチームそんな感じです。

  きっとまだウクレレを弾き足りないのでしょう。

  多少変わったメンバーが居ても、時間をかけてメンバー間の距離感や相手の性格が理解できるようになれば、う
  まくチームをチューニングできる。
  チーム内の人間関係はそんなに単純ではないかもしれませんが、バランスの取れたチューニングができたチー
  ムは最高のパフォーマンスを発揮することでしょう。

  自分のグループをチームとして認識し、時間がかかっても、きちっとチューニングをしていく。
  リーダーとしての使命かも知れません。







Column48  2005/7/30up             


 
■ BQ (ビジネス感度) について考える

  皆さん、IQ (知能指数) や最近はやりの EQ (心の知能指数=EIQ) という言葉はご存知と思います。
  特にEQは人の心を理解した上で的確な行動につなげていくチームワークや部下指導には欠かせないもの、また訓練
  すれば伸ばせるものとして脚光を浴びています。

  そしてこの最近、経済同友会の提言で、BQ(ビジネス感度)という言葉が取り上げられました。
  IQ、EQにひらめき(直感力)を加味したBQで「できる人材」かどうかを判断していこうというのです。

  人事制度改革委員長を務めたクレディセゾンの林社長によると、ビジネスにおいて感性が重視されるこれからの知的
  感性時代において、IQだけではなくBQが重要とのこと。

  さて、ではどうすれば、BQを高めることができるのでしょう。
  新聞記事では、遊びが大事とも書いていますが。

  実は、一昨年頃ちょっとはやった広告マン ジャックフォスター氏の著書「アイデアのヒント」や続編の「アイデアマン
  の作り方」を読んでいるとその答えが見つかるような気がします。

  私流の書評としては 「自分の中のバカの壁の崩し方が書いてある本」。 
  フォスター氏による発想を転換する授業が紹介されております。

  浮かんだアイデアを逃さないようにドアを閉める から始まって
  例えば、8の半分は何か?
   ・ ○(上半分)と○(下半分)で0、もしくは○2つ
   ・ VとV
   ・εと3(たてに半分)
   ・ ノとヽ(八の右と左)
  等々

  底辺にあるのは、物事の捉え方を一つに限定しないという考え方。
  リーダーシップやコミュニケーションをきちんと機能させるためにも必要な考え方だと思います。

  しかし「できる人材」には、思いついたひらめきを社内で実行する力が必要不可欠です。
  それが一番知りたいことだったりするのですが。







Column47  2005/7/28up             


 
■ 続クールBIZ、相手の立場を考える

  クールBIZの28度。皆様も結構、暑い思いをしているのではありませんか。
  私の勤務先は、古い建物を改修し、部屋毎に個別の天井吊り下げ式の空調機を設置しています。正直言って暑い
  です。微調整の効かない古い空調機で、28度設定は結構つらいのです。その中で、ドライ機能を使用し何とか耐え
  ております。

  ところが打合せで、他部門の部屋に行くと、何故か涼しい。
  「あっ。24度になってるじゃないか。」度々、大声を出して直したりします。

  そして、温度設定28度を守らない部門に文句を言っていたときのこと。
  「暑くて仕事にならないので、許して下さい。」
  「ならん。ドライ機能を使って湿度を下げるとか工夫しなさい。」
  「えっ。ドライ機能なんて、どこにあるの。」
  「どれどれ、あっ。・・やあ、見かけは同じ機械だけどドライ機能が無いね。」

  相手の状況を良く理解せずに文句を言っていたことに気付きました。笑ってごまかしながら、その場を立ち去りまし
  たが、一方的に誰かを責めるものではないなと、当たり前のことを思い知らされました。

  もう半月以上たつのにその部門では、私が別件で覗いただけで、「ドライ無いからさ。ねっ。」と声をかけてくる始末です。
  ・・・思い込みには気をつけましょう。相手の立場をきちんと考えて。







Column46  2005/7/25up             


 
■ 進んで浮かれる「夏 祭」

  祭の季節です。 私の家の近所の公園でも盛大に行われています。
  そして、近年の傾向として、盆踊りの音楽は流れているものの、踊っているのは、踊りの会に所属しているようなベテ
  ランが少数のみです。近隣の町内の夏祭りもだいたい同じような状況です。

  子供の多くは、出店(と言っても町内会が運営)でくじをやったりゲームをしたりしていて、どう考えても寿命が一晩し
  かないような小さかったり光ったりのわけのわからないおもちゃを買ったり、近所の道路にまで飛び出て狂ったように
  ふざけあっています。

  一言でいうなら、熱に浮かされたような状態。

  そう考えると、学生時代の学園祭やラリー(車で山の中を走るやつです)を運営した時にも、皆、かなり浮かれてたよ
  うな気がします。
  でも、会社で大きな行事を運営したり、社内運動会(今はない)に参加しても別に浮かれたりしません。

  浮かれるかどうかは、アルコールの有無や主催者か、参加者かの違いというよりは、義務感でやっている(やらされ
  ている)のか、自分から進んでやっているかの違いが大きいのではないかと思います。

  会社勤務を振り返ってみて、熱に浮かされた状態で仕事をしたことなんかないような気がします。
  総務・人事マンである私が、進んで新しいことに着手して、猛烈に頑張るシーンそのものが想像しにくい状況です。

  自分自身のターゲットを自分で見つける。 会社のターゲットと自分のターゲットが重なる。
  そんな状況を実現できれば、誰もが熱に浮かされながら仕事に打ち込めるのかもしれません。

  実は、このHPの元になっているコーチングMail通信(社内メルマガ)の内容を考えている時は、私もちょっとその
  状態に近くなっているかもしれませんが。







Column45  2005/7/18up             


 
■ 中身と外見の2段構え

  娘の机の上に、プラスチック製ではありますが、結構立派な置き時計がありました。
  キャラクターの描かれた時計ですが、実は、小学生向けマンガ雑誌の付録なんです。
  420円のマンガを買うと、付録として時計が付いてきたのです。
  月によっては、財布だったり、筆箱 (缶ペン) だったり、ペンセット (ジェルペン)だったり します。
  実際に使えてしかもカラフル。

  かと言ってオマケばかりが充実しているわけではなく、中身のマンガも子供には受けているようです。

  要は、中身と外見の2段構え。
  実はコミュニケーションにおいても、中身だけでなく、人を惹きつけるオマケ(魅力)は重要です。

  楽しそうな笑顔、元気のいい朝の登場、部下にかける一言。・・・案外軽視している上司の方々は多いようです。

  深刻な話をする時にニコニコしているようでは変ですが、場面に応じて話しかける時の声のトーンが明るかったり、
  低かったりすることが、部下を前向きにさせたり、真剣にさせたりすることもあるのです。

  皆でしかめっ面して机に向かっているより、生き生きと動き回っているほうが仕事のペースも成果も上がるような
  気がしませんか。

  次の週明けのあなたの第一声は、是非、張りのある大きな声を出してみてください。
   (もちろん、眠いのをこらえて。)







Column44  2005/7/14up              


  
■ 交渉は協業の始まり

  日経産業新聞を読んでいたところ、「企業提携の使える交渉術」と称し、条件交渉術の紹介記事がありました。

  その中の一つに、条件交渉で勝ちすぎないこと というのに目が止まりました。 
  ・・・いわく、交渉は協業の始まり。
  人と人との関係を言い得た、素晴らしい言葉だと思います。

  上司と部下、同僚同士の関係も全く同じです。
  最近、言葉で相手を言い負かすことで、自分の存在価値を高めた気になっているような方が目につきます。

  それだけ厳しい世の中になってきているのかも知れませんが、
  チームや同じ組織内の人間が相手であれば、多少、利害が相反することがあっても協力関係を築くことが、結果としては
  チーム・組織の利益となり、お互いの利益として返ってくるはずです。    一言で言うなら、「全体最適」。

  当たり前のことなんだけど、つい目先の(自分の)利益を優先してしまう。
  そんな方にこそ、相手の言葉に耳を傾け、相手の気持ちに共感することをベースとするコーチング手法は役に立ちます。

  「交渉の場で、相手の利益を優先させる」 (決して、上司を立てるという意味ではありません。)
  そんな気持ちで一歩引くことは、立派なコーチングスキルだと私は思います。







Column43  2005/7/12up             

 
■ コミュニケーションギャップ

  最近、日中、日韓問題が騒がしいですね。
  報道のせいか、日中・日韓というより小泉首相と中韓両国の問題に思えてしまいます。
  でも、小泉さんの発言は少なくとも日本の代表としての発言となります。
  (あくまでコーチングの題材です。政治的意見はありません。)

  この問題。 靖国参拝問題というよりはコミュニケーションギャップの問題のようにも思えてしまいます。

  両国の未来を考えていこうという小泉さん。 過去をキチンと認識することが先決という中韓両国。
  全く当事者外の国の方が客観的にみたら、どっちも正しいと言うかもしれませんし、どっちも間違いと言うかもしれま
  せん。つまりは、正解はないということです。あるのはお互いの主張だけ。

  最近の報道ではもう、あまり取り上げられませんが、はじめの頃は、
  中国や韓国政府の方が、小泉さんに対して 「何で、参拝するの? 目的は何?」 と質問したり、
  小泉さんが、中国や韓国政府の方に、「どうして反対するの?本当はどうしてほしいの?」 と質問していたはずです。

  まして、お互いが冷静になって、「最終的に目指しているのはどんな状態なの? じゃあ、歩み寄ろうか。」
  というようなシーンも、もう見れそうにはありません。 残念な限りです。

  実のところ、政治的駆け引きの部分が大きいのでしょうが、
  少なくとも我々が、自社内で上司や部下、そして利害関係の対立する他部門とのコミュニケーションを改善することの
  ほうが、ずっーと楽なことのように思えます。

  コーチングを学びコミュニケーションに役立てることは世の中の全ての人に必要なんだなと、勝手に思っております。
  (全ての方がコーチングスキルを実践すれば、争いのない世界になるかも知れませんよ。・・・理屈としては)

  皆さんだったら、言葉も文化も違う相手に、自分の考えを正しく説明する自信がありますか?
  もちろん喧嘩せずに。







Column42  2005/6/23up             


 
■ モチベーションの仕切り直し

  6月22日の日経産業新聞に、ヤフーの人事評価についての記事がありました。

  社員は3ヶ月間のサイクルで目標設定をし、評価を受けるとのことです。
  また、そこには 「ペイ・フォー・パフォーマンス」 という明確な評価原則があるようです。

  年4回賞与があるかどうかは知りませんが、この厳しさも、変化の激しい業界だけに当然のことかも知れません。

  でも、よく考えると、上司と部下の評価面談も年4回。
  となれば想像するに、モチベーションの仕切り直しが年4回も行われるわけです。

  手馴れてしまい、手を抜いた目標設定をしたりして生き残れるような業界ではないでしょうから、
  やる気さえあれば、年4回も自分の活動が認められる機会があるわけです。

  逆に、やる気がなければ、年4回も落ち込むことにもなりそうです。 恐らく退場ですね。

  少なくとも、新聞記事のとおりなら、面談の都度、自分が会社や上司から期待されていることに気づくことができるはず
  です。

  皆さんの会社でも、正規の評価面談とは別に、3ヶ月に1回くらいモチベーションの仕切り直しをしてみませんか?







Column41  2005/6/22up             


 
■ 指示・命令か、自分で考えさせるか

  コーチングを紹介しているとよく聞く質問が2つ、
   @ 叱咤激励のどこが悪いのか?
   A 自分で考えさせるというが時間がかかる。命令したほうが早いのでは?

  もちろん、それで部下が仕事を覚えて成長していくならOKです。
  また、仕事のやり方がよくわからない初心者に対してなら、指示命令や叱咤激励でいいかも知れません。

  でも、自分が部下の立場だったら、若しくは、親子の子の立場だったらと置き換えて考えてみて下さい。


  では、比べてみて下さい。

   「指示したとおりに仕上げてくれ。」 と上司に指示されたり、
   「TVばかり見ていないで、ちゃんと勉強しないといい学校にいけないぞ。」 と親にハッパをかけられるのと、

   「メリット、デメリットを比較して最善策を考えてみよう。」 とか、
   「○○の学べるあの学校に入りたいから、今、頑張ろう。」 と 自分自身で思うのと、

  どちらが、成長出来たり、頑張れたりするのか考えてみて下さい。


  作業の結果や効果が十分に意識できたり、目的意識が明確だったりする場合は、細かく指図されるより、自分の考えや自
  分の意思で行動したほうが結果や成長につながります。

  叱咤激励が悪いというのではありません。 相手によって指導方法を変えたほうが効果的だということです。

  但し、ここに、重要な落とし穴があります。
  自分の部下はまだまだ半人前だから、きっちり指示して行動させよう。 あなたが、そう思っていても、部下自身は自分が
  一人前だと思っているかも知れません。

  当たり前のことばかり書くなと、また言われてしまいそうですが、上司と部下の考えの間にギャップがあるのは確かです。


  自分で考えて結果を出そうというモチベーションのある方が相手なら、多少の失敗は許容して仕事を任せるべきです。
  自分だって若い頃、よく失敗しませんでしたか? (失礼。)

  致命的でない失敗は成長の元にもなります。
  今、指示通り動いて、結果を一つ出してくれるより、これからずーっと、しかもより大きな結果を出してくれるように部下を成
  長させてみたくありませんか。

   「○○の結果を出して欲しいのだけど、やり方を考えてみてくれ。」
   「ちょっと大変かもしれないけど、君ならできると思う。」

  若いときにそう言われて、やる気になったことありませんか。
  今週、今まで部下に任せたことのない仕事を一つ任せてみませんか。







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